
家族として迎えてから最初に乗り越えないといけない愛猫の避妊手術。手術に向けて何を準備したらいいのか、どのように予定を立てたらよいのか悩む飼い主さんも多いです。その中でも気になる「避妊手術は日帰りなのか、1泊以上の入院が必要なのか」についての考え方をお話しします。この記事を参考に、かかりつけの動物病院の先生とじっくり相談してみてください。
もくじ

メス猫が妊娠する機能をなくす手術を避妊手術といいます。全身麻酔をして卵巣と子宮を全摘出するのが一般的ですが、病院によっては卵巣だけを摘出する場合もあります。どのような手術を行うかは、かかりつけ医に確認してみてください。
ちなみにオス猫の場合は去勢手術といいます。去勢手術についてはこちらをご覧ください。
【獣医師監修】オス猫の去勢手術は時期を逃すと大変!?去勢のメリットと注意点を解説
オスとメスを家に迎えた場合や脱走した際に、望まない妊娠を防げます。
発情期の猫は落ち着きがなく、食欲低下や下痢などの消化器症状が出ることもあります。ストレスも感じやすいです。
個体によりますがこの発情期は2週間ほど続き、落ち着いたと思ってもすぐに次の発情期が繰り返しやってくることもあります。
お家でゆったりとした日々を過ごしてもらうためにも避妊手術は必要です。
適切な時期に避妊手術を行うと、80%が悪性腫瘍である猫の乳腺腫瘍の発生率を下げられます。子宮を摘出することで子宮蓄膿症などの病気も防げます。
避妊手術は愛猫が将来病気になるリスクを軽減できるといえるでしょう。
生後5~6か月頃を避妊手術の目安とする動物病院が多いです。メスの猫は早いと生後4か月で発情することもあるため、初回発情前の生後5か月までの避妊手術に取り組んでいる動物病院もあります。
乳腺腫瘍の発生率は、生後6か月より前の避妊手術で91%低下、生後7~12か月なら86%低下します。しかし、生後13か月以降になると11%の低下にとどまり、24か月以降は効果がないといわれています。
乳腺腫瘍のリスクを減らせるよう、避妊手術の時期を逃さないようにしましょう。
(参考文献:CatRibbon公式サイト「猫の乳がんって?」)
避妊手術は全身麻酔をかけて実施するため、血液検査やレントゲン撮影などで全身状態を確認する必要があります。
動物病院を受診したその日に手術ができることはほとんどありません。すなわち、生後6か月を迎えてから「避妊手術をしたい」と受診しても、タイミングは遅いことが多いです。
ワクチン接種でかかりつけ医を受診する際に避妊手術のスケジュールを相談するなど、早めの行動をおすすめします。
保護猫は、譲渡後に里親のもとで妊娠することを防ぐため、生後2か月以降の早期避妊手術をしている場合があります。子猫を迎える際は、手術が済んでいるか確認しておくと安心です。

猫の避妊手術で1泊の入院が必要かは、動物病院の方針によりますので、避妊手術について相談する際に事前に確認しましょう。
避妊手術後の入院を基本としている病院でも、術前検査や手術中に異常がなければ手術後に数時間の経過観察をした後に帰宅できる場合もあります。
日帰りを基本としている病院でも、麻酔の覚醒に時間がかかった場合などは、入院となることもあります。
いずれも、獣医師が判断することではありますが、飼い主さんの希望として事前に相談しておくとよいでしょう。
特に猫の場合、慣れない環境での入院がストレスになることを考えて日帰りを基本としている病院もありますが、家での様子見が不安な場合は獣医師と相談の上、1泊の入院を依頼することも可能な場合があります。

ワクチン接種や術前検査などの必要事項を、避妊手術の何日前までに済ませなければならないかも動物病院によって異なります。かかりつけ医にスケジュールを細かく確認しましょう。
日帰り手術ができる場合も病院内にしばらく滞在する必要があり、直接接触はなくてもほかの動物と同じ空間で過ごすことになります。
感染症を持ち込まない、感染しないためにも、事前にワクチン接種やノミ・マダニをはじめとする駆虫はしっかり実施しましょう。
全身麻酔で心配なことがないか、血液検査やレントゲン撮影などの術前検査で確認します。適切な予防と術前検査が終了次第、避妊手術の予約を取ります。
その際、手術に向けた注意事項の案内があると思います。必ず動物病院の指示に従いましょう。
麻酔の影響で吐きやすくなるため、胃に内容物があると全身麻酔中に嘔吐し窒息に繋がります。手術当日の朝の絶食を忘れないようにしてください。
全身麻酔の前には8時間以上の絶食が一般的ですが、動物病院からの注意事項を確認し対応しましょう。普段、夜の間も食事を置いている場合は片付け、愛猫が食事をした最終時間を把握することが大切です。
病院に着いたら体調の変化や心配事などがないか最終確認をします。午前中の診療が終了し、診療がお昼休みとなる時間で手術をすることが一般的です。
手術終了後の面会やお迎えの時間については、動物病院スタッフに確認しましょう。
手術が終わったら麻酔からの覚醒の様子などを確認し、帰宅できるか判断されます。日帰りが可能な場合は、お迎えの際にいつから飲食可能か指示をもらいましょう。
異常がなければ手術から1週間後を目安に、傷口の確認に再受診します。抜糸が必要な場合は抜糸します。

猫の性格や傷の大きさなどにもよりますが、エリザベスカラーや術後服が必要になることがあります。
手術から1週間後の傷口確認まで、エリザベスカラーの着用を必須とする病院もあれば、猫が傷口を気にしていなければ何も着けずに様子を見るなど、病院によって方針がさまざまです。
エリザベスカラーや術後服の購入・貸し出し等については、避妊手術の相談を始める際に、かかりつけ医に確認してみてください。
病院から帰宅したときに愛猫が安心して過ごせる場所を確保しておきましょう。普段からケージを常設しておき、安全基地として認識してもらえていると便利です。
避妊手術のときに限らず、家族が利用しているバスタオルや毛布・シーツなどでケージを覆ったり、敷いたりして落ち着ける空間を用意するのもおすすめです。
お家でこれらを日常的に使いつつ、受診の際にもバスタオルなどを持参することを習慣にするとよいでしょう。

術後の飲食開始時刻については、動物病院からの指示を守りましょう。
日帰り手術の場合、しっかり覚醒しているように見えても麻酔の影響で嘔吐しやすくなっていることがあります。絶食していたこともあり、一気に食べてしまう猫も多いため、少量ずつ様子を見ながら与えていくことをおすすめします。
帰宅した日は可能な範囲で安静に過ごし、飼い主さんから遊びに誘わないようにしましょう。翌日以降は特別な指示がなければ、手術から約1週間後の再受診まで、普段どおり過ごして大丈夫です。
愛猫が傷を気にしていないか、様子をよくみておきましょう。
飼い主さんの見えないところで舐めている場合もあります。日頃と同じように接しながら、傷口が腫れていないかなどを確認できるとよいです。異常があればすぐにかかりつけ医に相談しましょう。
エリザベスカラーに慣れるまで、3日ほどかかる猫もいます。
暴れたり壁に衝突したり、いつも通っている場所に挟まってしまったり。エリザベスカラーが邪魔で飲食ができないこともあります。食器に高さを出すなど工夫してあげましょう。
術後服が小さすぎるとジャンプが上手くできず、移動の際に落下することがあります。サイズに問題がないか動き方を丁寧に観察してあげましょう。
家にほかの猫がいる場合は、病院の匂いに驚いて威嚇されてしまうことがあります。
病院から帰宅した猫をキャリーから出すときは、バスタオルで包んで家族の匂いをつけてあげてから会わせるなど、猫たちのストレスを軽減できるよう気にかけてあげましょう。
同居猫が傷口を舐めることもあるため、様子を確認してください。

避妊手術は愛猫の性格や月齢などを考慮し、かかりつけ医と事前にしっかり相談することが大切です。
避妊手術後は代謝が大きく下がるため、太りやすくなります。子猫用フードから避妊手術済の猫用フードへの切り替えを検討しましょう。
ワクチン接種や避妊手術が一通り終わると受診の機会が減ります。
愛猫が動物病院にストレスなく通院できるように定期的に体重測定や触診による体格チェック、駆虫薬の滴下等をしてもらいながら通院トレーニングを行い、愛猫の健康維持を動物病院と一緒に実施していきましょう。
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