【プロドックトレーナー監修】「犬の気持ちを知る方法とは?仕草や表情別の気持ちを解説
2021.09.09 作成

【プロドックトレーナー監修】「犬の気持ち」を知る方法とは?行動や表情別の犬の心理を解説

ドッグトレーナー

小野洋平

小野洋平

愛犬の気持ちが分かったら、私たち飼い主はとてもうれしいですよね。もちろん犬は言葉をしゃべりませんが、仕草や態度などで、ちゃんと自分の感情を表してくれるのです。

もくじ

    犬は人間の気持ちがわかる

    【プロドックトレーナー監修】「犬の気持ちを知る方法とは?仕草や表情別の気持ちを解説 (JopsStock/shutterstock) 私たちは2~3歳の頃から言葉を使ったコミュニケーションを学び、母国語であれば意識しなくても使いこなすことができます。 一方、私たちのパートナーである犬たちは言葉を持たないかわりに“ボディランゲージ”と“におい”でコミュニケーションを取っています。 そしてボディランゲージとにおいの達人である犬たちは、人間が無意識にしている行動から、私たちの感情も瞬時に読み取ってくれます。 例えば「犬は犬好きな人がわかる」「犬を怖がりながら接すると、犬も不安になってしまう」などと言いますよね。 悲しいときに愛犬がそっと寄り添ってくれた、という経験をしたことがある飼い主さんも多いことでしょう。 これは、犬が瞬時に人間の感情を読み取れる生き物だからなのです。 今回は“ボディーランゲージ”に焦点を当ててみましょう。

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    犬の表情や仕草で気持ちを見分ける

    犬の表情や仕草で気持ちを見分ける (Al More/shutterstock) 犬たちは、「彼らの言葉=ボディランゲージ」で感情を表現し、コミュニケーションを取っています。 ボディランゲージとは、仕草や動き、表情など。それらをよく観察すれば、私たちにも犬たちの気持ちを知ることができるのです。 その中から、まずは細かい仕草や表情からわかる気持ちを学んでいきましょう。

    目で分かる犬の気持ち

    人間にとって目を合わせることは話を聞くときのマナーですが、動物にとっては敵意のあらわれ。そのため、ほとんどの動物が目を合わせるのを嫌がります。 しかし人間と長く暮らしてきた犬たちは、人間に合わせて“アイコンタクト”というコミュニケーション手段を獲得しました。 そのため、同じ行動でもアイコンタクト次第では、正反対の意味になることも。犬の気持ちを正しく読み取れるよう、注意しましょう。 <まっすぐ目を合わせる> 1)警戒・敵意 ひとつめの意味は「警戒・敵意」。よく知らない犬や人と目を合わせる場合は、相手を警戒しているケースが多いでしょう。唸り声をあげたりしていたら、完全に怒って威嚇しています。 2)親愛 ふたつめの意味は「親愛」。飼い主や親しい人と穏やかな表情で目を合わせるときは、愛情を伝えるアイコンタクトです。散歩やおやつなどをおねだりしていることもありますよ。 <目を合わせようとしない> 1)敵意はありませんよ ひとつめの意味は「敵意はありませんよ」。初対面の相手や目上の相手にあらわれる行動です。 2)気まずい・やりすごしたい ふたつめの意味は「気まずい・やりすごしたい」。これは人間もやりがちな行動ですから、わかりやすいですね。緊張をほぐす目的もあるようです。 3)冷静になろう 最後の意味は「冷静になろう」。嬉しくて興奮しているとき、自分自身を落ち着かせるために目をそらします。しっぽを振りながら目をそらしていたらこの意味でしょう。

    耳で分かる犬の気持ち

    <耳を後ろに寝かせる> 耳を後ろに寝かせて、両耳の間が広くなる「ヒコーキ耳」は、気分が良くリラックスしている証拠。目を細めていることも多いですね。ただし表情が強張っているときは敵意や緊張のサインなので注意しましょう。 <耳をピンと立てている> 何かに注意を向けたり興味を持ったときの仕草です。飼い主さんの気配を感じたときなどは明るい表情、危険を感じたときなどは緊張した表情になります。

    口で分かる犬の気持ち

    <口を軽く開ける・緩む> 口元が緩んで下の歯が見えているのは、穏やかな気持ちのあらわれ。テンションが上がっているときは人間のように口角が上がり、笑っているように見えますよ。 <口を固く閉じる> 興味のあるものが視界に入って集中しているときや、緊張・警戒といったネガティブな感情のときに口を閉じます。 <歯を剥き出しにする> 怒りや警戒心から相手を威嚇しているのが一目瞭然ですね。危険ですので、刺激しないようにしてください。

    尻尾で分かる犬の気持ち

    <しっぽをピンと立てている> 周囲を見渡すようにしていたら警戒しているサイン。他の犬がいる場合は、自分を大きく見せて強さをアピールしているのかもしれません。 <しっぽを水平にする> 一点を凝視したり、一つのことに集中したりしている場合が多いです。邪魔しないようにしましょう。人や犬に対している時は攻撃的になる場合があるので注意しましょう。 <しっぽを下げて、後ろ足の間に隠している> かなり強い不安や恐怖を感じています。「怖いよ」「怒らないで」という気持ちで、強い犬や怒っている飼い主への服従という意味合いにもなります。恐怖や不安からの服従ですのであまり好ましくありません。 <しっぽを振る> 「しっぽを振る=嬉しい」と思われていますが、実は高さや表情によって様々な意味合いになります。確かに言えるのは「興奮している」ということ。しっぽを振る速度が速いほど興奮度が高いでしょう。

    犬の行動で気持ちを読み取る

    犬の行動で気持ちを読み取る (fongleon356/shutterstock) 続いては、犬の大きな動きや姿勢などから読み取れる気持ちをご紹介しましょう。人間の感覚だと誤解しかねないものも多いので、ぜひ覚えてみてくださいね。

    人のそばでくつろぐ

    飼い主さんなどのそばに近付いてゆったりと寝そべったり、身体全体をゆるませてリラックスしたりしていたら、安心している証拠。その相手を信頼し、好意を持っています。

    人の匂いをクンクン嗅ぐ

    「あなたに興味があります」という意味。嗅覚が優れている犬にとって、匂いは重要な情報源。初対面の人であれば「どんな人なのかな?」、帰宅した飼い主さんであれば「どこに行ってきたのかな?」と、匂いから調べているのです。 見つめたり触ったりせずに、満足いくまでクンクンさせてあげましょう。

    撫でていた手にすり寄ってくる

    これはズバリ「もっと撫でて!」。犬を撫でる手を止めたとき、手にすり寄ってきたり前足でツンツンと体を触ったりしてきたら、催促しているサインです。 ぜひもっと撫でてあげてください。もし離れていったり身体を緊張させていたら「やめてほしい」というサイン。このときは無理強いせずに引きましょう。

    人の目の前におもちゃを持ってくる

    お気に入りのおもちゃを自慢している、のではなく、「一緒に遊ぼうよ!」と誘ってくれています。 このときにぜひ意識してほしいのが、「その犬はどんな遊びをしたいのか」ということ。同じおもちゃでも“引っ張りっこ”、“取ってこい”、“追いかけっこ”など、遊び方は様々です。ぜひその犬が好きな遊びを探って、仲を深めたいですね。

    叱られている時に大あくび

    人間なら不真面目だと思われてしまいそうな、この行動。あくびは眠いときに出るものですが、犬は自分や相手の緊張・ストレスを和らげたいときにもあくびをします。 人間で言うと眠たくないのにでてしまう生あくびに似ています。 叱られている自分の恐怖を和らげたいのはもちろんですが、「そんなに怒らないで」と飼い主さんに落ち着いてもらいたい気持ちのあらわれでもあります。いずれにしても不安を解消したいというシグナルであることに気付いてあげましょう。

    叱られているのにそっぽを向く

    「目で分かる犬の気持ち」でもお話ししたように、目を合わせないことで犬は敵意がないことや敬意を示します。叱られているときに目を合わせないのは、飼い主さんらプレッシャーを感じている証拠。 犬は自分や相手を落ち着かせる目的でも目をそらすので、「わかってるから、もう怒らないで」という気持ちのあらわれでもあります。

    トレーニング中に何度も身震い

    恐怖・不安・興奮などの強い感情からの緊張やストレスを感じたとき、犬は本能的に震えて気持ちを落ち着かせようとします。トレーニング中にこの様子が見られたら、トレーニングに飽きてしまった、イライラしている、というサイン。 少し休憩を入れてリフレッシュさせてあげるか、楽しくトレーニングを終わらせてから、 その日は切り上げたほうが良いでしょう。

    呼んだ後にゆっくり蛇行して近づいてくる

    飼い主さんが怒っていると、呼んでもまっすぐ来ないことがあります。このように身体の側面を見せながら歩くのも、目線を合わさないのと同じ「落ち着いて」という意味。 「おいで」に良い印象を持たせるためにも楽しく、元気に呼んで、足元まで来たら必ず褒めてあげてくださいね。 初対面の犬に対して「敵意はありませんよ」という意味で行うこともあります。

    伏せて鼻や口の周りをなめる

    散歩中などに他の犬が近付いてきたとき、伏せて口元をペロペロなめ始めたら「友達になろう!」というサイン。相手を落ち着かせて敵意がないことをアピールする行動で、フレンドリーな犬がよく行います。 人に対して行うこともあるので、そういう場合はぜひコミュニケーションを取ってもらいましょう。

    しつけや注意が必要な仕草

    しつけや注意が必要な仕草 (In Green/shutterstock) 犬の仕草の中には、しつけや注意が必要な危険性の高いサインもあります。気付いた場合はよく観察し、トレーニングを行うなど適切な対応を行いましょう。

    噛んだ部分をなめる

    イタズラを止めようとしたら噛まれてしまったけど、「ごめんね」という感じでなめてくれた。一見反省しているようですが、実は危険なサインです。 「落ち着こう」という意図なら良いのですが、優位性のアピールや「自分の邪魔をすると噛むぞ」という警告の可能性が高いです。基本的なトレーニングができているか、見直したほうが良いかもしれません。 【関連記事】 【プロドッグトレーナー監修】 犬を迎えたら。愛犬に教えるトレーニングと順番〜犬の大切なしつけ〜

    寝ている飼い主に身体をこすりつける

    犬が飼い主さんにスリスリ体をすりつけるのは愛情表現と思ってよいでしょう。

    しっぽを高く上げて小刻みに振っている

    「嬉しい」のサインと思われがちですが、「それ以上近付いてこないで!」という警戒・牽制のサインの場合が多いです。 「しっぽを振っているから喜んでいる」と勘違いして撫でようとしたら噛まれてしまった、というケースも。しっぽだけではなく表情や全身の緊張も見て判断しましょう。

    カーミングシグナルとは

    カーミングシグナルとは (Olga_bl777/shutterstock) 犬たちのボディランゲージの中でも、犬たちが不要な争いを避けるために使っている仕草や行動を「カーミングシグナル」と言います。 「Calming」は“落ち着かせる”、「Signal」は“信号”という意味。自分と相手の気持ちを落ち着かせ、敵意がないことを伝えることで無駄なケンカを減らそうという、犬たちの賢い知恵なのです。 このカーミングシグナルは、ノルウェーの動物学者であるテゥーリッド・ルーガス氏が提唱したもの。現在27種類に分類されており、2016年の検証実験で効果が確認されました。

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    一般的なカーミングシグナル

    一般的なカーミングシグナル (unjiko/shutterstock) 前述した「目をそらす」「あくびをする」という仕草もカーミングシグナルの一種。ここではその他のカーミングシグナルの中から、よく見られるものをご紹介します。

    伏せをする、座る

    「興奮しないで」「一旦落ち着こうよ」の意味。攻撃や逃走にすぐ移れない体勢になることで、争う気持ちがないことを示しています。遊びに夢中になっているとき、クールダウンするために行うことも。

    プレイバウ(頭を下げ、お尻を上げた体勢)

    「遊ぼうよ!」の意味。敵意がないことを伝え、一緒に遊ぼうと誘っています。

    身体や耳の後ろをかく

    緊張やストレスを強く感じているとき、それを和らげようとしています。嫌なことや苦手なことだけでなく、「嬉しい」「楽しい」といった興奮状態のときにも、気持ちを落ち着けるために行います。

    前足を浮かせる

    犬が急に前足を片方浮かせて止まっていることがあります。不思議なポーズですが、これもカーミングシグナルのひとつ。 緊張しているときや興奮しているとき、自分を落ち着かせるために行う仕草です。相手の気持ちを落ち着かせるために行うこともあります。

    犬の気持ちがわかるアプリ

    犬の気持ちがわかるアプリ (Yuttana Jaowattana/shutterstock) 2002年に発売され、大ヒットしたコミュニケーションツール「バウリンガル」は“犬語の翻訳機”として有名です。2010年からはアプリとしても提供されているので、気軽に試すことができます。 現在は「バウリンガル」以外にも、「犬の翻訳者」「犬の言葉翻訳シミュレータ」など数種類のアプリが開発・提供されています。 犬の鳴き声から気持ちを推測してくれるだけでなく、飼い主の気持ちを犬の鳴き声に翻訳してくれるアプリもあります。 残念ながらまだ翻訳の精度はあまり高くありませんが、愛犬との毎日のコミュニケーションの中に、遊び感覚で取り入れてみてはいかがでしょうか。

    著者・監修者

    小野洋平

    ドッグトレーナー

    小野洋平

    プロフィール詳細

    所属  ― 

    略歴 1979年 北海道室蘭市生まれ。
    1998年 音響の専門学校卒業。
    2000年 通信系のベンチャー企業で広告やウェブなどのデザインをする。
    2002年~2003年ドッグトレーニングを学ぶためカナダへ留学。
    当時カナダでドッグトレーナーとして活動していたYoko Emnesに師事。トレーニング施設で常時様々な犬種約30頭に日々囲まれ、世話やトレーニング理論・実施を学ぶ。
    Yoko Emnes k-9 boot camp for obediense & protection
    Obedience dog trainers course 修了。
    2003年 介助犬育成団体のNPOを創設。
    2003年 ドッグフード総輸入販売元、出張ドッグトレーナーとして活動開始。
    2004年 東京都内・千葉県浦安市を中心にペットショップやマンションのペット会、プロ向け一般向けなどいろいろなセミナーやしつけ教室などを開催。
    2004年 介助犬育成よりも一般の飼い主さんの犬への意識向上を目標に活動をしたいと思い家庭犬のトレーニングをメインに活動。
    2012年〜現在 出張ドッグトレーニングと預託トレーニングをメインとしたドッグトレーニング&ホテルinu-houseを設立。
    犬関連イベントを開くいたりなど犬と人の関係をより良いものにするため活動中。

    資格  ― 

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