人懐っこくとても賢い性格の犬種であるパピヨン。犬の中でも比較的寿命が長い傾向がありますが、長生きする分、病気やケガをする機会も多くなるとも考えられます。 陽気で聡明な性格のパピヨンと安心した毎日を過ごすためには、万が一に備えてペット保険に加入し備えておくことが大切です。そこで今回は、ペット保険の選び方やパピヨンがかかりやすい病気・ケガ、治療費例などを詳しく紹介します。
もくじ
ペット保険への加入は義務ではありませんが、パピヨンの健康を考えるのであれば、ペット保険の加入を検討することをおすすめします。なぜなら、ペットの治療費は全額自己負担となり、高額な医療費に驚かされることも少なくないからです。
病気やケガは突発的に起こることが多く、病気やケガの際、まとまったお金を用意できない場合は十分な治療を受けさせてあげられないこともあります。そのような事態を避けるためにも、ペット保険は重要なのです。
しかし、ペット保険と一口に言ってもその種類はさまざまです。補償内容や補償範囲はペット保険によって異なります。そのため、パピヨンのためのペット保険の加入を検討するのであれば、パピヨンに多い病気やケガが補償されるペット保険を選びましょう。
パピヨンに合ったペット保険を考えるのであれば、まずはパピヨンの特性を知ることが大切です。
ここでは、パピヨンの歴史や体型、性格について解説します。
パピヨンは16世紀以降に描かれた貴族たちの肖像画にも登場するなど、高貴な愛玩犬としての歴史があります。フランス革命時は一時的に頭数が減少しましたが、19世紀頃から現在にかけて頭数がふたたび増えました。
可愛らしい顔立ちと大きな耳が特徴で、運動神経も抜群です。そのため、現在ではフライボールやアジリティーといったドッグスポーツにおける活躍を目にすることも少なくありません。
パピヨンの成犬の体高と体重の目安は以下の通りです。
オスとメスで体格差はほとんどなく、一般的には小型犬に分類されます。ペット保険の保険料は年齢と体重、もしくは年齢と犬種で決まることが多く、当社の場合、体重7.2kg以下の犬は「小型犬」の保険料が適用されます。つまり、パピヨンの場合も一般的な体格であれば小型犬での保険料となるでしょう。
パピヨンは活発で人懐っこく、賢い性格といわれています。ただし、賢いがゆえにイタズラも覚えやすく、きちんとしつけをしないと問題行動を起こすようになることもあります。
また、パピヨンは運動が得意で体力もあるため、散歩や遊びも大好きです。愛犬との散歩や遊びを楽しみたいという人にはぴったりの犬種といえるでしょう。小さな子供がいる家庭でも良いパートナーになるはずです。
病気やケガのリスクを最小限に抑えながら、パピヨンとの生活を楽しむのであれば、その特性に合わせた飼い方をすることが大切です。
ここからは、パピヨンの運動やしつけ、ケアについて紹介します。
パピヨンは運動が得意で散歩や遊びも大好きです。激しい運動はあまり必要ありませんが、毎日欠かさず散歩に連れていきましょう。
愛犬の年齢や病気の有無にもよりますが、健康状態が良好な場合は、1日2回、1回あたり30分程度の散歩が理想的です。ドッグランのような広い場所を走らせたり、公園や庭でおもちゃを使って遊ぶのもよいでしょう。散歩ができない日は自宅で一緒に遊び、ストレスを発散させてあげましょう。
ただし、パピヨンは気管が弱い傾向にあるため、首への過度な負担は禁物です。散歩には首輪ではなくハーネスを使うことをおすすめします。
生後6カ月~1歳くらいまでの子犬期のパピヨンはイタズラ好きとして知られています。甘噛みをはじめ、家具を壊したり、散歩での跳びつき、ひっぱりなどに困らされることも少なくありません。
ただ、これらの行動は健康なパピヨンの証ともいえます。パピヨンは賢い犬なので、家庭内で「良いこと」と「悪いこと」のルールを決め、2歳頃まで家族で根気よくしつけを行えば従順な犬へと成長してくれることでしょう。どうしても問題行動が改善されない場合は、専門家に相談してみるのも一つの手です。
パピヨンの被毛は一定の長さまで伸びると、それ以上はあまり伸びなくなります。あし裏やあし周りはすべらないように定期的なカットをするようにしましょう。比較的抜け毛も少ない犬種ですが、スリッカーブラシやコームを使ったブラッシングは毎日行いましょう。抜け毛予防になるだけではなく、ブラッシングによって皮膚を刺激することで血行が促進され、皮膚病を予防する効果も期待できます。
シャンプーは月1~2回程度を目安にし、足の指の間は汚れが蓄積されやすいため、散歩や外遊びのあとはしっかりと汚れを落としましょう。歯周病や歯肉炎を予防するためにも、歯磨きも積極的に行いましょう。
パピヨンは長生きしやすい犬種ですが、病気やケガと無縁というわけではありません。パピヨンとより安心した生活を過ごすためには、あらかじめパピヨンがかかりやすい病気やケガを知っておくことが大切です。
ここからは、パピヨンのかかりやすい病気やケガについて「成犬の頃」と「子犬の頃」に分けてそれぞれ解説します。
パピヨンが成犬の頃にかかりやすい病気やケガは、以下の3つが挙げられます。
ここからは、それぞれの概要や症状を解説します。
僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓病においてもっとも発症率が高いとされており、中高齢を迎えた小型犬に多い心臓病です。発症すると心臓にある左心室から左心房に血液が逆流し、左心房のうっ血といった症状を引き起こします。
僧帽弁閉鎖不全症の主な症状は以下の通りです。
初期段階では無症状の場合もありますが、重症化するにつれて呼吸器症状がみられます。進行すると肺の中に水が溜まる「肺水腫」を起こしたり、命に関わる心不全を起こす可能性もあるため、早期発見・早期治療が大切です。
尿路結石症は、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道などに結石ができる病気です。主な症状は以下の通りです。
尿路の粘膜を刺激するため、激しい痛みが生じたり、排尿ができなくなったりします。排尿ができない時間が長期間続くと腎不全を引き起こし、嘔吐などの症状がみられ、命に関わる可能性もあります。
尿路結石症は細菌やストレスが関与しているとされ、再発も多い病気です。何度も繰り返すと腎臓へのダメージが蓄積され、寿命が短くなる危険性もあります。再発の恐れがある病気のため、ペット保険に加入する場合は、通院回数が十分に設けられているものを選んでおくと安心です。
歯周病は、主に細菌によって歯の周りの組織に炎症が起きる病気です。人にとっても比較的身近な病気ではありますが、犬の場合は悪化すると命に危険が及ぶ可能性もあります。
歯周病の症状は以下の通りです。
症状が進行すると増殖した口腔内細菌が血管に入り込み、心臓病や腎臓病を引き起こす危険性があります。歯周病については関連記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】
ペット保険で歯周病・歯石除去は補償可能?歯科治療の治療事例なども紹介
パピヨンは賢い犬種のため、しつけで困ることはそれほど多くはありません。しかし、子犬の頃は特に次の3つの病気やケガに注意しましょう。
ここからは、それぞれの概要や症状を解説します。
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは、後ろあしにある膝(ひざ)のお皿状の骨が正常な位置からずれてしまう状態です。症状としては、主に以下が挙げられます。
症状が軽度の場合は目立った症状がみられないこともありますが、症状が進行すると歩行困難になる恐れもある病気です。膝蓋骨脱臼のはっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝的な要因のものと、高いところからの飛び降りや転倒といった外傷的な原因の2つがあると考えられています。
進行すると「前十字靭帯断裂」などさまざまな疾患につながることもあるため、早期の治療と対処が必要です。
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パテラ(膝蓋骨脱臼)はペット保険の対象?治療事例や症状・原因を解説
外耳炎は耳の入り口から鼓膜までの「外耳」と呼ばれる部分に炎症が起きる病気です。パピヨンはその大きな特徴である垂れ耳という形状であるがゆえに、外耳炎を起こしやすい犬種といえます。外耳炎には症状が急激に悪化する急性外耳炎と、少しずつ悪化し経過が長期に及ぶ慢性外耳炎があります。
外耳炎の主な症状は以下の通りです。
急性外耳炎の場合には、耳がひどく腫れて出血することもあります。激しいかゆみや炎症を伴うため、気になる症状がみられた場合には早めに動物病院を受診しましょう。
また、慢性外耳炎は炎症によって耳介(じかい)が厚くなることで、外耳道が狭くなります。耳掃除をしてもなかなか汚れが取れないことも多いため、再発しやすく、治療が長期化しやすいとされています。
耳道が完全に閉塞した場合には、手術が必要になることもあり、治療費が高額になることもあるでしょう。ペット保険に加入する場合は、入院費用だけではなく、通院に対応したものを選んでおくと安心です。
異物誤飲は年齢に関係なくおきますが、子犬の時期は特に注意が必要です。パピヨンのような好奇心旺盛でイタズラ好きな犬種の場合、異物誤飲のリスクも高くなりやすいといえます。
異物誤飲は飲み込んだあとすぐに動物病院に連れて行けば吐き出させるなどの処置ができるケースも多いですが、飼い主さんが気づかない間に異物誤飲していた場合、腸閉塞を起こし命に関わる危険性も出てきます。
異物誤飲は予期せぬタイミングで起こるものです。しかし、散歩の際にきちんと見守ったり、一人遊びをさせない、誤飲しそうなものは届かない場所に保管するなど、飼い主さんが環境を整えることでも防げることが多くあります。
飼い主さんにとって、パピヨンが病気やケガをした場合の治療内容や治療費は気になるところではないでしょうか。
ここからは、上記の3つの事例の治療内容や治療費などをご紹介します(ペット&ファミリー損保の請求事例より)。
両あしの膝蓋骨脱臼のため、2回の手術を伴い合計で16日間の入院治療を行いました(0歳7カ月の時に右あしの手術、1歳1カ月の時に左あしの手術を実施)。
入院16日間、手術2回
治療費 | 45万0,286円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 25万9,200円 |
自己負担額 | 19万1,086円 |