ペット保険のペット&ファミリー損保【公式】 T&D保険グループ

【獣医師監修シリーズ】
肥満と病気
#3 食事管理で防ごう!


食事管理を怠ると肥満に!

今回は、猫の食事管理と肥満、糖尿病についてのお話しです。室内で生活する猫の肥満について、悩む飼い主さんは多いのではないでしょうか。

肥満を予防するために、食事管理はとっても大切です!

動物病院でダイエットを勧められたが、具体的に何をすれば良いかわからない…。そんな飼い主さんは、まず猫の1日の食事量を把握することから始めてみましょう!

1回の食事量にムラがある猫や多頭飼いの猫で、その子の1日の食事量を把握することが難しいケースがあります。

大切なことは、1頭あたりの1日のフードの量を決めることです。そして、メインフードは、おやつではなく「総合栄養食」と書かれたものを与えるようにしましょう。フードのパッケージに書かれた体重ごとの給餌量を確認して、その通りの量を1日であげるようにします。

※フードのパッケージには目標体重が書かれているため、ボディコンディションスコア(BCS)を参考にしながらその子の目標体重を考慮して、給餌量を決めるようにしましょう。

多頭飼いで食いしん坊の猫ちゃんがいる場合は、他の子のフードを食べないように別のお部屋にいてもらったり、他の子が食事をしている間は一時的にケージに入ってもらうという方法があります。

猫の体重がなかなか減らない場合や空腹感が強い場合は、減量用のフードに変更してみると良いでしょう。また、家族の誰かがおやつをあげているということもよく見られるので、確認することをお勧めします。

猫の糖尿病も肥満から

ここまで食事管理についてお伝えしましたが、食事管理を怠って猫が肥満になると、何が問題なのでしょうか…?

肥満は様々な病気を引き起こしますが、その中の一つとして、猫は肥満になると糖尿病になりやすいと言われています。

ヒトでも肥満によりⅡ型糖尿病になりやすいと言われていますが、猫の糖尿病の多くは、ヒトのⅡ型糖尿病に類似した病態であると考えられており、肥満が糖尿病の危険因子になります。

猫の糖尿病は、発症の素因をもつ子が肥満・加齢・環境の影響によって、インスリンの作用が不足して起こる病気です。インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を調整する働きがあります。

雄猫は雌猫に比べて糖尿病にかかりやすいと言われており、肥満の他に、加齢、慢性の炎症、腫瘍、感染症、内分泌疾患(甲状腺機能亢進症、クッシング症候群等)、グルココルチコイド製剤の長期投与等が糖尿病の危険因子としてあげられます。

猫の糖尿病の症状

猫の糖尿病の初期症状として、たくさん水を飲み排尿量が増える(尿色が薄くなる、尿の水たまりが大きくなる)、多食、体重減少が認められますが、症状が軽度の時は飼い主さんが気づきにくく、糖尿病が進行してから動物病院で診断されるケースが多いです。

糖尿病が進行すると、元気喪失や食欲低下、嘔吐、脱水、歩行障害、白内障等が認められます。

特に食欲低下が起こると食事から十分なエネルギー量と栄養素がとれなくなり、肝リピドーシスという別の病気を引き起こす原因となるため注意が必要です。肝リピドーシスは、肝臓に重度の脂肪蓄積が起こり、肝臓の機能障害が起こる病気です。嘔吐、脱水や黄疸等の症状が認められ、最悪の場合、命を落としてしまいます。

さらに糖尿病が進行すると、糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれる状態となり、重症では昏睡となってしまうことがあります。糖尿病性ケトアシドーシスになると、入院による緊急処置が必要となり、治療が長引く傾向にあります。

治療

救急の場合は、入院をして点滴とインスリン製剤による治療を行います。状態が安定している場合は、インスリン製剤の注射と食事療法がメインになります。食事療法は、高蛋白・低炭水化物で、食後の血糖値の変動が緩やかになるよう計算されたフードを使用します。

また、インスリン製剤を効きやすくするために、感染症や慢性炎症の治療、減量、ストレス要因除去を実施します。

一度糖尿病になると、動物病院で定期的な血液検査・尿検査を継続する必要があります。また、病院の治療に伴って、ご家庭でインスリン製剤の注射と、猫の食欲や体重の増減、飲水量・排尿量の観察が必要になります。

そのため、猫自身の注射や通院のストレスだけではなく、ご家族の精神的・経済的な負担が大きくなってしまいます。

予防

猫は肥満・感染症・ストレス・疼痛等の血糖値を上昇させる要因が加わると糖尿病になりやすいと言われています。

糖尿病を予防するためには、まず肥満にならないよう体重管理を徹底すること、そしてストレスが少ない暮らしを心がけることが大切です。

※コロナ禍で生活様式が変わり、ペットにもストレスがかかっている可能性があります。ペットのストレスサインを見逃さず、対策をすることをお勧めします。(ペットのストレスと対策について詳細はペットにもストレスが!をご覧ください。)

※猫は食事から十分なエネルギー量と栄養素をとらないと、先ほどお伝えした肝リピドーシスになる危険性があります。そのため、絶食による体重管理は禁物です。

肥満を防ぐことは、糖尿病以外の病気を予防することにもつながります。「ボディコンディションスコア(BCS)」を参考にしながら、日頃から愛猫の健康管理に注意していきましょう。

                    ペット&ファミリー損保所属獣医師


一覧に戻る