【獣医師監修】猫の部分痙攣(ピクピク)は病気が原因?注意すべき様子と受診見極めのポイント
2026.03.25 作成

【獣医師監修】猫の部分痙攣(ピクピク)は病気が原因?注意すべき様子と受診見極めのポイント

獣医師

濵口 美香

濵口 美香

眠っている猫がピクピク動く「寝ピク」。「夢を見ているのかな」と微笑ましく感じつつも、病気だったらと不安になることもあるでしょう。今回は、愛猫がピクピクしているときに考えられる原因、眠っているとき以外のピクピクした動き、部分痙攣が見られるときの対処法などを解説します。

もくじ

    猫の体の一部がピクピクしている原因

    【獣医師監修】猫の部分痙攣(ピクピク)は病気が原因?注意すべき様子と受診見極めのポイント
    (Zhenny-zhenny/shutterstock)

    眠っている愛猫の手足が動いたり、背中がピクピクと動いたりしている原因として次のことが考えられます。

    夢をみている

    猫にもノンレム睡眠・レム睡眠のサイクルがあります。浅い眠りの際に夢を見て寝言を言ったり、ヒゲや耳がピクピクしたり、手足やしっぽが動いたりすることがありますが、ほとんどが数秒でおさまります。

    猫が起きたときに混乱している様子がなくいつも通りであれば、夢をみていたと考えてよいでしょう。

    痙攣ではないかと不安になり、確認のために寝ている猫を何度も起こすことはストレスになります。動画を撮影しながら、ピクピクしているときの前後の様子をよく確認します。かかりつけ医に動画を確認してもらっておくとより安心です。

    何か刺激がある

    音や匂いなどの刺激があると、眠っていても反応して耳やヒゲを動かすことがあります。ノミが寄生しているなど、皮膚への刺激で動く場合もあります。

    病気の可能性

    • 起きているときにもピクピクしている部分がある
    • ピクピクが30秒以上続く
    • 意識がはっきりしない様子がある

    といった場合は、病気の可能性もあります。

    起きているときの痙攣(ピクピク)がおさまると普段と変わらない様子に戻ることも多いです。ぐったりした様子がないからと、安易に受診を先延ばしにしないようにしましょう。

    愛猫のピクピクが問題ないものなのか、病気なのかは簡単に判断できません。動画を撮影してかかりつけ医に見てもらえるようにしておきましょう。

    もしかして痙攣(けいれん)!?ピクピクしているときに確認すること

    もしかして痙攣(けいれん)!?ピクピクしているときに確認すること
    (Africa Studio/shutterstock)

    痙攣には、全身にあらわれるものと部分的なものがあります。

    音や匂いなどの刺激があるときや、夢を見ているだけではなさそうな時にピクピクしている場合は、下記のポイントを参考にしてみてください。

    全身にあらわれるもの

    • 意識がはっきりしない、朦朧としている
    • 全身が震えている
    • 全身に力が入らない
    • 四肢がピーンと硬くなっている
    • 泳いでいるように四肢が動く
    • 動き回る
    • 口をくちゃくちゃしている、よだれが流れる、泡を吹く

    部分的にあらわれるもの

    • 一点を見つめる、眼振がある
    • 目を見開いている
    • まぶたがピクピクしている
    • 顔、身体の一部が震えている
    • 口をくちゃくちゃしている、よだれが流れる、泡を吹く
    • そわそわしている、よく鳴く、うなる
    • いつもと違う行動をする

    全身にあらわれるものはすぐに受診が必要ですが、部分的な痙攣と混ざって判断しにくいことがほとんどです。心配な場合は、動物病院を受診しましょう。

    受診のためにまとめておくポイント

    動物病院を受診する際にタイミングよく痙攣が起こることは少なく、かかりつけ医に様子を伝えることが難しかったり、見落としがあったりする可能性もあります。

    愛猫が痙攣しているときに、次の点を記録しておくと治療に役立ちます。

    • 動画を撮影する
    • 痙攣している時間を計測する
    • 痙攣がおさまったときの様子を記録する
    • 普段と同じ状態に戻るまでの時間を測定する
    • 痙攣が起きるまでの様子を思い出して記録する
    • 愛猫自身や環境に変化はなかったか確認する
    • 1日何回痙攣があったかを記録する
    • 痙攣が起きる間隔を記録する

    痙攣時(けいれんじ)には慌てて身体を動かさない

    痙攣時(けいれんじ)には慌てて身体を動かさない
    (Nastyaofly/shutterstock)

    愛猫が痙攣しているときに、落ち着かせようと抱きしめたり身体を揺らしたり、声をかけたりすることは、刺激を与えて悪化させることに繋がります。また、飼い主さんに噛みついたり、予測不能な動きをしたりもします。

    猫が落下しうる場所に居ないか、ぶつかるものがないかなどを確認しつつ、愛猫も飼い主さんも安全を確保しましょう。

    痙攣のほとんどは、数十秒~数分で落ち着きます。落ち着いてきたら受診しましょう。速やかな処置が必要な場合も多いため、事前に電話で痙攣の可能性があると連絡してから受診することをおすすめします。

    痙攣(けいれん)の原因として考えられること

    痙攣(けいれん)の原因として考えられること
    (Hananeko_Studio/shutterstock)

    脳に異常がある場合

    • 脳腫瘍
    • 脳炎
    • 脳の損傷
    • 脳の構造に問題がある

    などが考えられます。遺伝的な要因があることもあります。

    脳以外の病気

    【体の代謝異常】

    • 腎機能や肝機能が低下している
    • 低血糖
    • 脱水

    【感染症】

    • 猫伝染性腹膜炎(FIP)
    • 猫白血病ウイルス(FeLV)
    • 猫免疫不全ウイルス(FIV)
    • トキソプラズマなどの寄生虫
    • クリプトコッカスなどの真菌

    といったものが痙攣の原因となることもあります。

    中毒症状

    猫に有害なものを摂取し、中毒症状を起こした場合も痙攣の原因になります。

    人間用の風邪薬や植物など、猫にとって危険な物が家の中にはたくさんあります。直接口にせずとも、空間に漂っていたり、体に触れたりしたものを毛づくろいの際に摂取してしまう可能性もあります。

    愛猫の生活空間に置くもの、使用するものは、猫にとって有害になる可能性がないかを確認し選びましょう。

    知覚過敏症になっている可能性もある

    知覚過敏症になっている可能性もある
    (savitskaya iryna/shutterstock)

    皮膚が波を打つようにピクピクとしたり、その場所を気にして舐めたり噛んだりする、自分のしっぽを追いかけて自傷するといったときは、知覚過敏症の可能性もあります。

    • 皮膚トラブルでかゆみがある
    • 筋肉や神経に疾患がある
    • ストレスがある

    などさまざまな原因が考えられ、原因をひとつずつ丁寧に除外していきながら、効果のある方法を探していく必要があります。治療までに時間がかかることも多いですが、かかりつけ医とよく相談しながら細やかにケアしていきましょう。

    猫の痙攣はよく観察して受診を

    猫の痙攣はよく観察して受診を
    (Hananeko_Studio/shutterstock)

    日常生活で愛猫のことをじっくり観察していると、さまざまなことが気になってくると思います。どんなに些細なことでも、気軽に相談できる関係をかかりつけ医と築いていきましょう。

    診察室に入ると飼い主さんも緊張したり、診察台の上の愛猫の姿が気になったりして上手く会話ができないこともあるでしょう。痙攣の様子は伝えることが難しいため、動画の記録がとても役に立ちます。

    著者・監修者

    濵口 美香

    獣医師

    濵口 美香

    プロフィール詳細

    所属 猫の診療室モモ(東京都品川区) 勤務医

    略歴 1988年 鹿児島県に生まれる
    2007年 麻布大学獣医学部獣医学科入学
    2014年 獣医師国家資格取得
    2013年~2015年 千葉県の犬猫動物病院にて勤務
    2015年~2016年 ペット保険会社にて勤務。動物病院での診察業務・ペットショップの子犬子猫の往診・イベントでの健康相談業務・動物看護専門学校での講師を務める
    2016年~2017年 子育てに専念
    2018年~ 品川区の猫の診療室モモにて勤務

    資格 獣医師免許
    JSFM CATvocate認定プログラム修了

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