【獣医師監修】子猫の離乳食はいつから?ミルクからフードへの切り替え方や注意点
2024.03.21 作成

【獣医師監修】子猫の離乳食はいつから?ミルクからフードへの切り替え方や注意点

獣医師/ペット栄養管理士

森井知里

森井知里

子猫も人と同じように、成長にあわせてミルクから通常の食事に切り替える際に離乳食を使用します。子猫の乳歯が生え始めたら、離乳食をスタートしましょう。舐める練習から始め、生後6〜9週齢くらいにドライフードを食べられるようになるのが目安です。子猫に与える離乳食の内容、時期に応じた与え方のコツを学びましょう。

もくじ

    子猫の離乳食はいつから?(与え始めるタイミング)

    【獣医師監修】子猫の離乳食はいつから?ミルクからフードへの切り替え方や注意点
    (BeautifulPicture/shutterstock)

    子猫の離乳食は、生後3週齢頃、乳歯が生え始めたらスタートしましょう。哺乳瓶から小さめのお皿に替え、子猫用ミルクにペースト状で飲み込みやすい離乳食を加え、ミルク以外の食べ物に慣らしていきます。

    徐々に離乳食の量を増やしてミルクの量を減らし、水と子猫用フードだけになることを目指しましょう。

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    離乳食の種類

    離乳食の種類
    (cataliniturca/shutterstock)

    これまでミルクしか飲んでこなかった子猫は、まだ離乳食を食事と認識して上手に食べることができません。胃腸がまだ固形物に慣れていないため、急がず少しずつ切り替えていきましょう。

    また、子猫の離乳食や子猫用ドライフードは必ず「総合栄養食」と記されたものを選びましょう。総合栄養食は、そのフードとお水があれば、必要な栄養素が摂取できるように作られています。

    まずはペースト状の離乳食から

    生後3~4週間頃に与え始める離乳食は、ペースト状のものにしましょう。子猫用の離乳食として、お湯で溶いて使用するタイプのものや、最初からムース状になったものが離乳食として販売されています。

    ふやかした子猫用ドライフードへ移行

    ペースト状の離乳食をミルクなしでも食べられるようになったら、子猫用ドライフード(キトンフード)に移行しましょう。歯がすべて生えそろっていない状態でも食べやすいよう、子猫用ドライフードをお湯でふやかして与えてください。

    また、離乳食用のウェットフードも販売されています。お湯でふやかした子猫用ドライフードの代わりやトッピングとして離乳食用のウェットフードを活用してもよいでしょう。

    離乳食の進め方(切り替え目安)

    離乳食の進め方(切り替え目安)
    (Glovatskiy/shutterstock)

    乳歯が生え始めた頃(3週齢頃)

    子猫用ミルクから、ミルク+ペースト状の離乳食に切り替えていきます。まずは飼い主さんが少量(小さじ1杯程度)のペースト状の離乳食を猫の口元に付け、舐めさせるところからスタートです。離乳食の味を覚え、食べ物だと認識してもらいましょう。

    離乳食に慣れてきたら、手塩皿など浅いお皿に乗せて子猫に匂いをかがせ、自分で舐められるように練習しましょう。少量の離乳食を舐める練習が始まっても、しばらくはミルクが主な栄養源です。離乳食を舐めた後は、満足するまでミルクも与えましょう。

    離乳食に慣れてお皿から上手に舐められるようになったら、ミルクにペースト状の子猫用離乳食を少量混ぜたものをお皿から与えてみましょう。

    子猫の体調や排泄物に問題が無いことを確認しながら、少しずつペースト状の離乳食の量を増やして、ミルクの量を減らしていくような形で切り替えていくとよいでしょう。

    ミルクなしでペースト状の離乳食を食べられるようになったら(6週齢頃から)

    ミルクなしでペースト状の離乳食を食べられるようになったら、ペースト状の子猫用離乳食にお湯やミルクでふやかした子猫用ドライフード(キトンフード)を混ぜて与えましょう。

    最初はペーストの離乳食とふやかしたドライフードの割合は半々くらいがよいでしょう。歯の成長に合わせて少しずつふやかす時の水分量を減らして、噛む練習を始めます。

    子猫用ドライフード(キトンフード)の代わりに離乳食用ウェットフードを使用してもよいでしょう。

    いきなり子猫用ドライフード(キトンフード)だけにしてしまうと、うまく消化できずに下痢をしてしまったり、食べる量が減って体重が落ちたりすることがあります。排泄や食べ残しのチェックと体重測定が重要です。

    歯が生えそろったら(6~9週齢頃)

    歯が生えそろったら子猫用のドライフードはお湯やミルクでふやかさなくても食べられるようになります。ドライフードのみに切り替えていきます。トッピングやバリエーションとして、ウェットフードを使用するのもよいでしょう。

    ドライフードに切り替えた後は、ごはんからの水分摂取量が減ってしまうため、新鮮なお水も準備しましょう。なかなか水を飲まない場合は、数カ所に分けて置いたり、食器を変えたりしてみてください。

    離乳食を与える際の注意点

    子猫の離乳食の回数

    子猫の離乳食の回数
    (Ermolaev Alexander/shutterstock)

    離乳期の子猫は消化機能が未熟なため、一度にたくさんの量を食べることができません。空腹状態が長く続くと低血糖もおこりやすいため、1回に与える量を少なくし食事の回数は多くしましょう。

    離乳初期に市販のペースト状の子猫用離乳食を与える場合は、1日4~6回程度、3~6時間おきが目安ですが、欲しがる分だけ与えても問題ありません。

    また、最初は便の状態や食いつきの具合を見ながらミルクも一緒に混ぜて与えましょう。

    離乳中期から、ペースト状の子猫用離乳食にミルクやお湯でふやかした子猫用ドライフード(キトンフード)を混ぜて与える場合は1日3~4回程度が目安になります。

    子猫が離乳食を食べて下痢をしたら?

    子猫が離乳食を食べて下痢をしたら?
    (Brazhnykov Andriy/shutterstock)

    離乳食の食べ始めの頃に水下痢をした場合は、離乳食の量を減らしてミルクの分量を増やしたり、少なめの量を数回に分けてあげたりしましょう。

    その後の排便に改善がみられない場合は、早めに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

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    まとめ

    子猫の乳歯が生え始めたら、いよいよ離乳食のスタートです。始めは、小さく浅いお皿などに少量のペースト状離乳食を入れて舐める練習から始めます。舐めるのに慣れてきたらミルク+ペースト状の離乳食に移行しましょう。

    加えるミルクの量を徐々に減らし、ミルクなしでペースト状の離乳食を食べられるようになったら、ペースト状離乳食+ふやかした子猫用ドライフードへ移行します。

    歯の成長に合わせて少しずつふやかすときの水分量を減らし、乳歯が生えそろう生後6〜9週齢くらいには、子猫用ドライフードのみを食べられるようになるはずです。慌てず子猫のペースに合わせて移行していきましょう。

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    著者・監修者

    森井知里

    獣医師/ペット栄養管理士

    森井知里

    プロフィール詳細

    所属 yourmother合同会社
    (獣医師によるオーダーメイドの手作り総合栄養食や療法食レシピをお届けする「DC one dish」の運営)

    日本ペット栄養学会

    略歴 1992年 三重県に生まれる
    2011年 麻布大学獣医学部動物応用科学科に入学
    2013年 麻布大学獣医学部獣医学科に転学科
    在学中、料理教室で講師を務める
    2018年 獣医師国家資格取得
    2018年 東京都内動物病院に勤務
    2019年~2021年 千葉県内動物病院に勤務
    2022年~2023年 東京大学附属動物医療センターで内科系研修医として勤務
    2023年4月~ yourmother合同会社に勤務

    資格 獣医師免許
    ペット栄養管理士

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