外猫からペット、そして家族へ
猫は犬と同様、昔から身近なペットとして親しまれてきた動物ですが、わりと最近まで、その飼われ方は犬とはかなり異なっていました。完全な室内飼育はまれで、普段は自由に外を出歩き、食事の時や寝る時だけ家に戻って来る、半分野良で半分飼い猫のような飼い方が近年まで続いていたのです。
ただ、こうした外猫は外を自由に謳歌できることと引き換えに、ケガや病気のリスクも大きいため、寿命はとても短く、1980年で、猫の平均寿命は3.0年でした。その後、都市部を中心に室内飼育が広がり、獣医医療の高度化が進んだことやキャットフードの高品質化といった要因もあって、現在、猫の平均寿命は15歳を超えるまでになっています。そして、室内飼育が拡がったことで、猫と人との距離も縮まり、最近では犬よりも猫のほうが飼育頭数が増え、家族の一員として可愛がられている猫の姿をたくさん見かけるようになりました。
猫の平均寿命は犬よりも長く、20歳を超えるような高齢の猫も珍しくなくなっています。でも、それだけに、普段から健康や食事などの管理をきちんとしてあげること、そして最期まできちんと可愛がってあげることが、猫の飼い主さんにはこれまで以上に求められているのです。