ラグドールの性格とは?飼い方と注意点を紹介
2021.12.02 作成

ラグドールの性格とは?飼い方と注意点を紹介

PNS編集部

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人気の猫種のラグドール。人懐こくフレンドリーな性格が猫好きの間で話題になっているようです。今回はラグドールの起源、魅力、正しい飼い方、飼う上での注意点について紹介します。

もくじ

    ラグドールは人懐こい猫種

    ラグドールの性格とは?飼い方と注意点を紹介
    (Igor_Shevchenko /shutterstock)

    猫といえば 「そっけない」イメージがありますが、実際にはそんなことはありません。個体差があり、育てられた環境にも左右されます。    

    今回お話するラグドールは人懐こい猫といえます。「抱っこ好き」と言われるくらいの人懐っこさが特徴で、人とのスキンシップを好みます。猫を飼うなら「思いっきりじゃれたい!」という方におすすめの猫です。運動するよりもリラックスして過ごすことを好むので、たくさん抱きしめてあげると喜びます。

    ラグドールの性格

    「ぬいぐるみ」という意味を持つラグドール。穏やかで、他の動物に対して攻撃的になることはほとんどありません。初対面の人とも打ち解けやすく、飼い主さんのしつけにも素直に従ってくれる傾向にあります。友好的で従順な性格から、犬っぽいと言われています。猫に慣れていない方でも扱いやすいので、初めてのペットとしてもぴったりでしょう。

    ラグドールの特徴・大きさ・毛色

    特徴

    ラグドールはアメリカ原産の猫です。最も特徴的なのは、ふさふさの毛並みと独特のカラーリング。ラグドールの毛は比較的長く、長毛または中毛の部類に入ります。

    ダブルコートと呼ばれる二層構造になっており、豊かな被毛で体が覆われています。抱っこされればそのまま身をまかせてくれる従順さも特徴です。

    大きさ

    体型は猫全体の平均と比べるとやや大きめで、体格のいい猫の部類に入ります。体重の目安はオスで6.5kg〜9kg、メスで4.5kg〜7kgです。

    毛色

    毛の色は薄いグレーのような色味の「ブルー」、こげ茶色の「シール」、赤茶色風の「レッド」など様々なパターンがあります。

    色の入り方もそれぞれ違い、顔や足、尻尾など一部だけに色が入る「ポイント」、白と有色とのコントラストが強い「バイカラー」、「ポイント」の体でお腹や手足が部分的に白い「ミテッド」などが代表的です。

    ラグドールの平均寿命

    寿命は個体差がありますが、12〜17歳。猫全体の寿命は15歳と言われており、ラグドールはおおむね平均的と言えるでしょう。

    ラグドールの起源

    ラグドールが誕生したのは1960年代。アメリカのブリーダー、アン・ベイカーが、複数の猫種を掛け合わせて生み出したとされています。交配にはペルシャ、バーマン、バーミーズなどが用いられたと見られ、長い毛足や毛色はそれぞれの品種の特徴を受け継いでいます。    

    アン・ベイカーは当初、ラグドールを血統登録させませんでした。一部のブリーダーにのみ「ラグドール」の名称を使用する権利を付与する仕組みを作り、ラグドールに関わる権益の独占を狙っていたようです。結果的にはアン・ベイカーのビジネスは実らず、ラグドールは他のブリーダーによる働きかけによって血統登録され、幅広い国や地域で知られる人気猫になりました。

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    ラグドールに似た猫は?

    交配によって生まれたこともあり、ラグドールには容貌がよく似た品種がいます。

    バーマン

    バーマン
    (Borkin Vadim /shutterstock)

    バーマンは、ラグドールのようにやわらかく長い毛並みを持ち、体の一部に色が入る「ポイント」があるのが特徴です。ラグドールによく似ていますが、バーマンの被毛はシングルコートです。ダブルコートのラグドールには、毛が一斉に生え変わる換毛期がありますが、バーマンにはなく比較的抜け毛が少ないと言われています。

    手足の色もラグドールと見分けるポイント。ほとんどのバーマンが爪先から第2、第3関節までが手袋のように白くなっています。

    ラガマフィン

    ラガマフィン
    (Scampi /shutterstock)

    ラガマフィンは、ラグドールとペルシャを掛け合わせて生まれた品種です。長い毛に覆われている点は似ていますが、毛色は多彩なバリエーションがあり、規定された色はありません。性格はラグドールの良さを受け継いでおり、人懐こくのんびりとしています。

    ラグドールの魅力とは

    ラグドールの魅力とは
    (Ria Peene /shutterstock)

    ラグドールをペットに選ぶ飼い主さんは、ラグドールのどんなところに魅力を感じているのでしょうか。愛される理由を紹介します。

    集合住宅でも飼いやすい

    筋肉質でがっしりしているその体躯は、さぞ運動能力が高いのだろうと想像してしまいますが、実際には「飼い主さんのひざの上でのんびりする」ことが大好きなおっとり系。大きな声で鳴いたりすることも少ないと言われています。

    集合住宅など、都会の住環境でも飼いやすく、都市環境で人気があるのもうなずけます。

    触り心地と穏やかな性格

    美しいシルクのような毛並みは、スキンシップ中にもため息が出てしまうゴージャスさ。ラグドールはスキンシップが大好きなので、その触り心地はまさにラグドールの飼い主さんの特権なのです。

    飼い主さんのそばにいることが大好きで、他の動物よりも人間に興味があり、その穏やかさゆえに子どもや高齢者にもぴったりな、現代社会に寄りそう猫なのです。

    ラグドールを家族に迎える方法と費用

    ラグドールを家族に迎える方法
    (rock-the-stock /shutterstock)

    ラグドールの子猫の相場は20~50万円程(2021年11月時点)。毛色や生後日数によっても価格が変わります。

    ラグドールを迎える方法について具体的に紹介していきます。それぞれメリットとデメリットがあるためよく知った上で選択することが大切です。

    ペットショップで探す

    ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。ラグドールが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。月齢がある程度いった子猫ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。               

    ブリーダーからの紹介

    ブリーダーは、全国各地に存在する猫の繁殖を専門とする人のこと。猫種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから猫を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。猫の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。

    また、実際に親猫の様子を事前に確認することができるため、成猫時のサイズ感などを予測する助けになります。

    ブリーダーから生まれた子猫の多くは、親猫と共に生活し育っています。親子での生活を経験があると、ある程度の社会性が育ち、しつけがしやすくなる傾向があります。    

    保護猫の里親になる

    保護猫の譲渡会に参加するのもおすすめです。保護猫の譲渡会は、様々な事情で身寄りがなくなった猫と里親候補のマッチングの機会。猫たちの第二の人生を支えるお手伝いができます。

    ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットもあります。ただし、里親になるためには、「完全室内飼育が可能」「猫の飼育経験がある」など、一定の条件がある場合もあります。引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。譲渡を希望する場合は、あらかじめ里親要件をよく確認しておきましょう。

    ラグドールのお世話の方法

    ラグドールのお世話の方法
    (VeronArt16 /shutterstock)

    ラグドールを実際に     お迎えしたら、どのようにお世話をしていけばいいのでしょうか。子猫、成猫の発達段階ごとに、お世話の工夫やスキンシップのコツを確認しておきましょう。

    一生を通して穏やかなラグドールのお世話は、特別難しいルールはありません。できるだけそばで寄り添い、心地よい空間を作ってあげることを心がけていきましょう。

    子猫期のお世話

    ラグドールは4歳ごろまで子猫として過ごします。平均的な猫は1歳を過ぎると成猫になりますが、ラグドールの成長はスローペースです。

    トイレ・爪とぎのしつけ

    子猫のラグドールを迎えたら、なるべく早くトイレや爪研ぎなどのしつけを覚えさせましょう。ラグドールは学習能力があるため、きちんとコミュニケーションをすればスムーズに身につけてくれるはずです。やや神経質なところもあるため、自宅の中にラグドールがリラックスして過ごせるテリトリーも用意してあげましょう。

    1歳を過ぎたら適度なトレーニングを

    1歳を過ぎると筋肉の形成が活発になります。ラグドールはもともと激しい運動を好見ませんが、子猫の頃は比較的活発に活動します。ボールなどを投げれば犬のように喜んで取りに行くことも。適度にトレーニングを行い、体の発達を促しましょう。

    ラグドールは子猫の頃から人懐こい性格で、愛嬌があります。他の子猫の場合、初対面の人に対し距離を取ることが多く、なかなかなつかないこともありますが、ラグドールならすぐに信頼関係を築くことができるでしょう。飼い主さんから積極的にスキンシップをとって、絆を深めていきましょう。

    成猫期のお世話

    4歳を過ぎ成猫となったラグドールは、のんびり寝そべって過ごすことを好みます。抱っこも大好きなため、よりラグドールが心地良く感じられる抱っこを探ってみましょう。

    抱っこする時は、立った状態で抱え上げるよりも、座った状態で優しく膝の上へ迎え入れます。抱き上げるときは、脇だけでなくお尻も一緒に支えてあげましょう。忙しくてなかなかゆっくり抱っこができない場合は、ラグドールが安心感を得られるペットベッドなどを用意してあげるのも良いでしょう。

    高齢期のお世話

    高齢期を迎えると体力は落ち、横になっている時間が一層長くなります。寝床やお気に入りのテリトリーは清潔にして、快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。転倒の原因になりそうな障害物や段差もできるだけなくしておくと安心です。病気にかかりやすくなるため、体調管理には十分留意し、定期的に健康診断を受診しておきましょう。

    ラグドールを飼う際の注意点

    ラグドールを飼う際の注意点
    (Rolling Orange /shutterstock)

    ラグドールの健康や安全を守るために、注意しておきたい点をチェックしましょう。

    キャットタワーは安定性があるものを選ぶ

    キャットタワーを活用する場合は、安定性を重視して選びましょう。ラグドールは高い場所を飛ぶ、跳ねる、などの運動はあまり得意ではないと言われています。高所の移動に不慣れな上、体格も大きいので、バランスを崩すと事故につながりかねません。重心が低いタワーや、登り降りが簡単にできそうなものなどを選んでみましょう。

    大人になったら高カロリー食は控える

    ラグドールはその大きな体と比例するように、食欲旺盛な猫といえます。子猫時代には高たんぱくで高カロリーなフードを選ぶようにしてください。ゆっくり成長するラグドールですが、その頃の食事は将来の成猫の体づくりに大きく影響します。    

    子猫を卒業したら、食べ過ぎに注意。動かない時間が多いラグドールは、高カロリーの食事を与え過ぎると肥満につながりやすくなります。体重が気になる場合は、カロリー計算なども勉強しておくことが望ましいです。

    【関連記事】
    【獣医師監修】犬や猫もダイエットが必要?肥満にならないようカロリー計算をしよう

    ラグドールの日常ケア

    ラグドールは日常のお手入れが欠かせない猫です。

    コーミング

    被毛がとても豊かで厚いので、毎日のコーミングは必ずしましょう。コーミングはほどよい皮膚へのマッサージにもなるので、血行をよくすることにもつながります。血の巡りをよくするというのは、健康への道しるべでもあります。たいがいの病気は血液循環が悪いと悪化します。そういったことを意識しながらコームでやさしく撫でてあげてください。

    子猫期はトラブルを起こさないように見守る

    子猫というのは考えもつかないようなトラブルを引き起こしたりします。誤飲や誤嚥もそのひとつ。ラグドールは成長の遅い猫です。子猫時代が長いため、おのずと危険が多い時期も長くなります。しっかりと気にかけてあげましょう。

    なるべく広い部屋で飼う

    ラグドールは成猫になると、10kg弱にまで成長することがあります。大きな体に合わせて、お部屋作りにも気を遣いましょう。物が多くて動きが取りづらいお部屋や、ごく狭いワンルームのアパートやマンションは、ラグドールにとっては少し窮屈かもしれません。ラグドールがくつろげる場所を複数作れる、なるべく広いお部屋を用意するようにしましょう。

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    ラグドールがかかりやすい病気

    ラグドールがかかりやすい病気
    (Ria Peene /shutterstock)

    ラグドールが注意しなければいけない病気を紹介します。    

    肥大型心筋症

    肥大型心筋症とは、心臓の筋肉である心筋が異常に厚くなり、心臓の中の血液の量が減ってしまい、拍動で全身に送れる血液の量が少なくなるというものです。遺伝疾患が多いとされています。

    その結果、元気がなくなる、疲れてしまう、食欲がなくなる、などの症状があらわれます。ただし、初期の段階ではまったく気づかないことがほとんどです。そのため、健康診断などをまめにして、早めの対応をとることが大切です。

    肺水腫(はいすいしゅ)

    心筋症が進行すると肺水腫になることがあります。そうなると大変呼吸が苦しくなり、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる状態)を引き起こすこともあります。

    治療法としては、内服薬が中心です。血圧降下剤や抗不整脈薬などさまざまな種類の薬がありますが、いずれも完治はできません。病気の進行を緩やかにして、負担を軽減するくらいの効果に限られます。

    心筋症の予防方法はないの?    

    残念ながら心筋症が発症する原因は不明であることが多く、初期では症状も出づらいため、予防が難しい病気です。定期的な健康診断で心拍数の測定や、聴診器による心雑音のチェックなどをしていくことが唯一の予防法と言えるでしょう。

    心筋症に限ったことではありませんが、病気というものは重症化させないことがとても重要であり、そのためにできることはたくさんあります。

    1カ月にかかる飼育費用は?

    1カ月にかかる飼育費用は?
    (Zharinova Marina/shutterstock)

    猫の平均的な飼育費用は、1カ月あたり5,000~1万円になります。

    食費

    フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~4,000円ほどかかります。

    日用品代

    猫砂や消臭シートなどの日用品が1カ月で500~1,500円前後。

    シャンプー・トリミング代

    シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回あたり、5,000~1万円ほどかかります。

    医療費

    フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で2万円ほど必要でしょう。1カ月にすると1,500円程度です。

    知っておきたい、ペットの医療事情

    初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。

    子猫がかかりやすい病気・ケガ

    子猫は、異物誤飲や環境変化によるストレス性の軟便や下痢が多いです。

    • 異物誤飲の平均治療費:3万1,372円*
    • 軟便や下痢の平均治療費:1万1,495円*

    ただし、どちらも場合によっては10万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防や体調の変化に気を付けることが大切です。

    お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪になりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。

    *ペット&ファミリー損保調べ(2020年4月~2021年3月 保険金支払い実績をもとに算出)

    ペット保険

    ペットの年齢によって保険料は変わりますが、猫の1ヶ月の保険料は1,200~2,000円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。

    ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。

    【ペット保険選びのポイント】

    ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。

    保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。

    • その猫種が発症しやすい慢性疾患が補償されるか
    • 金銭的に負担の大きい高額な手術・入院に対応できているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数に上限がないか など

    保険最強ランキング2年連続1位のペット保険_猫

    参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」

    *2023年4月時点の内容です。今後の商品改定等により、変更となる場合があります。最新の内容はホームページよりご確認ください。

    著者・監修者

    PNS編集部

    ペットライフに新しい発見を。
    ペットニュースストレージ編集部です。

    PNS編集部

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