マスティフとはどんな犬?性格や特徴から考える理想的な飼い方を解説
2022.02.08 作成

犬のマスティフとは?子犬の値段や性格から考える理想的な飼い方・しつけ方

PNS編集部

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がっしりとした骨格と発達した筋肉で、護衛犬や番犬として活躍する「マスティフ」。スペインの国犬にも指定されているスペインを代表する犬種です。本記事では、マスティフの性格や特徴、理想的な飼い方・しつけ方についてご紹介します。マスティフを飼うための方法についても触れているので、これからマスティフを迎え入れたいと考えている方は参考にしてください。

もくじ

    マスティフってどんな犬?

    マスティフとはどんな犬?性格や特徴から考える理想的な飼い方を解説
    (Christian Mueller/shutterstock)

    古くからさまざまな国で愛されているマスティフ。元祖ムキムキな特大犬(超大型犬)ともいわれる犬種ですが、実際どんな犬なのでしょうか。

    マスティフの特徴・大きさ・毛色

    特徴

    重量感と迫力のある大きい体格が特徴のマスティフ。アングロサクソン語で「パワフル」という意味を持つ単語「マスティ」から名付けられたといわれています。その名の通り、飼い主さんの危険を感じるやいなや、我を忘れて必死に守ってくれる、頼もしい一面をもっています。

    ルックスは、しわのよった額と離れ気味の目が特徴。頭が非常に大きく、後ろ足で立ち上がると人の身長をゆうに超えてしまいます。強面な見た目に反して、感受性が強く繊細なので、家族を近くに感じられる室内で飼うことをおすすめします。

    大きさ

    マスティフの大きさは、オス・メスともに体高60~75cm程度です。体重の幅は広いですが軽量な犬でも50kg程度、大きな犬は80kgに達します。

    日本で大型犬として有名なゴールデン・レトリーバーの平均体高が51~61cmであることを考えると、マスティフはとても大きい犬だということがわかります。

    ※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ

    毛色

    マスティフには、赤みがかかった茶色の「アプリコット」や金色がかかった「フォーン」、そして「シルバー」など、明るい毛色がよく見られます。他にはフォーンよりも少し暗い「ダークフォーン」や虎のような縞模様が入った「ブリンドル」など、さまざまなカラーが存在します。

    一方、マズル、耳、鼻、目のまわりはブラックであるのが一般的。被毛は短く、体表にぴったりと張り付いているのが特徴です。

    マスティフの性格

    マスティフは、物静かで優しい性格の持ち主です。飼い主さんには忠実である一方、見知らぬ人や物に対する警戒心が強いため、あまり他人には懐きません。また、活発な遊びをあまり好まず、感情表現も豊かではない子が多いです。

    普段は落ち着いていて、あまり興奮することはありませんが、飼い主さんや家族に危機が迫ったときには勇敢に立ち向かいます。

    また、元々は闘犬として活躍していたこともあり、とても忍耐力の強い一面を持っています。飼い主さんからの指示が出るまで、無駄吠えや問題行動を起こすことがなく、何時間でも待つことのできる、とても賢い犬種です。

    マスティフの歴史

    マスティフの発祥には諸説ありますが、バビロニア・エジプト・中国のいずれかで発祥したという説が有力とされています。

    番犬としての歴史は長く、農場や民家を害獣から守り、人間のパートナーとして家族を守ってきました。かつてはその強靱な体つきと攻撃性から、ライオンやクマと闘う闘犬として飼育されていた時代もありましたが、動物愛護の観点からそのような役目も終わり、より温厚な性格の犬種として品種改良が進められました。

    現在は、スペインをはじめとするヨーロッパの国々で、家庭犬として愛されています。

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    マスティフの飼い方のポイント

    マスティフの飼い方のポイント
    (Miroshnikova Arina/shutterstock)

    マスティフの魅力でもある大きな体格。肥満にならないよう体型維持に注意を払うとともに、飼育に気をつけましょう。

    マスティフのしつけ方

    マスティフは力が強く体が大きいためしつけは必須。従順で物覚えが良いため教えるのは比較的楽な犬種です。

    事故防止のために力加減を教えることはもちろん、散歩の引っ張りや飛び出し、歩いている最中に対応できるよう「待て」をしっかりと教えましょう。

    特大犬(超大型犬)であるため、ドッグトレーナーに訓練してもらうこともしつけの方法のひとつです。

    一貫性のある対応と愛情で接する

    愛犬に信頼にしてもらうためには、一貫性のある対応と愛情で接することが重要です。飼い主さんの働きかけが一貫して筋の通ったものであれば、犬は自分がどう行動すれば良いのかを理解して、飼い主さんを信頼し、心から慕ってくれるでしょう。

    反対に、飼い主さんの気分にムラあり、一貫性のない対応を取ってしまうと、犬はどの指示に従えば良いのかがわからず、困惑してしまいます。日によって対応や愛情のかけ方を変えないように心がけ、一貫した態度で接しましょう。

    警戒心の強いマスティフには社交性を学ばせる

    基本的に人に優しく、穏やかなマスティフですが、なかには警戒心が強く、他の人や犬に対して強い拒否反応を示す個体もいます。

    人間と共生し、他の犬とも仲良く遊ぶためには、社交性を学ばせることが必要不可欠。トイレや「待て」「お座り」などの基本的なしつけを覚えさせた上で、ドッグランやしつけ教室に通うなどして他者との関係性を学ぶ機会を増やしましょう。

    幼い頃からしつけをする

    犬のしつけは幼い頃から始めるのが理想的とされています。特に、生後約3週齢~13週齢くらいは、さまざまなことを柔軟に吸収できる貴重な時期です。

    この時期にいろいろな人や物に触れさせ、社会性を養うと同時に、社会のルールについても理解してもらえるように、しつけていきましょう。根気よく続けることで、きちんと言うことを聞いてくれるようになるでしょう。

    マスティフの散歩の仕方と運動量

    たくさんの運動量を必要とするマスティフ。室内の運動量では足りないため、毎朝・夕にそれぞれ1時間程度散歩に連れて行きましょう。

    太りやすいマスティフには十分な散歩を

    マスティフは体が大きく太りやすいです。健康のためにも、若いうちから十分な筋肉をつけてあげる必要があるため、毎日の散歩や運動はかかさないようにしましょう。ただし、ダッシュなどのハードな運動は心臓や関節に負荷がかかってしまうため、ゆっくりと長い時間歩かせてあげるようにしてください。

    食後の散歩や運動を避ける

    マスティフをはじめとする大型犬は、胃や腸に負担がかかりやすいです。食後すぐの散歩や運動は胃に負担がかかるため避けるようにしましょう。ご飯はゆっくり取らせ、食後の休憩時間を長めに取るようにしてください。

    マスティフの平均寿命

    マスティフの平均寿命
    (Waldemar Dabrowski/shutterstock)

    マスティフの平均寿命は、10歳前後です。マスティフのような特大犬は、体の大きさに対して心臓などの臓器が小さいため、体に大きな負担がかかり、犬の中でも比較的短命な傾向にあります。

    しかし、飼い主さんが健康状態に留意し、気になることがあれば早めに獣医師に相談して病気の早期発見、治療に努めることでさらに長生きしてくれるでしょう。

    マスティフの注意しておきたい病気

    マスティフの注意しておきたい病気
    (Sergey Lavrentev/shutterstock)

    マスティフの注意しておきたい病気について紹介します。

    胃拡張・胃捻転

    大型犬に多い病気で、大量のガスによって胃が拡張したり、ねじれたりする病気です。症状がひどければ胃の周りの血管を圧迫するため、重篤な症状を引き起こします。

    落ち着きがなくなった、吐こうとしても吐けない、大量のよだれなどの症状があらわれたら胃拡張・胃捻転を疑ってみましょう。またこの病気は緊急を要することがあるため、怪しいと思ったらすぐに動物病院へ連絡してください。

    関節炎

    関節炎とは、関節の軟骨に障害が起こり、その進行・悪化によって慢性的な痛みをもたらす病気です。発症する原因としては肥満、外傷などの関節に対する異常な負荷のほか、加齢や遺伝疾患などの関節軟骨の異常が考えられています。

    • 立ち上がるのに時間がかかる
    • 階段の上り下りを嫌がる
    • びっこを引く
    • 足に触ると痛がる
    • 性格が引きこもりがちになる

    といった症状・兆候に気づいたら、かかりつけの獣医師のところに連れて行きましょう。

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    マスティフを家族に迎える方法と費用

    マスティフを家族に迎える方法と費用
    (Tatyana Kuznetsova/shutterstock)

    マスティフの子犬の相場は、おおよそ60〜80万円(2022年2月時点)です。 性別や血統によって価格は前後しますが、全体の流通数が少ないため、生後日数に関わらず高価であることが多いです。

    ブリーダーからの紹介

    マスティフはペットショップではほぼ取り扱いがないため、ブリーダーから紹介を受けることになるでしょう。

    ブリーダーとは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のこと。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーからマスティフを譲り受けることができるときには、事前に飼い方、注意点を教わることができます。

    犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。

    飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。

    里親になる

    里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない犬、飼い主さんがいない犬を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。

    ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。また、マスティフは数が少ない上、人気犬種なので出会うには運やタイミングが必要です。

    家族に迎え入れるまでに準備したいもの

    犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。

    【寝床の準備】
    ・ペットサークル
    ・クレート(ペット用キャリー)
    ・ベッド

    【日用品の準備】
    ・ドッグフード
    ・フードボウル
    ・水飲みボウル

    【トイレ用品の準備】
    ・トイレトレー
    ・トイレシーツ

    【ケア用品】
    ・ブラシ
    ・爪切り
    ・ペット用シャンプー
    ・歯磨きグッズ

    【その他】
    ・首輪
    ・リード

    事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。

    夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。

    【関連リンク】
    犬を迎える前に準備しておきたいもの
    犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
    犬をペットとして迎える時の心構え

     その他の初期費用

    役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。 

    1カ月にかかる飼育費用は?

    1カ月にかかる飼育費用は?
    (Helen of Troy/shutterstock)

    特大犬(超大型犬)の平均的な飼育費用は、1カ月あたり3万~4万5,000円になります。

    食費

    フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で1万1,000~1万5,000円ほどかかります。

    日用品代

    トイレシーツなどの日用品が1カ月で5,000~1万2,000円前後。

    シャンプー・トリミング代

    シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、特大犬(超大型犬)の場合1回1万円以上かかるでしょう。

    医療費

    フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で4~6万円ほど必要でしょう。1カ月にすると4,000円程度です。

    知っておきたい、ペットの医療事情

    初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。

    子犬がかかりやすい病気・ケガ

    子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。

    • 骨折の平均治療費:9万2,986円*
    • 異物誤飲の平均治療費:3万1,372円*

    ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。

    お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。

    *ペット&ファミリー損保調べ(2020年4月~2021年3月 保険金支払い実績をもとに算出)

    ペット保険

    ペットの年齢によって保険料は変わりますが、特大犬(超大型犬)の1ヶ月の保険料は2,300~5,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。

    ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。

    【ペット保険選びのポイント】

    ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。

    保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。

    • その犬種が発症しやすい慢性疾患が補償されるか
    • 金銭的に負担の大きい高額な手術・入院に対応できているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数に上限がないか など

    保険最強ランキング2年連続1位のペット保険_特大犬

    *参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
    *犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で 決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。

    *2023年4月時点の内容です。今後の商品改定等により、変更となる場合があります。最新の内容はホームページよりご確認ください。

    愛犬と楽しく暮らそう

    家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。

    著者・監修者

    PNS編集部

    ペットライフに新しい発見を。
    ペットニュースストレージ編集部です。

    PNS編集部

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