豆柴(柴犬)とはどういう犬?実は正式な血統種ではない
2021.11.12 作成

豆柴(柴犬)の性格と特徴から知る飼い方

PNS編集部

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豆柴は、柴犬らしい凛々しさと愛らしい小さな体でとても人気がある犬種です。豆柴は柴犬よりも小さいことが魅力の一つですが、実は柴犬と同じ大きさに育つケースも。一緒に暮らす前に、まずは豆柴の性格、身体的な特徴、しつけ方法を含めた飼い方を理解しておきましょう。

もくじ

    豆柴(柴犬)とはどういう犬?実は正式な血統種ではない

    豆柴(柴犬)とはどういう犬?実は正式な血統種ではない
    (Sakkarin Pongrujikorn/shutterstock)

    古くから日本で愛されてきた柴犬の中でも、サイズの小さなものを豆柴と呼びます。その凛々しさ、愛らしさからテレビ番組などにも出演し人気が高まっていますが、実は正式な血統種ではありません。ここでは豆柴の特徴や性格、歴史について紹介します。

    豆柴の特徴・大きさ・毛色

    特徴

    豆柴の特徴はその小さな体。中型犬の柴犬に比べるとずいぶんと小さく、日本の住宅事情で飼いやすいことからも人気です。

    大きさ

    現在、例外を除いて豆柴は正式な血統種として認められていないため、正式なサイズの規定はありませんが、成犬であればオスの体高で30cm~34cm、メスの体高で28cm~32cm、体重は4kg~6kg程度の柴犬が豆柴と呼ばれています。

    ※体高…四つ足をついて立ったときの地面から背中までの高さのこと。

    毛色

    カラーは柴犬と同じく、赤・黒・胡麻・白の4種類です。

    豆柴の性格

    豆柴は柴犬同様、学習能力が高く、日本犬らしい自立心や警戒心をもち合わせています。小さな姿から、ついついかまいたくなってしまいますが、構われすぎるのは苦手で、あまりベタベタと甘えてくることはありません。縄張り意識が強く、家族以外の人に対して警戒し、吠えることも。子犬の頃からしっかりとしつけをして主従関係をはっきりさせれば、主人には忠実に尽くしてくれます。

    豆柴の歴史

    縄文時代から、狩猟犬として日本人と共に暮らしてきた柴犬の中で、小柄な柴犬が豆柴のルーツと言われています。昔から小型害獣の狩猟犬として小柄な犬同士を繁殖させており、そこで生まれてきたのが豆柴の原型。一時期は豆柴ブームにあやかり、小さくするために乱交配も見られましたが、現在は様々な愛犬家達が、健康で小さな柴犬を安定的に繁殖できるように尽力しています。

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    豆柴(柴犬)の飼い方のポイント

    豆柴(柴犬)の飼い方のポイント
    (tackune/shutterstock)

    豆柴は、愛玩犬として育ってきた他の小型犬に比べると独立心が強く、非常に警戒心が強い犬です。可愛らしい見た目についつい甘やかして育ててしまえば、あっという間に吠える、噛むなどの問題行動を起こすようになってしまうかもしれません。そうならないためにも、まずは飼い方のポイントをチェックしておきましょう。

    豆柴の散歩の仕方と運動量

    豆柴は猟犬の血を引いているため、小さな体の割に運動量が必要な犬種です。1回につき30分程度で構わないので、最低でも1日に1回は散歩へ出かけましょう。散歩に出かければ他の犬に出会ったりするなど、色々な機会にふれることができます。運動不足の解消だけでなく社会性を身につけるためにも、しっかりと散歩しましょう。

    ただし、体の小さな豆柴の散歩には注意も必要です。特に暑い時期には肉球のやけどや熱中症の危険を伴います。散歩の時間をよく考え、涼しい時間帯に出かけるようにしてください。

    飼い主さんが豆柴のリーダーに

    独立心が強い豆柴は、上下関係をよく把握します。また非常に頭が良い犬なので、一見素っ気ない態度ばかりとっていても、自分が認めたリーダーには従順に従います。豆柴を迎えたら、お互いに快適に暮らすためにも、まずは主従関係のトレーニングを行うようにしましょう。

    家族以外への警戒心に注意

    狩猟犬や番犬として活躍してきた日本犬の血を引く豆柴は、非常に高い警戒心をもち合わせています。そのため、家族以外の人に対して攻撃的になることも。散歩や来客の際、他人に怪我をさせるなど、余計なトラブルを起こさないよう、時間をかけて社会化に関するトレーニングを行うことが大切です。

    体に触られることに慣らす

    豆柴はどちらかというとクールな性格なので、体を触られることは得意ではありません。しかし、一緒に暮らすのであれば体のケアや健康観察、またコミュニケーションのためにも、体のどこを触っても大丈夫なようにトレーニングをしておきましょう。

    豆柴(柴犬)の平均寿命

    豆柴(柴犬)の平均寿命
    (Sakkarin Pongrujikorn/shutterstock)

    豆柴の平均寿命はおおよそ10~12歳です。柴犬の平均寿命が12~15歳なので、比べてみると短く感じるかもしれませんが、これは豆柴の歴史が浅いことに起因しています。歴史が浅い犬は平均寿命が短い傾向にあるので、今後繁殖が安定すれば平均寿命も伸びていくと予想されています。

    豆柴(柴犬)の注意しておきたい病気

    豆柴(柴犬)の注意しておきたい病気
    (Sakkarin Pongrujikorn/shutterstock)

    豆柴と一緒に暮らすと決めたら、次に気になるのが健康に関すること。1日でも長く一緒に暮らすためにも、日頃から健康観察を行い、適切に対応したいものです。

    アレルギー性皮膚炎

    アレルギーによって引き起こされる皮膚炎です。皮膚の強い痒みが主な症状で、しきりに舐めたり噛んだりするようになります。皮膚に炎症や脱毛が見つかり、痒がっているようであれば、獣医師の指導のもと食事や生活環境の調整が必要になります。

    外耳炎

    耳の外耳に炎症が起きる病気です。年齢や犬種問わずに起きる病気で、腫れやジュクジュクとした滲出液(しんしゅつえき)が出てきて、耳が臭ったり、頻繁に耳をかいたりするようになります。症状がひどくなれば、炎症は耳の中の方まで広がり治療が長期化するため、早めの治療が必要です。

    緑内障

    眼圧が上がることにより、視神経を障害する病気です。中年齢から高齢の犬によく見られ、放置すると失明してしまいます。目が充血している、しばしばさせているなどの様子が見られたら、目薬や経口薬で治療を始めましょう。

    膝蓋骨脱臼(パテラ)

    小型犬は生まれつき骨の溝が浅く、膝の骨が内側、外側に外れやすい特徴があります。膝を曲げ伸ばす時に痛みが出てきて、歩きたがらない、または歩きづらくなるといった症状が起こります。

    認知症

    認知症は加齢によって認知力が低下することで、行動に変化が起こる高齢犬の病気です。異常な食欲や夜鳴き、徘徊、昼夜逆転など、さまざまな行動が起こるようになります。加齢によるものなので治療法はありませんが、サプリメントの服用や生活の中で上手に対処をしていくことが大切です。

    歯周病

    歯垢の中の細菌が原因となって、歯肉に炎症が起こる病気です。悪化すると歯を支える骨にまで症状が進み、歯が抜け落ちたりアゴの骨に問題が起こったりします。心臓病や腎臓病の引き金にもなりかねないため、口腔内のケアを行いましょう。

    柴犬は特に皮膚疾患に気をつけよう

    豆柴は比較的体が強く病気になりにくいと言われていますが、特に皮膚疾患には注意しましょう。特に柴犬に多い、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎には注意が必要です。皮膚が赤くなっている、毛が抜けている、かいたり噛んだりを繰り返している、地面に体を擦り付けているなどの様子が見られたら状態を確認し、改善のために獣医師へと相談すると良いでしょう。また、アレルギー性皮膚炎を発端にした外耳炎も起こしやすいので、定期的に耳のチェックも行いましょう。

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    豆柴(柴犬)を家族に迎える方法と費用

    豆柴(柴犬)を家族に迎える方法と費用
    (tackune/shutterstock)

    豆柴を迎え入れる決心がついたら、いよいよお迎え。子犬の価格は、性別、毛色、血統によって異なりますがおおよそ30〜70万円(2021年7月時点)です。

    豆柴と出会うにはどんな方法があるのでしょうか。

    ペットショップで探す

    まずは、家の近所のペットショップに足を運んでみると良いかもしれません。店員さんに相談すれば飼育に関するアドバイスをもらうこともでき、必要なものをその場で購入することができるのもメリットです。月齢がある程度いった子犬ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。

    ブリーダーからの紹介

    ブリーダーは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のこと。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから犬を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。

    劣悪な環境で繁殖している業者もいるため、飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。

    里親になる

    人気犬種の豆柴の里親になる機会はそう多くないかもしれません。しかし、保護施設などで偶然に出会えるかもしれません。子犬ではなく成犬でも構わない場合には、良いご縁がつながるかもしれません。

    家族に迎え入れるまでに準備したいもの

    豆柴を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4〜5万円ほどをみておくと良いでしょう。

    【寝床の準備】
    ・ペットサークル
    ・クレート(ペット用キャリー)
    ・ベッド

    【日用品の準備】
    ・ドッグフード
    ・フードボウル
    ・水飲みボウル

    【トイレ用品の準備】
    ・トイレトレー
    ・トイレシーツ

    【ケア用品】
    ・ブラシ
    ・爪切り
    ・ペット用シャンプー
    ・歯磨きグッズ

    【その他】
    ・首輪
    ・リード

    事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。豆柴は暑さにも弱いので、夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。遊び好きな犬種なので、余裕があれば犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。

    【関連リンク】
    犬を迎える前に準備しておきたいもの
    犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
    犬をペットとして迎える時の心構え

    その他の費用

    役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2〜3万円ほどかかります。

    1カ月にかかる飼育費用は?

    1カ月にかかる飼育費用は?
    (dreamnikon/shutterstock)

    豆柴の平均的な飼育費用は、1カ月あたり1万〜2万円になります。

    食費

    フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000〜5,000円ほどかかります。

    日用品代

    トイレシーツなどの日用品は、平均1,000~2,500円前後です。

    シャンプー・トリミング代

    シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、1回3,000〜1万円ほどかかります。

    医療費

    フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3万〜5万ほど必要でしょう。1カ月にすると3,000円程度です

    知っておきたい、ペットの医療事情

    初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。

    子犬がかかりやすい病気・ケガ

    子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。

    骨折の平均的な治療費7万〜15万円、異物誤飲の場合は1万5,000〜3万円ほど。

    ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。

    特に、お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化には十分に気を付けてあげましょう。

    ペット保険

    豆柴は、 4kg~6kg 程度と言われていますが、まだ安定している品種ではないため、大きく成長するケースもあることを念頭に置きましょう。

    犬の保険料は、犬の年齢と体重によって変わるため、1ヶ月の保険料は以下を参考にしてみてください。*1

    • 小型犬(7.2kg以下):1,300~2,800円ほど*2
    • 中型犬(19.8kg以下):1,500円~3,100円ほど*2
    • 大型犬(39.6kg以下):1,800円~3,600円ほど*2
    • 特大犬(39.6kg超):2,300~5,400円ほど*2

    ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。

    【ペット保険選びのポイント】

    ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。

    保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。

    • その犬種が発症しやすい慢性疾患が補償されるか
    • 金銭的に負担の大きい高額な手術・入院に対応できているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数に上限がないか など

    保険最強ランキング2年連続1位のペット保険_小型犬

    *1参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
    *2 犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で 決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。

    *2023年4月時点の内容です。今後の商品改定等により、変更となる場合があります。最新の内容はホームページよりご確認ください。

    愛犬と楽しく暮らそう 

    家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。

    著者・監修者

    PNS編集部

    ペットライフに新しい発見を。
    ペットニュースストレージ編集部です。

    PNS編集部

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