2018.09.12

猫を多頭飼いする上で気をつけたいことは?

「一匹だと寂しそうだから…」と新たな猫を迎える飼い主さん。ちょっと待って。
気持ちはとてもわかりますが、猫たちはいったいどう思っているのでしょうか。
猫を多頭飼いするうえで、考えなければいけないことをピックアップしていきましょう。

猫は縄張り意識がとても強い

Sirirat Nanthaphan/shutterstock

猫たちがとても縄張り意識が強い動物だということは、みなさんご存知だと思います。そんな中いきなり自分の陣地に「新参者」がやってきたら、先住猫はどのように思い、どう行動するでしょうか。

これは先住猫の性格や性別や年齢にはあまり関係のないことです。どんな子でも「ストレス」を感じて、攻撃的になるか体調を崩すか、いずれにしてもよい結果にはなりません。

では多頭飼いは避けたほうがよいのでしょうか。

そう、猫はそもそも単独行動を好みます。自分の居場所で、何者にも脅かされることなく、ひとりでいるほうが幸せだと言えるかもしれません。

けれども、たとえば先住猫はいるけれど、保護猫をどうしても引き受けたい、ということもあるでしょう。

あるいは子どもが子猫を拾ってきてしまうかもしれません。いろいろなパターンで「多頭飼い」をせざるを得ない状況になってしまった場合、どうすればいいのでしょうか。

猫を対面させるときは

Dmitry_Tsvetkov/shutterstock

まずは先住猫の性格を考えてみてください。
新参猫がやってきたときの反応や行動を想像してみるのです。攻撃に出るか、逃げるか、もしくはただじっとしているか。

どんな感じになるかわからない、という人は「攻撃」「逃亡」「硬直」のパターンすべてを思い浮かべて、頭の中でシミュレーションしてみましょう。これをしばらく繰り返すと、実際の状況にたいして対応しやすくなります。

さて、それでは顔合わせといきましょう。

ですがあわてないでください。まずは新参猫をケージに入れて様子を見ることからはじめましょう。がっちり目を合わさないように、ケージには布などで目隠しを施してください。おたがいの気配だけを感じるくらいの距離感が大切です。

何日かして、なんとなく存在を感じとっているように思えれば、布などをはがしてケージ越しに対面させてみてください。あくまでも無理はさせずに(無理やり鼻を合わせるくらいに近づけることはやめましょう)、様子を見ます。

いろいろなアクションが見られると思いますが、手を出さずに見守るようにします。

また何日かすれば、だんだんおたがいに落ち着いてくるはずです。

先住猫が特に躊躇もなくケージまわりでくつろいだりするようになればしめたもの。そのタイミングで新参猫をケージから出してあげてください。ただし、まだケージは片づけないで。新参猫が自由に動くのを見つつ、同時に先住猫の行動も確認します。

ここで威嚇などのアクションがあれば、また新参猫をケージへ。何度でもそれを繰り返してみます。「離れている時間」と「接触する時間」を上手に組み立てていきましょう。

猫の多頭飼いの特徴は? ~仲よくなるか、無視するか~

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つまり慣れること、「馴化」させることが多頭飼いではいちばん必要なのです。

先ほど威嚇したらケージへ、と書きましたが、それは最初のうちだけでかまいません。その子の性格にもよりますが、威嚇したり、追い回したりすることもコミュニケーションの過程として捉えるほうがよいと思います。大事に至るようなけんかになるようであれば別ですが、基本的に飼い主はどっしりと構え、なりゆきを見守ることです。

いずれにしても馴化してくれば、猫たちは仲よくなるか、あるいは無視するかというふうに分かれます。

どちらでもいいのです。もちろんできれば仲よくなってほしい、というのが飼い主の偽らざる心境なのですが、おたがいに「この場所で生きていっていい」と決まれば、その確約がとれれば、まったくもってそれでいいのです。

猫の多頭飼いではトイレ・食事はどうするの? ~すべて個別に用意する~

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さて、もうひとつ大事なことは、トイレにせよ食器にせよすべて個別に用意してあげる必要がある、ということです。二匹ならば二匹ぶん必要です。「うちの猫たち」をひとからげにしないこと。それぞれ独立した存在なのだ、と飼い主が肝に銘じなければなりません。

トイレが複数ある、というのはなかなかスペース的に厳しいかもしれませんが、可能であればそうしましょう。しかしそれが難しい場合、とにかく清潔に保ち、こまめに掃除をすることです。大げさなようですが、トイレのことだけでなく部屋の掃除をしたり整理整頓したりするのは、猫たちの独立性と生命を尊重することにつながります。「環境を整える」のは飼い主の役目であり、愛情そのものなのですから。

多頭飼いのキーワードは「あせらずゆっくり」

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いずれにしても多頭飼いをするのでれば、飼い主側のじゅうぶんな準備と心がまえが必要です。

あまりにも猫どうしの相性が悪いと、最悪のパターンとしては新参猫を里子に…なんていうことにもなりかねません。そうならないためにまずは先住猫の気持ちを推し量る。どんな思いになるか、どういう行動に出るか、想像する。そして馴化させるためにはどうしたらいいかを、真剣に考えてみることです。

さらには、迎えたら「あせらずゆっくり」時間をかけて馴化させていく。ちょっとしたいざこざなら許容範囲、私がこの子たちを生涯育てるのだ、と決意をあらたにするのは、それはそれでなかなか尊い時間ではないでしょうか。