ミニチュア・ダックスフンドは活発で陽気な甘えん坊の性格です。また、小型犬に分類されるミニチュア・ダックスフンドは、犬の中でも比較的平均寿命が長いとされています。
そんな愛犬と健康的な毎日をより長く過ごすためには、ペット保険で万が一の治療費に備えておくことが大切です。そこで今回は、ペット保険の選び方やミニチュア・ダックスフンドがかかりやすい病気・ケガ・治療事例などを詳しく紹介します。
もくじ
ミニチュア・ダックスフンドの健康を考えるのであれば、ペット保険への加入は検討すべきでしょう。なぜなら、ペットの治療費はすべて自己負担となるからです。
万が一、大病にかかって手術が必要となった際に必要なお金が足りなければ、十分な治療を受けさせてあげられない可能性があります。そうならないためにも、保険で備えておくことが大切なのです。
ただし、ペット保険によって補償範囲は異なります。ミニチュア・ダックスフンドのペット保険を検討するのであれば、ミニチュア・ダックスフンドがかかりやすい病気をカバーしている保険を選びましょう。かかりやすい病気については、後ほど説明します。
ここでは、ミニチュア・ダックスフンドの歴史・体型・性格を説明します。
ミニチュア・ダックスフンドは「ダッケル」「テッケル」などと呼ばれ、主にドイツで狩猟犬として使われてきました。特徴的な胴長で短足な体型は「アナグマを狩るために進化した」ともいわれています。
のんびりしているイメージがありますが、実は運動好きで活発な犬種です。その運動能力の高さは、穴の中でも地上でも獲物をしつこく追い詰めることができるほどです。
ダックスフンドは体長が体高の2倍もあり、胴長短足という特徴的な体型をしています。大きい順に以下の3種類に分けられます。
ミニチュア・ダックスフンドはダックスフンドの中で2番目に大きい種類です。日本で飼育されているダックスフンドのうち、7割以上がミニチュア・ダックスフンドともいわれています。
体重は約4.5~4.8kgで、基本的には小型犬に分類されます。ペット保険の保険料は年齢と犬種もしくは年齢と体重で決まることが多く、当社の場合、体重7.2kg以下のミニチュア・ダックスフンド犬は「小型犬」に該当します。
※犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で 決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合1歳時のおおよその体重で加入タイプが決まります。
ミニチュア・ダックスフンドは活発で、陽気、甘えん坊な性格です。友好的かつ従順で飼い主の指示もよく理解するため、すぐに家族の一員としてなじめるでしょう。
甘えん坊な一面から、飼い主さんとのスキンシップが好きな傾向にあります。また、もともと狩猟犬として使われてきたことから頭が良く、冷静に状況を見て行動します。
ミニチュア・ダックスフンドと楽しい毎日を過ごすためには、あらかじめミニチュア・ダックスフンドを飼うときのポイントを理解しておくことをおすすめします。
ここでは運動・遊び・しつけ・ケアの順に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ミニチュア・ダックスフンドは知的な刺激や運動が好きとされています。小型犬のため激しい運動は必要ありませんが、1日2回の散歩を、1回あたり30分程度を目安に行いましょう。
ただし、ミニチュア・ダックスフンドのような胴長短足の犬は地熱の影響を受けやすいため、暑さや寒さに弱いです。夏場の散歩は朝や夕方、夜など日が照っていない時間帯がおすすめ。冬場に散歩する際は室内で済ませたり服を着せたりして、防寒対策を行うとよいでしょう。
ミニチュア・ダックスフンドは運動不足や環境によってはストレスを感じ、問題行動を起こすことがあります。日々の散歩やトレーニングで頭と心を刺激し、ストレスを軽減させることが大切です。
遊び方のバリエーションを増やすこともおすすめです。例えば、ロープなどを使って引っ張り合う「引っ張りっこ」や、ボールを投げて飼い主さんのところまで持ってこさせる「レトリーブ遊び」などもよいでしょう。「何をどう遊べばよいのか」を理解していくことで、問題行動を起こしにくくなるでしょう。
ミニチュア・ダックスフンドには以下の3つの毛質があり、ブラッシング方法は毛質によって変わります。
シャンプーは月に1~2回程度を目安にします。ただし、次のような状態の場合はシャンプーを控え、状態によってはかかりつけの獣医師に相談しましょう。
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活発で運動も好きなミニチュア・ダックスフンドですが、病気やケガのリスクと無縁というわけではありません。比較的寿命の長い犬種ではあるものの、より長く健康的な毎日を過ごすには、ミニチュア・ダックスフンドのかかりやすい病気やケガについて理解しておく必要があります。
ここではかかりやすい病気を、成犬の頃と子犬の頃に分けて紹介します。
成犬の頃のミニチュア・ダックスフンドは、特に以下の病気やケガに注意しましょう。
それぞれの病気やケガについて解説します。
椎間板(ついかんばん)ヘルニアとは、背中にある神経(脊髄)が、骨と骨の間でクッションのような役割をしている椎間板に圧迫され神経障害が起こる病気です。主な症状は以下の通りです。
軽度な場合、症状がほとんど出ないこともありますが、重症化すると下半身麻痺に至ることもあります。軽度の場合は投薬を、重度の場合は外科手術を行うこともあります。
足腰への負担は、マットを敷いたり適切に体重管理したりすることで減らせるため、日頃から予防に努めましょう。
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皮膚炎は免疫反応が原因で起こる病気です。皮膚炎にはさまざまな原因があり、ダニや花粉などの外的な要因と体調や体質などの内的な要因が組み合わさることで発症します。
初期症状はかゆみを感じる程度ですが、悪化すると一年中症状が現れることもあります。主な症状は以下の通りです。
皮膚炎は完全治療が難しいため、ステロイド剤や抗ヒスタミン薬、免疫抑制剤を処方しながら治療を続けることになります。そのため、ペット保険を選ぶ際は、通院が補償されるタイプのものを選ぶと安心です。
腫瘍やしこりは、異常な細胞が蓄積することで起きるものです。悪性の場合はリンパ節や肺に転移しやすく、治療が困難になります。
良性の腫瘍としては次のような種類があります。
中でも乳腺腫瘍は、避妊手術をしていないメスのミニチュア・ダックスフンドによく見られる腫瘍です。良性であっても大きくなるほど悪性の割合が高くなるため、乳腺腫瘍は小さいうちに切除するのが安心です。
腫瘍・しこりは定期的な健康チェックが大切です。また、早期発見が重要であるため、定期的に健康診断を受診するよう心がけましょう。
歯周病は歯肉が腫れたり、歯を支えている歯周組織が破壊されたりする病気です。主な原因は歯磨きの回数ややり方などです。
歯周病が進行すると顎(あご)の骨が溶け、以下の症状が起こります。
歯周病は血管に細菌が入り込み、心臓病や腎臓病の引き金になる可能性もあるものです。日頃から丁寧に歯磨きをしたり歯科検診を定期的に受けたりするなど、プロにケアしてもらうことをおすすめします。
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元気いっぱいのミニチュア・ダックスフンドの子犬。子犬期に多い病気やケガは以下の通りです。
ここからは、それぞれの病気やケガの概要や症状を解説します。
外耳炎(がいじえん)は子犬も成犬もかかりやすい病気です。主に以下の2種類があります。
急性外耳炎になると、耳たぶにあたる耳介(じかい)と、耳介の根本から鼓膜までの外耳道(がいじどう)が赤く腫れます。耳介が厚くなったり黒っぽくなったりする場合、慢性外耳炎が考えられるでしょう。
原因にはさまざまなものがありますが、代表的な原因は雑菌の繁殖です。ミニチュア・ダックスフンドは垂れ耳で通気性があまり良くないため、お手入れをしないと雑菌が繁殖しやすいです。ぬるま湯やペット用耳洗浄液をコットンに染み込ませ、定期的に耳の中をやさしく拭いてあげましょう。
犬の下痢・軟便はさまざまな原因があります。一過性の場合もありますが、緊急性を要する場合もあるため注意が必要です。
子犬期はフードの変更や環境の変化などでも便が緩くなることがあります。明確な原因がわからない場合は体調が急変する可能性があるため、早めに動物病院を受診しましょう。特に異物や人用の薬、毒のある食べ物を誤食した場合は緊急性が求められます。
異物誤飲は、症状によっては手術につながる恐れがあります。
飲み込んだ異物や量、犬の体型などによって、症状が現れるまで時間がかかる場合があります。「なんともなさそうだから大丈夫」などと飼い主さんが自己判断することは危険です。特に次のような症状が見られる場合は、すぐにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
ミニチュア・ダックスフンドは好奇心が旺盛であるため、誤飲しやすい傾向があります。万が一の時に備え、あらかじめペット保険に加入しておくことをおすすめします。
ミニチュア・ダックスフンドが病気やケガをした場合、どのような治療が行われ、どれくらいの治療費がかかるのでしょうか。あらかじめ実例について知っておくだけでも、万が一の時に落ち着いて対応ができるはずです。
ここからは、実際にあった上記のミニチュア・ダックスフンドの治療事例を3つ紹介します。
年齢:10歳
性別:男の子
治療内容:椎間板ヘルニアのため、手術を伴い10日間の入院治療を行いました。血液検査、レントゲン検査、MRI検査、麻酔、点滴、注射、内服薬の処方などを実施しました。
入院10日間、手術1回
治療総額 | 44万6,336円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。