【獣医師監修】子犬の歯磨きはいつから始める?歯磨きの仕方やタイミング、頻度を解説
2023.11.22 作成

【獣医師監修】子犬の歯磨きはいつから始める?歯磨きの仕方やタイミング、頻度を解説

獣医師/ペット栄養管理士

森井知里

森井知里

お口の健康のために、犬も毎日歯磨きをする必要があります。犬は人の約5倍のスピードで歯垢が歯石に変わるといわれており、歯磨きの頻度が低かったりうまくできていなかったりすると、歯と歯茎の間にたまった汚れが歯石になり、口臭や歯周病を引き起こします。子犬のうちに歯磨きに慣れさせ、歯周病を予防しましょう。

もくじ

    子犬の歯磨きはいつから始める?

    【獣医師監修】子犬の歯磨きはいつから始める?歯磨きの仕方やタイミング、頻度を解説
    (Ermolaev Alexander/shutterstock)

    子犬は生後3週齢頃から乳歯が生え始め、2〜3か月齢頃までに乳歯28本が生え揃います。4か月齢頃に乳歯から永久歯への生え替わりが始まり、7か月齢から1歳くらいまでに42本の永久歯が生え揃います。

    小型犬の場合、永久歯が生え始めてもまだ乳歯が抜けず、そのまま残ってしまうことがあります。乳歯が残存すると永久歯の成長を妨げる可能性があります。

    また、歯の隙間がたくさんできて歯垢(しこう)が付きやすくなり、歯石や歯周病の原因にもなるため、動物病院に相談し抜歯をしてもらいましょう。

    犬は唾液のpHが人とは異なり、虫歯になりにくい環境になっています。その一方で、歯周病にはなりやすいため歯磨きは重要です。

    子犬の歯磨きは乳歯が生え始めたらスタート

    成犬になって歯磨きに苦手意識をもつことがないよう、乳歯が生え始めた頃を目安に歯みがきの練習を行いましょう。

    子犬の頃は歯磨きに慣れることが目的

    乳歯の時期は、歯みがきに慣らすことに重点を置き、永久歯に切り替わる頃までに歯磨きを習慣にすることを目指しましょう。

    歯周病予防のためには、歯ブラシを使って歯と歯茎の間の汚れを掻き出すのが理想的です。

    しかし、まずは飼い主さんとのコミュニケーションの一環として、口の中に指を入れられるようにするだけでも大丈夫です。おやつを用意し、褒めながら無理せずできるところから始めましょう。

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    犬の歯周病とは?

    犬の歯周病とは?
    (Shedara Weinsberg/shutterstock)

    歯周病は、歯を支える歯茎などの組織に起こる炎症で、悪化すると顎の骨が溶けて歯が抜け落ちることもあります。

    複数の口腔内細菌が歯の周囲で増えると歯垢になり、それが硬く石灰化して歯石になって歯周病を引き起こします。痛みや出血をともなうことで食事が食べにくくなり、生活の質が落ちるとともによだれや口臭にもつながります。

    歯石は歯みがきで取れず、動物病院での歯石除去が必要になります。そのため、歯石になる前に歯垢を歯みがきで取り除くことが大切です。

    犬の歯磨きの頻度は?

    犬の歯磨きの頻度は?
    (Reshetnikov_art/shutterstock)

    犬の歯磨きは、1日1回毎日行うことが理想ですが、無理なく継続することが重要です。犬の歯垢は3~5日で歯石になるため、少なくとも3日に1回は行いましょう。

    子犬の歯磨きのやり方

    子犬の歯磨きのやり方
    (New Africa/shutterstock)

    歯磨きは、子犬のうちから段階を踏んで、徐々に慣れさせるとよいでしょう。

    ステップ1:顔や口周りを触られる練習

    まずは顔や口周りを優しく触ります。慣れてきたら、飼い主さんは自分の指に、チキンなど味のついた歯磨きペーストやデンタルジェルをつけて犬に舐めさせます。

    その後、少し唇をめくって歯磨きペーストをつけた指で歯茎や歯を触り、大丈夫そうなら奥歯も触ってみてください。優しく声を掛けながら行い、上手にできたら褒め、ご褒美としておやつをあげるとよいでしょう。

    ステップ2:歯磨きシートやガーゼで歯を触られる練習

    愛犬が口の中に手を入れられることに慣れてきたら、飼い主さんの指にガーゼや歯磨きシートを巻き、歯茎を痛めない力加減で歯と歯茎の表面を軽くなでてみましょう。

    大丈夫であれば、指に歯磨きシートをしっかりと巻きつけた状態で前歯から奥歯に向かってこすります。嫌がる様子がなければ、歯垢のつきやすい奥歯も入念に磨いていきましょう。

    ステップ3:歯ブラシに慣れる練習

    歯みがきシートやガーゼに慣れたら、次はいよいよ歯ブラシを用意します。犬用の歯ブラシが販売されていますが、飼い主さんが使いやすいもの、犬が嫌がらずに口に入れやすいものを選びましょう。

    まずは歯ブラシに慣れてもらうために、歯ブラシとご褒美のおやつを一緒に見せ、歯ブラシで口元の外側に優しく触れて警戒心をとくとよいでしょう。

    ステップ4:歯ブラシを口に入れる練習

    歯ブラシに慣れてきたら、歯磨きペーストをつけた歯ブラシを犬の口の中に優しく入れます。嫌がらなかったらご褒美のおやつをあげましょう。

    その後、歯ブラシで歯茎に触れ、口の中に歯ブラシが入っている時間を1秒、2秒と徐々に延ばしていきます。

    「歯磨きの練習中におやつを食べたら、歯垢につながるのでは?」と心配になるかもしれませんが、犬に歯ブラシ好きになってもらうことが優先です。

    ステップ5:歯ブラシで歯を磨く

    最後は磨く練習です。触らせてくれる歯からスタートしましょう。味つき歯磨きペーストなどを歯ブラシにつけ、初日は数本からやさしい力で磨きます。犬が上手に磨かせてくれたら、褒めておやつをあげましょう。

    最終目標は、歯ブラシで歯と歯茎の間の汚れを落とせるようになることです。歯に対して45度の角度で歯ブラシをあて、歯周ポケットの歯垢や雑菌を掻き出せるよう動かします。優しい力で前歯の外側から奥歯に向かって磨いてください。

    奥歯や歯と歯茎の間は汚れがたまりやすいため、念入りに磨く必要があります。しかし、犬が奥歯を磨くのを嫌がるようなら無理はせず、1か所磨くごとにご褒美のおやつをあげてゆっくりと慣らしてください。

    歯磨き自体を嫌がる場合は、前歯、右側、左側を3日に分けて磨き、短時間の歯磨きを繰り返しましょう。

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    まとめ

    犬は虫歯になりにくいですが、歯周病にはなりやすいため歯磨きは重要です。歯に歯垢や歯石がたまると、口臭や歯茎の腫れ、歯周病を引き起こします。

    成犬になって歯磨きに苦手意識をもつことがないよう、乳歯が生え始める子犬のうちから、徐々に歯磨きに慣れる練習をしていきましょう。

    著者・監修者

    森井知里

    獣医師/ペット栄養管理士

    森井知里

    プロフィール詳細

    所属 yourmother合同会社
    (獣医師によるオーダーメイドの手作り総合栄養食や療法食レシピをお届けする「DC one dish」の運営)

    日本ペット栄養学会

    略歴 1992年 三重県に生まれる
    2011年 麻布大学獣医学部動物応用科学科に入学
    2013年 麻布大学獣医学部獣医学科に転学科
    在学中、料理教室で講師を務める
    2018年 獣医師国家資格取得
    2018年 東京都内動物病院に勤務
    2019年~2021年 千葉県内動物病院に勤務
    2022年~2023年 東京大学附属動物医療センターで内科系研修医として勤務
    2023年4月~ yourmother合同会社に勤務

    資格 獣医師免許
    ペット栄養管理士

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