戦う犬界の横綱!土佐犬の魅力と暮らし方のポイント
2022.01.28 作成

戦う犬界の横綱!土佐犬の魅力と暮らし方のポイント

PNS編集部

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強そうな外見と闘犬をルーツに持つことから一般的に「凶暴で怖い犬」と思われている土佐犬ですが、実は飼い主さんに従順な優しい犬として、国内ではもちろんヨーロッパでも人気の犬種です。そこで、ここでは土佐犬の性格や特徴、歴史、そして飼い方について解説します。

もくじ

    土佐犬ってどんな犬?

    戦う犬界の横綱!土佐犬の魅力と暮らし方のポイント
    (scigelova /shutterstock)

    闘犬として有名な土佐犬は、猛々しく強そうな姿をした特大犬(超大型犬)です。獰猛(どうもう)なイメージがある犬種ですが、実際にはどんな犬なのでしょうか。

    土佐犬の特徴・大きさ・毛色

    特徴

    土佐犬は、見るからに頑丈そうな筋肉質な体と、噛まれても大怪我をしないようにたるんだ皮膚が特徴です。耳は垂れ耳で、つぶらな黒い目をしています。戦いで顎の力を最大限に使うため頭が幅広く、黒く角張った大きめの鼻、根本が太くしっかりとした尻尾も特徴的です。

    大きさ

    体高は、60cm前後がスタンダードとされていますが、様々な犬種との交配を繰り返してきたため個体差が大きく、体重は30kg程度から100kgオーバーまでと差があります。

    ※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ

    毛色

    毛色は茶色を基本に、淡い赤毛のアプリコット、ブラック、虎のようなしま模様が入ったブリンドルが存在し、胸元に白い部分が出る場合もあります。毛質は硬く短毛です。

    土佐犬の性格

    怖そうなイメージが強い土佐犬ですが、実は大型犬らしく寛容で穏やかな一面を持っている犬種です。聡明で飼い主さんに対しても忠実なので、信頼関係を築ければ最強のパートナーになってくれるでしょう。

    しかし、闘犬として作出された犬種だけあって、内側には常に強い闘争心を秘めています。知らない人や他の犬に対しては警戒心が強く、ちょっとしたことで攻撃的な態度をとり、戦うと決めたら決して怯むことはありません。

    万が一のことを考えれば、小さな子どもがいる家庭や多頭飼いでの飼育は避けた方が良いでしょう。

    土佐犬の歴史

    土佐犬の歴史は古く、現在の高知県にあたる土佐藩で、藩士の士気を高めるために行われていた闘犬で活躍していた犬がルーツだと言われています。

    元々は四国犬と呼ばれており、狩猟犬として活躍していましたが、明治時代にオールド・イングリッシュ・マスティフ、ブルドッグ、ブルテリア、グレートデンと交配したことで大型化。粘り強く闘争心のある土佐闘犬として品種改良されていきました。

    海外で番犬・闘犬として活躍するマスティフの特徴を色濃く残すことから、ジャパニーズマスティフとも呼ばれています。海外でも人気が高く、家庭犬としての飼育もされていますが、一部の国や自治体では危険犬種として、飼育の禁止や規制が行われています。

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    土佐犬の飼い方のポイント

    土佐犬の飼い方のポイント
    (AMG_PHOTO /shutterstock)

    土佐犬は誰にでも飼える犬ではなく、一緒に暮らすには責任が伴う犬種です。ここでは土佐犬とトラブルなく、楽しく暮らすために忘れてはいけないポイントを紹介します。

    土佐犬のしつけ方

    土佐犬は基本的に穏やかな犬種ですが、何らかの刺激で闘争本能が目覚めたら大事故を引き起こす可能性があります。

    周囲に大怪我を負わせたりすることがないよう、子犬の頃から服従トレーニングを繰り返し行うと同時に、様々な経験を経て社会化を測ることが大切です。

    土佐犬が信頼出来るリーダーになろう

    闘犬はリングの外にいる飼い主さんの指示によって戦い、戦いをやめます。戦い、傷ついて興奮している時でも、飼い主さんの指示には絶対に従う従順さと賢さを兼ね備えているのです。そのため土佐犬との信頼関係を築き上げることができれば、忠実で頼もしい番犬となってくれるでしょう。

    しかし、そのような関係になるためには、一朝一夕というわけにはいきません。強固な信頼関係を築くには、土佐犬に関する深い理解と膨大な時間、忍耐が求められます。

    飼い主さんは、土佐犬に対してどんな時でも冷静に、威厳のある態度を取り続けなくてはいけません。また、叱る時にはしっかりと叱り、舐められないようにすることも大切です。

    しつけが難しい場合にはトレーナーに相談を

    大きくて賢く、力の強い土佐犬は、初心者が簡単にしつけられる犬種とは言えません。しつけに自信が持てないのであれば、早めにトレーナーに相談しましょう。

    子犬の頃ならいざ知らず、大きくなれば興奮状態を静止することも難しくなります。事故が起きてしまってから後悔するのではなく、プロの力を借りることも安全のためには大切です。

    脱走対策を万全にしよう

    土佐犬は誰にでも懐く犬種ではありません。体も大きいため、脱走対策には特に注意が必要です。留守番をさせる際には、頑丈な檻でしっかりと対策し、入ってはいけない場所には絶対に入れないように対策しましょう。

    散歩の仕方と運動量

    土佐犬と暮らすのであれば、運動量を十分に確保することが大切です。1回1時間程度の散歩を1日2回行いましょう。それでも足りないようなら、散歩の時間を増やすなどして調整し、十分な運動量を確保したいものです。

    ただし、成長期に運動させすぎると、関節系のトラブルのもとになる場合もあります。日々、様子に注意して無理なくストレス発散をさせるようにしてください。

    また、散歩の時には他の人や犬への十分な配慮も必要です。人が少ない時間を選んだり、安易に近づけたりしないように心がけましょう。首輪やハーネスのサイズに注意し、万が一に備え、リードもしっかりしたものをダブルで使用すると安心です。

    誰もいない場所でもフリーにすることは避け、常に周りに気を配ることが大切です。

    土佐犬の平均寿命

    土佐犬の平均寿命
    (Liz Tracy Photography /shutterstock)

    土佐犬の平均寿命は10歳〜12歳程度で、大型犬としては平均的な寿命と言えます。飼い主さんが健康状態に注意し、適切に管理することで寿命は変化するとも言われています。

    日頃から食事の量や運動量、表情や行動などよく観察し、おかしいなと感じることがあればできるだけ早く獣医に相談するように心がけましょう。

    土佐犬の注意しておきたい病気

    土佐犬の注意しておきたい病気
    (acceptphoto /shutterstock)

    土佐犬の注意しておきたい病気について紹介します。

    股関節形成不全

    股関節がうまく発育せず、関節に異常を起こす病気です。足を引きずって歩く、腰を左右に振って歩く、つまずく、運動を嫌がるなどの様子が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。

    肘関節形成不全

    肘関節の発育不全によって、歩行や発育に異常が現れる病気です。大型犬によく見られ、進行すると外科手術が必要になる場合もあります。成長期の発症が最も多く、ほとんどの場合は両足に症状が出ます。起き上がる際や歩き方に異常がある場合は、早めに診察を受けましょう。

    胃拡張・胃捻転

    大型犬によく見られる病気で、大量のガスで胃が膨れ上がり、場合によっては胃がねじれる病気です。落ち着きがない、吐こうとしても吐けない、大量のよだれ、呼吸が苦しそう、お腹が膨れるなどの症状が現れたら胃拡張・胃捻転を疑ってみましょう。

    この病気は緊急を要することがあるため、怪しいと思ったらすぐに動物病院へ連絡してください。

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    土佐犬を家族に迎える方法と費用

    土佐犬を家族に迎える方法と費用
    (michaela.bilovska /shutterstock)

    土佐犬の生体価格は20~35万円ほど(2022年1月時点)となりますが、犬の値段は毛色や血統の良し悪しで変動します。

    土佐犬を迎える方法

    日本のペットショップで土佐犬の子犬に出会うことは、まずありません。土佐犬を家族に迎えると決断したら、まずはブリーダーにコンタクトを取りましょう。

    ブリーダーは雑誌やインターネットで調べれば見つけることができます。場所や犬舎の特徴をよく読んで、信頼できるブリーダーに相談してみましょう。ブリーダーの元にいつも子犬がいるとは限りませんが、親犬や、実際の生活の様子を見せてもらうことで、様々なシミュレーションができます。

    土佐犬を迎え入れる際は自治体に問合せると安心

    闘犬として繁殖されることの多い土佐犬。自治体によっては、規制犬種して飼育に関する規定が決まっている場合もあります。土佐犬を飼う際には自治体に問い合わせ、飼育規定を確認するようにしましょう。

    家族に迎え入れるまでに準備したいもの

    犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。

    【寝床の準備】
    ・ペットサークル
    ・クレート(ペット用キャリー)
    ・ベッド

    【日用品の準備】
    ・ドッグフード
    ・フードボウル
    ・水飲みボウル

    【トイレ用品の準備】
    ・トイレトレー
    ・トイレシーツ

    【ケア用品】
    ・ブラシ
    ・爪切り
    ・ペット用シャンプー
    ・歯磨きグッズ

    【その他】
    ・首輪
    ・リード

    事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。

    夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。

    【関連リンク】
    犬を迎える前に準備しておきたいもの
    犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
    犬をペットとして迎える時の心構え

     その他の初期費用

    役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。 

    1ヶ月にかかる飼育費用は?

    1ヶ月にかかる飼育費用は?
    (SubertT /shutterstock)

    特大犬(超大型犬)の平均的な飼育費用は、1カ月あたり3万~4万5,000円になります。

    食費

    フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で1万1,000~1万5,000円ほどかかります。

    日用品代

    トイレシーツなどの日用品が1カ月で5,000~1万2,000円前後。

    シャンプー・トリミング代

    シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、特大犬(超大型犬)の場合1回1万円以上かかるでしょう。

    医療費

    フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で4~6万円ほど必要でしょう。1カ月にすると4,000円程度です。

    知っておきたい、ペットの医療事情

    初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。

    子犬がかかりやすい病気・ケガ

    子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。

    • 骨折の平均治療費:9万2,986円*
    • 異物誤飲の平均治療費:3万1,372円*

    ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。

    お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。

    *ペット&ファミリー損保調べ(2020年4月~2021年3月 保険金支払い実績をもとに算出)

    ペット保険

    ペットの年齢によって保険料は変わりますが、特大犬(超大型犬)の1ヶ月の保険料は2,300~5,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。

    ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。

    【ペット保険選びのポイント】

    ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。

    保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。

    • その犬種が発症しやすい慢性疾患が補償されるか
    • 金銭的に負担の大きい高額な手術・入院に対応できているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数に上限がないか など

    保険最強ランキング2年連続1位のペット保険_特大犬

    *参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
    *犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で 決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。

    *2023年4月時点の内容です。今後の商品改定等により、変更となる場合があります。最新の内容はホームページよりご確認ください。

    愛犬と楽しく暮らそう

    家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。

    著者・監修者

    PNS編集部

    ペットライフに新しい発見を。
    ペットニュースストレージ編集部です。

    PNS編集部

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