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【獣医師監修】歩き方の違和感は膝蓋骨脱臼が原因かも?~日常生活の工夫で悪化を防ごう~


【獣医師監修】歩き方の違和感は膝蓋骨脱臼が原因かも?~日常生活の工夫で悪化を防ごう~

歩き方がいつもと違うと感じたら?

愛犬・愛猫が後ろ足を挙げて歩いていたり、スキップしたりしているのを見たことはありませんか?その原因は膝にあるかもしれません。

膝には膝蓋骨(しつがいこつ)と呼ばれるお皿のような骨があり、通常は大腿骨(だいたいこつ)にある滑車溝(かっしゃこう)と呼ばれる溝に収まっています。しかし、様々な要因により、この溝から外れてしまうことがあります。膝蓋骨が外れてしまった状態のことを「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」と言います。

歩き方がいつもと違うと感じたら?「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」

膝蓋骨脱臼の原因と症状

トイプードル、チワワ、ポメラニアン等の小型犬の場合は、生まれつき滑車溝が浅いため、膝蓋骨が外れやすくなっています。小型犬の多くが成長期に脱臼を生じていると言われています。

膝蓋骨が外れた場合、後ろ足を痛がって挙げたり、スキップしたりします。膝蓋骨が脱臼したままの状態になると、普段から歩き方に異常を認めることもあります。

膝蓋骨脱臼が悪化すると・・・

膝蓋骨脱臼により膝に負荷がかかると、靭帯が弱くなり切れてしまうことがあります。

大腿骨と脛骨を繋ぐ靭帯の一つである前十字靭帯が切れてしまうことが多く(前十字靭帯断裂)、強い痛みを伴います。

膝蓋骨脱臼が悪化すると・・・
前十字靭帯断裂

※前十字靭帯断裂について詳しくはこちら

【獣医師監修シリーズ】ペットの健康寿命を延ばそう ペットの適正体重を知って、膝の病気を防ごう!

膝蓋骨脱臼の悪化を防ぐためにできること

日常生活での転倒や転落を防ぐ

日常生活に潜む危険とその予防策について、例を挙げて見ていきましょう。

事例予防策
ソファから飛び降りたソファにスロープをつけて飛び降り防止しましょう
フローリングで滑って転んだラグマットを敷いて滑りにくくしましょう
足裏の毛をカットして、滑らないようにしましょう
階段からの転落階段には行かせないようにするか目を離さないようにしましょう
抱っこ中に転落しっかりお尻から包み込むように抱いてあげましょう
散歩中の交通事故体のサイズに合ったリードを外れないようにしっかりつけて、車道への飛び出しを防ぎましょう

事例予防策
ベランダからの転落ベランダに出さないようにし、常に家の中にいるようにしましょう
脱走時の交通事故ドアや窓開閉時の脱走に注意しましょう
膝蓋骨脱臼の悪化を防ぐためにできることー悪い例ー
膝蓋骨脱臼の悪化を防ぐためにできることー良い例ー
膝蓋骨脱臼の悪化を防ぐためにできることー正しい抱っこの仕方ー
転落などの衝撃によっても膝蓋骨が外れてしまうことがあります。しっかりお尻から包み込むように抱いてあげましょう。

体重管理をする

肥満の場合は、適正な体重に減量することにより、膝関節への負担を減らすことができます。

体重を減らそうと過度に運動するのも、膝関節に負担となるため良くありません。適度に散歩をしていきましょう。

※適正体重について詳しくはこちら

【獣医師監修シリーズ】ペットの健康寿命を延ばそう ペットの適正体重を知って、膝の病気を防ごう!

サプリメントを与える

関節の健康をサポートするために、必要な栄養素を補うことができるのがサプリメントです。

現在は動物用のものが多くあり、コンドロイチンやグルコサミンなど様々な成分のものがあります。関節ケア成分配合のサプリメントを与えることで、日常からケアをしていくことができます。

手術を行うと治療費は高額に!

症状が軽度の場合は、痛み止めの薬や関節のサプリメントを投与し安静とします。症状が重度な場合は、手術を選択することもあります。

手術は、滑車溝を深くして膝蓋骨が外れないようにする滑車形成術や、脛骨粗面(けいこつそめん)と呼ばれる脛骨上の靭帯が張り付く箇所を正しい位置に戻す脛骨粗面転移術などがあり、複数の方法を組み合わせて行います。

膝蓋骨脱臼の治療費は高額になることが多く、2022年度の当社の支払保険金額の第6位となっています。トイプードルで手術を行った症例では、手術に約80万円、その他入院治療費や検査等で約10万円(3日間入院)、合計約90万円も要するケースもありました(当社調べ)。

最後に

膝蓋骨脱臼は若いうちから悪化をさせないよう、日常生活で気をつけていくことが大切です。

愛犬・愛猫の歩き方がいつもと違わないか、日頃から気をつけて見ていきましょう。

ペット&ファミリー損保所属獣医師


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