年1回は必ず健康診断を
愛犬にいつまでも健康で少しでも長生きしてもらいたい、と願うのは犬の飼い主さんなら誰しも思うこと。犬は人間に比べて、何倍もの速さで年齢を重ねていきます。それだけに、なにかしらの病気にかかると、その進行は速いものです。愛犬の健康を守り病気の早期発見・早期治療のためには定期的な健康診断が欠かせません。
健康診断を行う目安としては、7歳までは年1回、年齢とともに病気が増えてくる7歳を過ぎたら年2回、そして10歳以降は年4回が理想的です。ただ、血液検査やレントゲン検査など詳しく診てもらう健康診断は費用もかかります。難しいようなら、最低でも年1回は血液検査やレントゲンも含めた検査を行うようにするとよいでしょう。
検診でもし病気が見つかった時に、十分な治療が受けられるように、お迎えした時からペット保険に加入しましょう。ペット保険に加入するためには原則として健康体である必要があります。検診で病気が見つかってから加入する、といったことはできませんので、犬を飼い始めたら早い段階でペット保険に加入しましょう。
伝染病から守るためワクチン接種は大切
犬の病気の中には、予防や治療が難しい病気などもありますが、予防接種で防げる病気もあります。伝染性の病気には命に関わるものも少なくないため、予防できるものは予防しておきたいもの。毎日散歩に出かけて、ほかの犬と接触する可能性がある場合、感染症にかかるリスクは必ずあるので、予防接種は欠かせません。住んでいるエリアにより混合ワクチンの種類が異なる場合もあるので、事前に動物病院でワクチンの相談をするとよいでしょう。
また、狂犬病の予防接種は法律で義務付けられています。こちらは毎年忘れないように接種をしましょう。これらの接種証明書がないと、ドッグランやペットホテルによっては利用を断られることがあります。
フィラリア予防も忘れずに行いましょう
フィラリアは蚊の媒介によって、犬の肺動脈や心臓に寄生する虫です。やがて動脈硬化が起こり、心臓に負担がかかるだけでなく、腎臓や肝臓、肺などにも影響をおよぼします。ただ、フィラリアは予防薬を使うことで、防ぐことができます。蚊の発生時期は地域によっても違いがありますから、予防薬を与える期間もかかりつけの動物病院の指示に従いましょう。
万が一、フィラリアが寄生してしまった場合は薬で駆除することは可能ですが、すでに受けた障害は一生治すことはできません。確実に予防することが大切です。
ノミダニ予防と腸内寄生虫について
ノミやダニの予防も大事です。ノミが寄生するとかゆみや炎症以外に、ノミアレルギー性皮膚炎を起こす場合もあります。ダニは、人が刺されると命に関わるSFTSや犬にはバベシア症をはじめとするさまざまな病気を引き起こします。予防薬には種類があるので動物病院で相談してみましょう。
また、腸内寄生虫については定期的に便検査をして調べておきます。腸内寄生虫は種類が多く、地域によってもどの寄生虫が多いか違いがあります。そして、中には人に感染するものもあるため、家族に小さい子どもやお年寄りなどがいる場合は注意が必要です。
腸内寄生虫に関しては、むやみに駆虫薬を使うことで耐性や副作用の問題が起こります。必ず便検査の結果に合わせた駆虫薬を使うようにします。