【獣医師監修】犬を多頭飼いする際、ケージはどうしてる?選び方や置き方を解説
2023.10.13 作成

【獣医師監修】犬を多頭飼いする際、ケージはどうしてる?選び方や置き方を解説

獣医師

手塚光

手塚光

犬を多頭飼いしている家では、犬同士がストレスなく、かつ安全に留守番をさせるにはどうしたらよいのでしょうか。ゲージは使用したほうがよいのでしょうか。この記事では、犬を多頭飼いする際のケージの選び方や置き方、留守番時の注意点について解説します。

もくじ

    そもそも、犬の飼育にゲージは必要?

    【獣医師監修】犬を多頭飼いする際、ケージはどうしてる?選び方や置き方を解説
    (Phuttharak/Shutterstock)

    留守中の事故防止や、多頭飼育におけるケンカ防止など、時と場合によってゲージを使用することは有用です。

    犬の飼育において、ケージで飼育したりケージに入れたりする必要があるのか疑問をもつ飼い主さんもいることでしょう。

    しかし、「うちの子は絶対に誤飲や喧嘩はしない」と飼い主さんが考えていても、異物の誤飲やケンカで緊急手術を行う例は少なくありません。家の中には犬にとって有毒なものが存在します。これらをなめたり食べたりしてしまい、中毒を起こした症例も数多くあります。

    また近年、災害時にペットを同伴できる避難所が増えてきました。犬と避難所を利用する際は、ケージで管理できることが前提となっていることもあります。

    万が一の災害に備えて、犬をケージに慣れさせておくことに損はありません。

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    犬の多頭飼育ではケージはどんなものを選べばいいの?

    犬の多頭飼育ではケージはどんなものを選べばいいの?
    (Amber Aquart/Shutterstock)

    飼育する犬の数や、寝るときだけゲージを使うのか、多くの時間をケージ内で過ごすのかといった生活スタイルによってゲージ選びのポイントは変わります。

    ここでは、飼い主さんが知っておきたいゲージ選びの基本を挙げてみましょう。

    1頭につきケージ1つが理想

    基本的には、1頭につきケージは1つが理想的です。難しい場合も、慣れていない犬同士を同じケージに入れないよう注意しましょう。

    先住犬からすると、知らない犬がいきなり自分のテリトリーに入ってくるわけですから、攻撃してしまう可能性があります。犬同士のケンカは大ケガにつながることがあるため絶対に避けましょう。

    十分な広さのケージを用意すると安心

    窮屈な環境は、ストレスの原因になります。多頭飼いの場合は、ストレスがケンカにつながる可能性もあるため、歩き回れるスペースがあるなど、十分な広さのケージを用意してあげましょう。

    トイレもケージ内に設置するなら広めを選ぶ

    トイレもケージ内に設置するのであれば、さらに広いケージが必要となります。あまりトイレと寝床が近いと、寝返りや方向転換をした際におしっこやうちを踏んで汚れてしまいます。

    不衛生な環境は病気のリスクにつながるため注意しましょう。

    犬の多頭飼育でのケージの置き方

    犬の多頭飼育でのケージの置き方
    (sophiecat/Shutterstock)

    兄弟や姉妹でない犬を多頭飼育する際、最初はケージ同士を離して設置しましょう。見ず知らずで慣れていない犬が同じ空間で近くにいると、緊張したり威嚇したりしてしまいます。

    お互いが慣れるまでは部屋を別にする、ケージにカーテンなどを設置するなどして、時間を決めて顔合わせしてください。

    徐々に慣れてきて仲良く生活できるようになったらケージを近づけるようにするとよいでしょう。

    留守番時はケージの中に入れて安全を確保する

    留守番時はケージの中に入れて安全を確保する
    (Masarik/Shutterstock)

    飼い主さんが家を留守にするときは、それぞれのケージ内で過ごすのが安全です。

    たとえば、みんな自由に過ごさせていて、帰宅したら何かをかじったり食べたりした跡を見つけたとしましょう。食べたものが胃や腸に詰まってしまったり、中毒を起こしたりする可能性があるものであれば、早めの処置が必要になります。

    多頭飼育の場合、どの子が誤飲したのか特定するのに時間がかかることで、処置が遅れたり、見逃したりすることになってしまいます。

    こういったことを避けるためにも、飼い主さんが愛犬から長時間目を離す際には、個別にケージ内で過ごすことが安全だといえるでしょう。

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    まとめ

    多頭飼育の際には、可能な限り個別にケージを用意してあげましょう。ケージを選ぶ際は、中で寝返りや方向転換ができる程度の広さが必要です。

    狭い環境では犬もストレスが溜まり、問題行動につながる可能性があります。

    愛犬に留守番をさせる際は、誤飲などのリスクを回避するためにもケージ内で過ごさせてあげると安全です。

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    著者・監修者

    手塚光

    獣医師

    手塚光

    プロフィール詳細

    所属 名古屋夜間動物救急センター

    日本獣医麻酔外科学会
    日本獣医がん学会

    略歴 1983年 新潟県に生まれる
    2005年 酪農学園大学獣医学部獣医学科に入学
    2011年 獣医師国家資格取得
    2011年 愛知県の動物病院に勤務
    2015年 愛知県のワシヅカ獣医科瑞穂病院に勤務
    2015年 酪農学園大学附属動物病院に勤務
    2017年 愛知県のワシヅカ獣医科瑞穂病院に勤務
    2017年 名古屋動物救急センターに勤務

    資格 獣医師免許
    RECOVERインストラクター

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