【獣医師監修】子犬の甘噛みは成長過程のひとつ!噛み癖がつく前にやっておきたいしつけの方法
2023.11.14 作成

【獣医師監修】子犬の甘噛みは成長過程のひとつ!噛み癖がつく前にやっておきたいしつけの方法

獣医師/ペット栄養管理士

森井知里

森井知里

子犬の甘噛みは、成長過程のひとつといわれています。甘噛みは多くの場合、力加減をしていますが、遊びがエスカレートすると力加減が分からなくなり、思わぬ事故につながる可能性もあります。子犬の甘噛みが悪い癖になってしまわないよう、「噛んでよいもの・悪いもの」を早期に教えてあげましょう。

もくじ

    犬の甘噛みってなに?

    【獣医師監修】子犬の甘噛みは成長過程のひとつ!噛み癖がつく前にやっておきたいしつけの方法
    (Christine Bird/shutterstock)

    犬の甘噛みとは、ケガをしない程度に加減をして噛むことをいい、子犬の頃に多く見られます。

    子犬は、母犬や兄弟犬とじゃれあいながら、噛んで叱られたり、噛まれて痛みを感じたりしながら、噛んではいけないことを学んでいきます。

    1匹で飼われている場合は、飼い主さんや家族の手や足、家具、スリッパなどに噛みつくことも多いです。そんなに強くないからと噛ませていると、エスカレートしてやめなくなってしまいます。

    歯や顎(あご)の発達に噛むことは必要ですが、子犬のうちから嚙んでよいもの・いけないものは、しっかり覚えさせましょう。

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    子犬の甘噛みの原因

    子犬の甘噛みの原因
    (Photology1971/shutterstock)

    歯がむずがゆい

    生後3週間~7、8か月は、乳歯が生え、永久歯に変わっていく時期です。

    乳歯が永久歯に生えかわるタイミングでは、歯のつけ根などがむずがゆくなったり、口の中に違和感があったりして、人の手や家具など手近なものを噛んでしまうことがあります。

    本能的な欲求

    犬はもともと、噛みたい欲求の強い動物です。犬同士でも、遊びの一環として噛み合いをすることがあります。

    好奇心

    好奇心から、身近なものを何でも口に入れて、感触を学ぼうとします。誤飲につながる危険性もあるため、危険なものを口に入れてしまわないように注意しましょう。

    甘えや興奮

    「遊んで欲しい」という欲求や飼い主さんへの甘え、遊びで興奮しているといった、ポジティブな気持ちの表現として甘噛みをする場合もあります。

    甘噛みを治すトレーニングの手順

    甘噛みを治すトレーニングの手順
    (Ivanova N/shutterstock)

    本能や成長過程で甘噛みは必要ではあるものの、噛んではいけないものを噛んでしまった場合は、以下の手順で治すトレーニングをしましょう。

    1.叱るときの言葉を事前に家族で決めておく

    しつけに関して、家族みんなでルールを決めておくことが大事です。子犬が覚えやすいように、「痛い」「いけない」「止め」など、叱る言葉は短くわかりやすい言葉で統一しましょう。

    そのときどきで掛け声が違うと、犬は何がよくて、何がいけないのか混乱してしまいます。

    2.噛んだら声のトーンは低く、毅然とした態度で叱る

    子犬が噛んではいけないものを噛んだときは、事前に決めた言葉で叱ります。声のトーンは低く、毅然とした調子で叱りましょう。

    怒鳴ったり、たたいたり、たたくふりをして恐怖を与えてはいけません。子犬が口元を緩めたり、噛むのを止めたりしたら褒めてください。褒める声のトーンは、高めがよいでしょう。

    3.止めない場合はその場を離れる

    噛むのをやめない場合は、子犬を一時的に無視します。飼い主さんはその場から離れ、視線を合わせず別の部屋に行きましょう。数分姿を消すことで、子犬に考えさせます。

    このとき、騒いだり走ったりしないよう注意してください。飼い主さんが騒ぐと、愛犬は「遊んでくれる」と勘違いして、その場を離れる効果がなくなってしまいます。

    4. 1〜2分したら愛犬がいる部屋に戻る

    1〜2分したら、愛犬がいる部屋に戻りましょう。あまり長いと犬はなぜ無視をされていたのか分からなくなってしまいます。

    飼い主さんがいない間に噛まないでいられたら、たくさん褒め、おやつをあげたり、お気に入りのおもちゃで一緒に遊んであげたりしましょう。

    このトレーニングの繰り返しによって、犬は「噛むと大好きな飼い主さんがいなくなってしまう」「噛まずにいるとよいことがある」と少しずつ学習していきます。

    子犬に噛ませない環境づくり

    子犬に噛ませない環境づくり
    (Prostock-studio/shutterstock)

    一緒に遊ぶ時間を作る

    犬は人と遊ぶことが大好きです。遊びで欲求が満たされ、飼い主さんとの絆も深まります。

    犬用のおもちゃには、

    • ひっぱりっこしたり、投げて取りに行かせたりするような「人と遊ぶもの」
    • 噛むと音が鳴ったり、ふわふわだったり、カシャカシャしていたりする感触の「一人遊び用のもの」
    • 中にフードを仕込めるような知育トイ

    などさまざまなものがあります。目的に応じて使い分けるとよいでしょう。ただし、かじって飲み込んでしまう可能性があるため、噛んでも丈夫で壊れにくいおもちゃを用意してください。

    噛みたがるもの・噛まれて困るもの・危険なものは置かない

    電気コードや観葉植物など、噛んで欲しくないものや、噛むと危険なものは、あらかじめ噛めないようにしておきましょう。

    観葉植物は犬が近づけないところに移動させる、電気コードは家電や家具の後ろに隠したりカバーをかけたりするなど、飼い主さんの工夫が必要です。

    噛みつき防止スプレーを利用する

    噛みつき防止スプレーとは、苦味や辛味を感じる成分を含んだスプレーのことです。犬が口に入れても問題がないため、噛んでほしくないものに吹きかけておくのもよいでしょう。

    噛みたい欲求を満足させることも大切

    噛みたい欲求を満足させることも大切
    (alexei_tm/shutterstock)

    噛んでもいいおもちゃを与え、一緒に遊んでエネルギーを発散させてあげましょう。ロープなど長さのあるおもちゃを使うと、人の手と犬との距離が長くなり、手を噛みにくくなります。

    いろいろな形、噛み心地のおもちゃを噛ませ、褒めてあげると、おもちゃで遊ぶのが楽しくなります。噛みたい欲求も満たされるため、徐々に甘噛みの頻度は減っていくでしょう。

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    まとめ

    子犬が飼い主さんを噛む理由は、歯がむずがゆい、本能的な欲求や好奇心、甘えや興奮などさまざまです。嚙んでもよいおもちゃを使い、噛みたい欲求を満たしてあげるとよいでしょう。

    子犬が噛んではいけないものを噛んでしまったときは、事前に決めた言葉で叱ります。それでも噛むのをやめないときは、部屋から出て、1分程度の時間をあけてまた部屋に戻ることを繰り返し、「噛むと大好きな飼い主さんがいなくなってしまう」「噛まずにいるとよいことがある」と学習させます。

    怒鳴ったり、たたいたり、たたくふりをして恐怖を与えるしつけはしないようにしましょう。

    著者・監修者

    森井知里

    獣医師/ペット栄養管理士

    森井知里

    プロフィール詳細

    所属 yourmother合同会社
    (獣医師によるオーダーメイドの手作り総合栄養食や療法食レシピをお届けする「DC one dish」の運営)

    日本ペット栄養学会

    略歴 1992年 三重県に生まれる
    2011年 麻布大学獣医学部動物応用科学科に入学
    2013年 麻布大学獣医学部獣医学科に転学科
    在学中、料理教室で講師を務める
    2018年 獣医師国家資格取得
    2018年 東京都内動物病院に勤務
    2019年~2021年 千葉県内動物病院に勤務
    2022年~2023年 東京大学附属動物医療センターで内科系研修医として勤務
    2023年4月~ yourmother合同会社に勤務

    資格 獣医師免許
    ペット栄養管理士

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