
血尿は、言葉で痛みを伝えられない猫が発している体の不調のサイン。膀胱炎と関連することが多く、血尿はその代表的な症状のひとつです。愛猫のトイレで赤い色を見つけたら、早期に正しく対処することが早い回復への近道となります。ここでは愛猫の血尿から考えられる原因、病院で行う検査や治療、家庭での予防策を分かりやすく解説します。
もくじ

血尿とは、文字通り尿に血が混じっている状態を指します。腎臓から尿管、膀胱、そして尿道に至る「尿路」のどこかで出血が起き、尿と一緒に排出されることで血尿となります。
また血尿には、赤やピンク、ワイン色に見える肉眼的血尿と、見た目は普通でも検査をすると赤血球が検出される、顕微鏡的血尿があります。
猫の尿路はデリケートで、以下の4つの原因が代表的です。
猫の血尿の原因として最も多いのが、特発性膀胱炎です。特発性とは「原因がはっきり特定できない」という意味ですが、近年ではストレスが深く関わっていると考えられています。
引っ越し、新しいペットや家族の登場、トイレが汚れている、外の野良猫の気配など、繊細な猫にとって精神的な負担が膀胱の粘膜を保護する層を弱め、炎症を引き起こすといわれています。
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尿の中にマグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分が結晶化し、石(結石)ができる病気です。この石が膀胱の壁を傷つけたり、尿道に詰まったりすることで膀胱炎が起こり出血します。
特に、ストラバイト結石やシュウ酸カルシウム結石が多く見られ、食事の内容や飲水量などが影響します。
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尿道から細菌が侵入し、膀胱の中で増殖して炎症を起こすケースです(細菌性膀胱炎)。オスに比べてメスの尿道は短いため細菌が入りやすく、罹患しやすい傾向にあります。
高齢の猫で注意したいのが、膀胱や尿道にできる腫瘍です。尿路上皮癌などが知られており、慢性的な血尿や頻尿の原因となります。
初期段階では膀胱炎と区別がつきにくいため、検査による早期発見が重要です。

「尿が赤い=すべてが血尿(赤血球の混入)」というわけではありません。赤血球そのものではなく、特定の成分が尿に溶け出している場合も尿が赤く染まることがあります。
危険な状態を示唆することが多いため、違いを理解することが大切ですが、見た目で判断することはできません。いつもと違う色の尿を見かけたら、動物病院を受診しましょう。
赤血球が破壊(溶血)され、赤血球の中に含まれるヘモグロビンという色素が尿中に漏れ出すものです。
タマネギやニンニクなどの誤食による中毒、自己免疫の異常によって自分の赤血球を攻撃する、免疫介在性溶血性貧血などによって引き起こされることがあります。
筋肉の組織が激しく壊された際、ミオグロビンが血液中に流れ出して尿から排出されるものです。
交通事故などによる激しい打撲、高所からの転落、激しい痙攣(けいれん)が長時間続いたときなどにみられます。

猫が血尿を出しているとき、痛みや違和感を示す行動の異変も現れます。
頻尿と呼ばれる状態です。炎症によって膀胱の粘膜が敏感になり、少し尿が溜まっただけでも強い尿意を感じることから起こります。
尿意はあって猫が必死に力んでも、数滴またはまったく出ないなどスムーズに尿を排出できない状態です。結石で閉塞しているなど、緊急性が高いケースもあります。早急に動物病院を受診しましょう。
今までトイレで排尿できていたのに、違和感やストレスから急に粗相をすることがあります。
尿を出す際に鋭い痛みを感じて鳴いたり、うなったりすることがあります。
炎症が起こっていたり、結石が詰まりかけたりすると、無意識に尿が垂れることがあります。
炎症がひどかったり排尿できずにいたりすると、尿毒症にかかってぐったりしたり嘔吐をしたりします。緊急性が非常に高いため、すぐに動物病院を受診しましょう。

尿中の赤血球、白血球、細菌、結晶の有無、尿比重(濃さ)などを調べます。
膀胱の中に結石や腫瘍がないか、膀胱の壁が厚くなっていないかを確認します。
結石の大きさや位置、数を確認します。エコーに映りにくい場所の確認にも有効です。
腎機能が悪化していないか、炎症反応はどうかなどを全身的に評価します。
細菌感染には抗生剤、炎症や痛みには消炎鎮痛剤、ストレス緩和にはサプリメントや抗不安薬などが処方されます。
尿を薄めて排泄を促したり、脱水や尿毒症を改善したりするために行います。
結石が原因の場合、食事の成分をコントロールして石を溶かしたり、再発を防いだりします。
大きな結石や食事で溶けないタイプの結石、あるいは腫瘍がある場合は、外科的に摘出する必要があります。尿道閉塞が解除できない場合は、緊急手術が行われます。

猫の血尿に気づいたら、迷わずすぐに病院へ行きましょう。
猫は痛みを隠す動物です。飼い主さんが異変に気づいたときには、すでにかなりの痛みや不快感があるはずです。尿が出ていない場合は、数時間で命に関わることもあります。
特発性膀胱炎のように一時的に症状が引くこともありますが、根本的な解決(原因の除去)をしなければ再発することが多いです。
放置することで悪化して、治療が難しくなるケースもあるため早めの対処が必要です。
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特発性膀胱炎はストレスが引き金となります。トイレの清潔さ、同居動物との相性、さらには飼い主さんの多忙による環境変化なども、猫にとっては大きなストレスになり得ます。
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可能であれば、受診時に、新鮮な尿を液体の状態で持参しましょう。システムトイレなら下のペットシーツを裏返して溜める、またはお玉などでキャッチしてみてください。
尿の色や粗相をした場所の様子をスマホで撮影しておくと、状況が伝わりやすくなります。
何時ごろから、何回くらいトイレに行っているかをメモしておきましょう。
愛猫の尿の色がいつもと違うと感じたら、すぐに動物病院を受診してください。大切な家族である猫が、一日でも長く快適に、ゴロゴロと喉を鳴らして過ごせるよう、日々のトイレチェックを習慣にしていきましょう。
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