【獣医師監修】猫がよだれを垂らすのは病気のサイン?知っておきたい口腔ケア
2022.02.21 作成

【獣医師監修】猫がよだれを垂らすのは病気のサイン?知っておきたい口腔ケア

獣医師

手塚光

手塚光

猫がよだれを垂らすのはどんな時だと思いますか。美味しいごはんを見たとき、お腹が空いているときでしょうか。猫のよだれの原因は病気のサインかもしれません。今回は猫がよだれを垂らす原因や予防について解説していきます。

もくじ

    猫がよだれを垂らす原因は?

    【獣医師監修】猫がよだれを垂らすのは病気のサイン?知っておきたい口腔ケア
    (Ling_Chen /shutterstock)

    犬の場合、空腹でご飯を目にするとよだれを垂らすことがありますが、猫がよだれを垂らすことはほとんどありません。

    猫がよだれを垂らしているときは、病気が隠れている可能性があります。

    • 常によだれを垂らしていて口臭がある
    • ご飯を食べるときに頭を傾けながら食べる

    といった様子が見られる場合は、口の中をチェックしてみましょう。自宅で口の中を見ることが難しい場合は、動物病院で口の状態を確認してもらってください。

    よだれの原因となる病気は?

    よだれの原因となる病気は?
    (mojahata /shutterstock)

    歯周病・口内炎

    よだれの原因として第一に考えられるのは、歯周病や口内炎などの口のトラブルです。年齢を重ねるにつれて歯石が付着し、そこに含まれる細菌が炎症を引き起こします。歯周病や口内炎の大部分はこれが原因です。

    歯周病や口内炎の症状

    歯周病や口内炎の初期症状は、口の中が赤くなる程度。進行すると物が食べにくくなり、痛みで食欲が落ちて痩せてきます。

    口腔内のトラブルが全身に影響することもある

    歯周病や口内炎、口の中だけの問題ではありません。歯石などに含まれる細菌や、細菌が出す毒素、炎症物質が歯肉の血管に入り込んだりすることで、全身にまわります。すると、さまざまな臓器に悪影響を及ぼします。

    人の場合は、歯周病が糖尿病や肥満、心疾患や脳梗塞に関与するといわれています。猫の場合も同じように考えられているため、口のトラブルは早期発見、早期治療を心がけましょう。

    若い猫でも注意が必要

    実は高齢猫だけではなく、若い猫でも歯肉炎がみられる場合があります。これを若年性歯周病といいます。

    6~9ヶ月齢時に発症することが多く、無治療で改善する場合もあります。しかし、改善がない場合には早期に治療を開始しましょう。

    免疫力の低下や内臓疾患

    免疫力の低下や内臓疾患なども、口のトラブルの原因となります。免疫力が下がる原因は、猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫カゼなど。内臓疾患では、腎機能の低下があげられます。

    腎機能が低下すると体に毒素が溜まり、口内炎や舌に潰瘍ができて痛みや気持ち悪さが生じ、臭いのきついよだれを垂らします。

    猫のよだれは予防できるの?

    猫のよだれは予防できるの?
    (Nils Jacobi /shutterstock)

    歯周病や歯肉炎の原因は、溜まった歯石です。口の中を清潔に保ち、これらの病気を予防するようにしましょう。予防方法は人と同じく、歯をきれいにブラッシングすることです。子猫の頃から歯のブラッシングに慣れさせておくようにしましょう。

    成猫でもブッラッシングはできるの?

    口を触ることに慣れていない成猫の場合、歯のブラッシングはかなり難しいです。いきなりブラッシングを始めず、口の周りを触ることから始めていきましょう。

    口の周りを触ることに慣れたら、次は歯を触っていき、徐々に歯ブラシを口に入れるようにしていきます。すぐに慣れることは難しいため、週単位、月単位で根気よく続けていくことが大切です。

    トレーニングをしてもブラッシングできない場合もある

    猫によっては、口の周りを触ると噛みつくなど、トレーニングが上手くいかない場合があります。

    猫の牙は非常に鋭く、噛む力も強いため大怪我をする可能性があります。猫が嫌がったり、怒ったりするようであれば、絶対に無理をしないでください。

    歯石がついている場合は先にとる

    歯石がついていると、ブラッシングの効果は極めて低いです。ブラッシングの目的は口の中を清潔に保ち、歯石の沈着を防ぐこと。ブラッシングでは歯石を取ることはできません。

    まずは歯石がついていないかどうか、動物病院で口の状態を確認してもらいましょう。歯石がついている場合には歯石を取ってからブラッシングを始めてください。

    治療はどうすればいいの?

    治療はどうすればいいの?
    (Mary Swift /shutterstock)

    猫の口内炎・歯周病の治療方法

    歯石

    口のトラブルの場合は、口の中の環境を整えるための治療をします。歯石が原因であれば全身麻酔をかけて歯石を除去します。

    炎症

    口の中の炎症はステロイドや抗生物質を投与します。ただし、ステロイドや抗生物質の投与は一時的な改善であり、歯石が溜まっている場合は、飲み薬や注射では根本的な解決になりません。

    また、残念ながら歯石の除去をして口をきれいにしても口内炎や歯肉炎が根治するとは限りません。口の中をきれいにしても改善がなく、痛みも強い場合には歯を抜く処置が必要になることもあります。

    内臓疾患の場合

    腎臓が悪く、それが原因で口内炎が起こっている場合には改善することは非常に難しいです。このような場合は完治が難しいため、緩和治療が主になります。

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    著者・監修者

    手塚光

    獣医師

    手塚光

    プロフィール詳細

    所属 名古屋夜間動物救急センター

    日本獣医麻酔外科学会
    日本獣医がん学会

    略歴 1983年 新潟県に生まれる
    2005年 酪農学園大学獣医学部獣医学科に入学
    2011年 獣医師国家資格取得
    2011年 愛知県の動物病院に勤務
    2015年 愛知県のワシヅカ獣医科瑞穂病院に勤務
    2015年 酪農学園大学附属動物病院に勤務
    2017年 愛知県のワシヅカ獣医科瑞穂病院に勤務
    2017年 名古屋動物救急センターに勤務

    資格 獣医師免許
    RECOVERインストラクター

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