【獣医師監修】猫の鼻水やくしゃみは花粉症?チェックすべき症状、時期、対策などを解説
2022.04.14 作成

【獣医師監修】猫の鼻水やくしゃみは花粉症?チェックすべき症状、時期、対策などを解説

獣医師

藤野正義

藤野正義

春や秋の花粉が多い時期に、鼻水やくしゃみで悩まれている飼い主さんも多いのではないでしょうか。同じ時期に愛猫にも、くしゃみ、鼻水、目のかゆみや目ヤニなどの症状が出ると「これは花粉症なのかも…」と気になる方も多いはず。今回は、猫の花粉症の症状、対策について説明していきます。

もくじ

    猫の花粉症の症状

    【獣医師監修】猫の鼻水やくしゃみは花粉症?チェックすべき症状、時期、対策などを解説
    (Koldunov Alexey/shutterstock)

    花粉症は花粉に対するアレルギー症状です。人の場合、スギやヒノキ、イネ科の植物が主な原因となり、春や秋など決まった季節にくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出ます。

    猫の花粉症も同じような症状が出ることもありますが、皮膚の痒みや赤み、脱毛といったいわゆるアレルギー性皮膚炎の症状が出ることのほうが多いです。

    また、咳が出るなど猫喘息の症状や、下痢嘔吐といった消化器症状が出ることもあります。

    これらの症状が見られたら、かかりつけの動物病院に相談しましょう。

    猫の花粉症の対策は?

    猫の花粉症の対策は?
    (Mark_KA/shutterstock)

    毎年、愛猫に同じ時期に症状が出る場合は、花粉症かもしれません。ご自宅でできる対策を紹介します。

    アレルゲンとなる花粉の時期を把握する

    猫に花粉症の症状が現れる時期と、花粉が飛散する時期を把握することにより、花粉症の対策が立てやすくなります。

    花粉症の時期

    • スギ花粉:2~4月
    • ヒノキ花粉:3~5月
    • イネ科の花粉:5~10月
    • ブタクサやヨモギ:8~11月

    花粉を室内に持ち込まない

    飼い主さんも花粉がつきにくい素材の服を着用するようにし、帰宅をした際には玄関の外で花粉を落とすなど、室内に花粉を持ち込まないような工夫をしてあげましょう。できるだけ窓を開けない、猫を外に出さないといったことも大切です。

    空気清浄機を使用する

    どんなに室内に花粉を持ち込まないよう注意しても、換気などにより花粉が室内に入ってくることもあります。空気清浄機を利用して、室内に飛散している花粉を減らすようにしましょう。

    室内をこまめに清掃する

    空気清浄機だけでは床に落ちた花粉を除去することはできません。床に落ちた花粉を除去するためにはこまめに掃除機をかけるようにしましょう。

    果物や野菜を与えない

    花粉と果物や野菜のアレルゲンタンパク構造が似ている部位があり、特定の果物や野菜を食べると花粉症と同じ症状が出ることがあります。これを交差反応といいます。

    交差反応の例は次のとおりです。該当の花粉症の症状があれば、これらの食べ物には気をつけましょう。

    • スギ、ヒノキ:トマト
    • イネ科:メロン、スイカ、トマト、じゃがいも、キウイ、オレンジ、ピーナッツなど
    • ブタクサ:メロン、スイカ、キュウリ、バナナなど
    • ヨモギ:セロリ、にんじん、マンゴーなど
    • カバノキ:りんご、梨、桃、プラム、アーモンド、セロリ、にんじん、じゃがいも、キウイ、マンゴーなど

    花粉症以外で鼻水、くしゃみ、目ヤニが起きる病気は?

    花粉症以外で鼻水、くしゃみ、目ヤニが起きる病気は?
    (Yekatseryna Netuk/shutterstock)

    花粉症以外にも、鼻水やくしゃみ、目ヤニが出る病気があります。「きっと花粉症だろう」と判断せず、動物病院へ相談することをおすすめします。

    猫風邪(上部気道感染症)

    主に猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスが原因となります。免疫力の弱い子猫、ワクチン接種を受けていない猫、基礎疾患を持つ猫が発症しやすいです。

    くしゃみや鼻水が主な症状ですが、結膜炎や口内炎を引き起こすことがあり、子猫では重症化しやすいため注意が必要です。ワクチンで予防ができるため、毎年のワクチン接種を心がけましょう。

    猫クラミジア感染症

    クラミジアという微生物に感染することで、くしゃみや鼻水、結膜炎などがみられます。結膜炎による目の充血や腫れ、ねばねばした目ヤニが出るのも特徴です。

    感染力が強いため、特に多頭飼いのおうちでは感染が広がってしまう可能性があります。こちらも、ワクチンで感染を予防することが可能です。

    クリプトコッカス症

    真菌(カビの一種)によって引き起こされる感染症で、感染する場所により症状が変わります。呼吸器に感染すると鼻水・くしゃみ・肺炎などの症状が見られます。

    ハトなど鳥類の糞便や土壌が感染源となり、菌を吸い込むことで感染するほか、鼻の常在菌として存在していることもあります。抵抗力のある個体ではあまり発症しませんが、免疫力が低下している場合は発症することがあります。外に出ないようすることで感染リスクを減らすことができます。

    猫だけでなく、人や犬にも感染するので、注意が必要です。

    鼻腔内腫瘍、ポリープ

    鼻腔内に腫瘍やポリープができると、鼻水が出たり、鼻から出血がみられたり、顔が腫れたりすることがあります。

    歯周病

    歯垢の中の細菌が原因となって起こる炎症で、歯肉だけではなく、歯や歯の周囲にある靭帯、歯を支える骨にも起こります。歯周病の症状が進行すると、歯を支える骨が溶けていき、最終的に鼻まで繋がる管ができます。

    口から入った雑菌が、その管を通って鼻に入り刺激されることで、鼻水、くしゃみがでるようになります。

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    猫の花粉症の検査はあるの?治療法は?

    猫の花粉症の検査はあるの?治療法は?
    (SingingMedia/shutterstock)

    検査方法

    血液検査

    以前は犬の血液アレルギー検査しか行えませんでしたが、近年猫の血液アレルギー検査も行えるようになりました。調べられるアレルゲンの中に、花粉も数種類含まれています。

    しかし、アレルギー検査の精度は100%ではないため注意が必要です。あくまでもアレルギーを診断する上での補助的な検査になりますので、獣医師と相談の上で検査するかを決めましょう。

    治療法

    薬物療法

    花粉症の人の一般的な治療法として抗ヒスタミン剤を使用するのと同様に、猫においても抗ヒスタミン治療は有効です。

    しかし、抗ヒスタミン剤だけでは皮膚のかゆみが抑えられないこともあり、皮膚をかき壊したり舐め壊したりしてしまっている場合、ステロイドや免疫抑制剤が使われることもあります。

    また、その場合は皮膚を舐めさせないためにエリザベスカラーや防護服なども有効です。

    減感作療法(げんかんさりょうほう)

    人の花粉症の治療の一つに、減感作療法があります。減感作療法とは、アレルギー症状を起こす物質(花粉など)を、低濃度から少しずつ注射することにより、抵抗力をつけ症状を出にくくします。

    まとめ

    猫の花粉症について解説しました。くしゃみや鼻水といった症状は花粉症以外の病気でも起こります、気になる症状が出たら、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。

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    著者・監修者

    藤野正義

    獣医師

    藤野正義

    プロフィール詳細

    所属 アステール動物病院

    日本獣医皮膚科学会

    略歴 1986年 石川県金沢市に生まれる
    2006年 酪農学園大学獣医学部獣医学科に入学
    2012年 獣医師国家資格取得
    2012年~2018年 神奈川県内動物病院に勤務
    2018年~2019年 埼玉県内動物病院に勤務
    2019年〜 アステール動物病院に勤務

    資格 獣医師免許

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