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【獣医師監修シリーズ】
ペットの健康寿命を延ばそう
椎間板ヘルニアってどんな病気? 適度な運動をして防ごう!


肥満は危険!高まる椎間板ヘルニア発症のリスク

肥満を防ぐためには日ごろから食事管理や運動不足の解消などが大切です。

これまでも肥満がもたらす様々な症状をお伝えしてきましたが、肥満が引き起こす病気の一つに椎間板ヘルニアがあります。 犬の中では、ダックスフンド、ウェルシュコーギー、トイプードル、フレンチブルドック、シーズーなどは椎間板ヘルニアになりやすいといわれていますので、症状を理解したうえで予防していきましょう。

椎間板ヘルニアって?

椎間板ヘルニアは背骨に起きる病気で、体重の負荷が大きくなったり、筋力が弱くなったりすると椎間板ヘルニアを引き起こしやすくなってしまいます。

犬の背骨はいくつもの骨が連なって構成されており、中に血管や脊髄が通っています。この背骨と背骨の間には椎間板と呼ばれる構造があり、クッションの役割をしています。

椎間板ヘルニアとは、椎間板が骨の間から脊髄側に飛び出し、脊髄を圧迫した状態のことを言います。

椎間板ヘルニアの症状

椎間板が脊髄の圧迫を起こす場所や程度によって症状は異なりますが、症状の重さによってグレード分けされています。

椎間板ヘルニアで飼い主さんが病院に連れてくるときの具体的な症状を紹介します。以下の表の症状がみられたらすぐに受診しましょう。

椎間板ヘルニアのグレードと症状・治療

治療

症状の程度、発症からの経過時間を考慮して治療します。椎間板ヘルニアの治療を行うためには、脊髄が圧迫されている位置などを正確に知るためにレントゲン検査、CT検査やMRI検査が必要ですので、治療費が高額になる傾向があります。

グレードごとの治療方法は上記表のとおりです。内科治療では、非ステロイド性消炎鎮痛薬やステロイドといった内服薬、ケージレスト(少し小さめのケージに入れて安静にさせておくこと)での治療を行います。症状が重くなると外科手術になることが多く、手術後には軽度の麻痺が残ってしまう場合もあります。さらに手術後にはマッサージや水中トレッドミル(歩行訓練)などのリハビリが必要になることもあります。

椎間板ヘルニアの治療費例として、内科治療の場合はミニチュアダックスフンドで検査26,730円、その他内服薬等治療費101,810円、合計128,540円を要する場合がありました。さらに外科手術を行った場合はフレンチブルドックで手術に264,000円、その他入院治療費や検査等で345,620円(6日間入院)、合計609,620円と高額な治療費を要する場合もありました(当社調べ)。

グレード3以上になると外科手術が必要となる場合が多いので、症状に気付いたら早期に受診することをおすすめします。

予防

犬の椎間板ヘルニアは再発してしまうこともあるため、普段から予防することがとても大切です。

生活環境において床が滑りやすいと転んで骨や関節へ影響するため、滑りにくいマットを敷いてあげたり、椅子から飛び降りないようスロープを作ってあげたりすると良いでしょう。

また、椎間板ヘルニアの要因である脊髄を圧迫しないよう、適度な運動で周りの 筋力を強くすることも大事です。身近なところでは、適度なお散歩が効果的です。トイプードルやダックスフンドのような小型犬は1日に30分~1時間程度、ウェルシュコーギーなどの中型犬は30分~1時間半程度、ゴールデンレトリーバーなどの大型犬は1時間~2時間程度の運動がおすすめです。

肥満レベルや栄養状態の評価に用いる「ボディコンディションスコア(BCS)」を参考にしながら、日頃から健康管理に注意していきましょう。

お散歩や運動はペットのストレス解消にも効果がありますので、こちらの記事もぜひご覧ください。
【獣医師監修】ペットにもストレスが!

ペット&ファミリー損保所属獣医師


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