世界的に人気の高いビーグルは、スヌーピーのモデルとしても知られている犬種です。賢い上に体を動かすことが大好きなビーグルですが、だからこそ、思いがけない病気やケガに見舞われることもあるかもしれません。
ペットの万が一に備えるのであれば、愛犬に合ったペット保険への加入を検討してみましょう。そこで今回は、ビーグルの性格や特徴、備えておくべき病気やケガを紹介し、ペット保険の重要性や選び方について解説します。
もくじ
愛犬の健康を考えるのであれば、ペット保険への加入は前向きに検討すべきでしょう。なぜなら、犬の治療費には公的な健康保険制度がないため、自己負担となるからです。大きな病気やケガなどで手術をする場合には高額な治療費が必要になり、治療費が十分に準備できなければ、適切な処置を行えなくなる可能性もあります。
特に、ビーグルは中型犬に分類され、小型犬と比較すると医療費は1割ほど高くなる傾向にあります。
<1回あたりの平均通院費>
小型犬 | 1万3,180円 |
中型犬 | 1万4,856円 |
大型犬 | 1万6,826円 |
猫 | 1万2,402円 |
ペット保険に加入していれば、突発的なケガや病気の際も、治療費の支払いをカバーすることができるでしょう。
ただし、ペット保険は種類によって補償内容が異なるため、ペット保険への加入を検討する際は、ビーグルがなりやすい病気やケガを補償しているかを見極めることが大切です。
ビーグルに合ったペット保険を選ぶためには、犬種の特徴や体型、性格など基本的な知識を知っておくことが重要です。
ビーグルはイギリス生まれの犬種です。優れた嗅覚を持っており、狩猟犬として古くから活躍してきました。主にうさぎを狩る役割を果たしており、16世紀にはイングランド女王の狩猟パートナーとして抜擢された犬種でもあります。
現在でも、ビーグルはその優れた嗅覚を活かし、麻薬などの密輸を取り締まる検疫犬としても活躍しています。
体重は8〜14kg前後が標準的で、性別での体格差はあまりありません。狩猟犬として活躍していたこともあり、筋肉質でしっかりとした骨格が特徴です。
ビーグルは中型犬に分類されることが多いですが、体重によって犬種サイズが決まる保険の場合、小柄なビーグルの場合は小型犬に分類されることもあります。当社の場合、7.2kg超~19.8kgは「中型犬」の保険料になり、多くの場合、ビーグルの保険料も中型犬となります。
※犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で 決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合1歳時のおおよその体重で加入タイプが決まります。
ビーグルは優しい性格の持ち主で、穏やかな点が大きな魅力です。ほかの犬に対しても攻撃的にならず、フレンドリーなことが多いでしょう。また、好奇心が強く、人と関わったり遊んだりするのも大好きです。
一方で、寂しがり屋な一面もあります。そのため、長時間のお留守番などはストレスに感じることもあります。また、自我が強いところもあるため、子犬のうちからしっかりとしつけしておくことが大切です。
ビーグルと楽しく健やかな毎日を過ごすためには、ビーグルならではの飼い方のポイントを知っておくとよいでしょう。
ここでは、「どれくらい運動させたらよいのか」「どのようにしつけを行ったらよいのか」などを解説するとともに、体のケア方法も紹介します。
ビーグルは体力のある犬種であるため、ストレスが溜まると、破壊行為などの問題行動を起こす可能性があります。また、運動不足は肥満や病気の原因になってしまいます。十分な運動をさせることがストレス発散や肥満の解消につながります。
好奇心旺盛なため、外の刺激を与えることも大切です。散歩は1日2回、1回あたり30分程度を心がけましょう。
ビーグルは賢く穏やかな性格のため、しつけがしやすい犬種といえます。しかし、子犬の時期に社会性を身につけておかないと、問題行動につながる恐れがあります。
また、ビーグルは狩猟犬だったことから、鳴き声が大きく、よく通りやすい声質のため、ご近所トラブルを招くこともあります。刺激に反応して鳴くことが多いため、外が見えにくいような工夫をするなど、刺激を減らして鳴き声をコントロールできるように訓練することが大切です。
ビーグルは、毛が短いダブルコートのため、抜け毛が多いです。柔らかくマッサージ効果のあるラバーブラシや、「ファーミネーター」と呼ばれる大量の抜け毛を無理なく取れるブラシでのケアがおすすめ。ファーミネーターを使用する場合は、使用頻度は1週間に1度程度で十分です。
シャンプーは月に1回程度を目安に行いましょう。シャンプーのしすぎは乾燥や皮膚炎につながるため、適切な頻度はかかりつけの獣医師と相談しましょう。
ビーグルのチャームポイントでもある垂れ耳は、耳の中が蒸れやすく、細菌が増殖しやすいとされています。定期的にコットンなどで汚れを優しく拭き取りましょう。耳かきや綿棒での耳掃除は耳を傷つけてしまうことがあるので控えてください。
ビーグルを飼う際は、あらかじめかかりやすい病気やケガを把握し、リスクに備えておくことが大切です。ここでは、「成犬の頃」と「子犬の頃」それぞれの時期に注意したい病気やケガを6つ紹介します。
ビーグルは生まれて約1年で成犬になります。成犬の頃は、特に以下の病気に注意が必要です。
ここでは、それぞれの概要や症状を解説します。
椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にありクッションのような役割を果たしている「椎間板」という部分が神経(脊髄)を圧迫することで、下半身麻痺などさまざまな症状を引き起こす病気です。原因はさまざまですが、肥満による体重増加によって、 背骨の負担が大きくなることも原因の一つです。
軽い症状から順に、以下のような様子が見られます。
軽度の場合は内服薬や鎮痛薬を投与して様子を見ますが、症状が重い場合は手術をすることもあります。気になる症状が見られる場合は早めに動物病院を受診しましょう。
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皮膚炎はその名の通り、皮膚に炎症が起きる病気です。原因はさまざまで、アレルギーやアトピー性、細菌・真菌(カビ)の感染、内分泌疾患などが挙げられます。
皮膚炎の原因はさまざまであるため、治療方法も多岐にわたります。例えば、抗生物質や抗真菌剤の投与、薬用シャンプーの使用、食事療法などが挙げられます。命に関わるものではないとされていますが、場合によっては何度も再発してしまうため予防が大切です。
腫瘍やしこりは、細胞が何らかの原因で異常増殖することによってできるものです。腫瘍には良性と悪性があり、他の組織に害を及ぼさないものが良性、ガンなどのように他の組織にも害を及ぼすものを悪性としています。
特に注意すべきなのが、ガンなどの悪性腫瘍です。悪化すると命に関わるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。日頃からスキンシップを欠かさず行い、口の中や皮膚などにしこりがないかをチェックし、違和感を覚えた場合には見た目だけで判断せず、早めに動物病院を受診しましょう。
生後1年前後までの子犬のビーグルによく見られるのは以下の病気やケガです。
● 下痢、嘔吐、軟便
● 外耳炎(がいじえん)
● 異物誤飲
ここでは、それぞれの病気やケガについて詳しく解説します。
子犬の頃は、食べ過ぎやストレス、ウイルス感染など、さまざまな要因で下痢や嘔吐、軟便を引き起こすことが多いものです。
ただし、フードを変更した、食べ過ぎたなど明確な理由が分かる場合は問題ないですが、子犬期は体調が急変しやすいため、気になる症状があれば早急に動物病院を受診することをおすすめします。例えば、人用の薬や中毒性のあるものを誤飲してしまった場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
また、子犬は免疫力が弱く、パルボウイルスや犬ジステンバーなどのウイルスに感染しやすいとされています。このようなウイルスが体内に侵入すると、下痢が続いたり血便が出たりすることがあるため注意が必要です。
ビーグルのような垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすく、外耳炎を起こしやすい傾向があります。外耳炎には急激に進行する急性外耳炎と、徐々に症状が進行する慢性外耳炎の2種類に分けられます。
急性外耳炎の場合は、耳たぶにあたる耳介から鼓膜までの間が赤く腫れることが特徴です。慢性外耳炎では耳介が厚くなり色素が沈着して黒っぽくなり、外耳道が狭くなります。
外耳炎の原因はさまざまですが、間違ったケアや蒸れなどが原因で何度も繰り返してしまうことも少なくありません。
ビーグルのように好奇心旺盛で嗅覚が優れている犬種の場合は、何でも口に入れて誤って飲み込んでしまうことがあります。チョコレートや玉ねぎ、電池などの貴金属、薬品などを誤飲してしまうと、中毒症状の恐れがあり、異物が大きいと腸閉塞を起こす可能性もあります。
誤って食べてしまいそうな物は、犬の届かない場所にしまうようにしてください。また、壊して食べてしまいそうなおもちゃを選ばないようにすることも大切です。小さな物であれば自然に体外へ排出されることもありますが、異物誤飲をしたと思ったら、まずはかかりつけの動物病院に相談しましょう。
ビーグルの飼い主さんにとって、万が一ビーグルが病気やケガをした際にどのような治療が行われるのか、いくらくらいの治療費がかかるのかといった点は気になるところでしょう。
ここでは、実際にあった上記のビーグルの治療事例や治療費を紹介します。
年齢:8歳
性別:男の子
治療内容:椎間板ヘルニアのため、手術を伴い6日間の入院治療を行いました。血液検査、レントゲン検査、CT検査、超音波検査、投薬、麻酔、内服薬など
入院6日間、手術1回
治療総額 | 36万1,136円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 23万1,795円 |
自己負担額 | 12万9,341円 |