猫の便秘解消方法とは?放置すると危険な理由
2021.09.09 作成

猫の便秘解消方法とは?放置すると危険な理由

PNS編集部

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困ったことに、猫にも便秘というものがあります。そもそも便秘はあまり身体によろしくないもの。この記事では、猫の便秘解消法と便秘を放置すると危険な理由について解説します。愛猫がそのような状態になったら、しっかりケアをしてあげましょう。

もくじ

    猫は便秘になりやすい!?その症状とは?

    猫の便秘解消方法とは?放置すると危険な理由(galsand/shutterstock)

    猫が食べたものが、どのように消化され、うんちになるかをおさらいしておきましょう。

    食べものは「食道」を通り、「胃」に到達します。そこで消化され、ドロドロ状態に。さらに「十二指腸」でも消化、分解されていきます。

    さらに「小腸」で栄養が吸収され、残りかすは「大腸」へ。水分が吸収され、うんちになり、排泄されます。

    この一連の動きがスムーズであればよいのですが、何らかの影響で便秘になってしまうことがあります。

    便秘は、大腸で水分が吸収され、そこにあるうんちがカチカチに硬くなってしまう事で起こります。2~3日猫の便通がなければ、それはもう完全な便秘といえるでしょう。

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    猫の便秘チェック

    猫の便秘チェック( NANCY AYUMI KUNIHIRO/shutterstock)

    人間の場合、1日くらい、うんちが出ていなくても便秘とは言いません。逆に毎日出ていてもお腹に便がたまっている「かくれ便秘」の場合もあります。

    猫が便秘になっているかどうかを判断する目安には、どのようなものがあるのでしょうか。以下に当てはまるようであれば、便秘になっている可能性があります。

    • 丸2日以上、排便していない
    • うんちが硬くてコロコロしている
    • うんちが少量で、絞り出したような細長い形
    • 排便しようとしているのに出ない、苦しそうにしている
    • いつもより排便しようと力んでいる時間が長い
    • 頻繁にトイレに行っているのにうんちが出ていない
    • お腹(特に下腹部)が膨らんでいる、触られるのを嫌がる

    猫が便秘になる原因とは

    猫が便秘になる原因とは(alenka2194/shutterstock)

    では、猫の便秘にはどのような原因があるのでしょうか。

    水分不足

    まずは水分不足が考えられます。そもそも猫は、あまり多量に水を飲まない動物とされているので、うんちが硬くなりやすいのは間違いありません。

    猫が飲み込んだ毛玉

    さらに、毛づくろいの際に飲み込む毛玉も、便秘に拍車をかけています。長毛種のほうが毛玉を飲み込む量は多くなりますので、比較的便秘になりやすいと言えるでしょう。

    ストレス

    そして無視できないのがストレスです。最近何か変わったことはありませんでしたか? たとえば引っ越し。部屋の模様替えなども、猫にとってはストレスとなります。

    加齢による運動不足

    加齢に伴う便秘も考えられます。高齢な猫は、どうしても運動量が減少しますので、便秘になりやすくなってしまいます。

    シニアでなくても、運動不足によって排泄に必要な筋力が弱くなったり、腸の動きが鈍ったりしてしまい、便秘を引き起こすことはあります。

    普段と違う物を食べた

    最近フードを変更したという場合は、それが便秘の原因かもしれません。完全に切り替えてなくても、普段は食べていないおやつを食べたりしませんでしたか?

    薬の副作用

    服薬中の場合は、薬の副作用という可能性もありますね。薬の中には、一時的に排泄サイクルに影響を及ぼすものもあります。もし心当たりがあるときは、かかりつけ病院に相談してみましょう。

    猫の便秘を放置するリスク

    猫の便秘を放置するリスク(alexandre zveige/shutterstock)

    便秘が慢性化すると、食欲が落ちて体重が減少してくる、嘔吐する、などの症状があらわれてくることがあります。

    こんな状態であれば必ず獣医師に相談してください。放置してしまった場合は危険なことになりかねません。「巨大結腸症」という病気になってしまうリスクがあるのです。

    「巨大結腸症」はあまりにもひどい便秘を起こしている猫に見られます。便秘を繰り返しているうちに、どんどんうんちが溜まり、名前の通りに結腸(大腸の一部)が巨大化していくというものです。

    時間が経てば経つほど、溜まったうんちは水分を奪われ、硬くなります。腸の蠕動(ぜんどう)運動も弱くなり、さらに苦しい便秘を繰り返してしまいます。

    2~3日間うんちが出ない場合や、嘔吐などの症状が見られる場合は、早めに受診しましょう。また何度も繰り返しているようであれば獣医師に相談することをおすすめします。

    原因別愛猫の便秘の対処方法

    原因別愛猫の便秘の対処方法(New Africa/shutterstock)

    水分不足の場合

    飲み水はいつも清潔で新鮮なものを用意してあげてください。少なくとも1日に2~3回は変えましょう。

    食事の時はタイミングをみてごはんを食べ終わるころに、そっと横に飲み水を用意してあげるのもおすすめです。最初からおいてあると食べかすなどが入って鮮度が落ちてしまうことも考えられます。

    食べ終わりに合わせて用意することで、猫が「特別に用意された新鮮な水」という認識を持ってくれるかもしれません。

    毛玉が原因の場合

    飲み込んだ毛玉が便秘を引き起すこともあります。「毛玉対策」系のフードを試してみるのもよいでしょう。これは上手に毛玉を吐かせるためのフードで、食物繊維が豊富です。

    かなり重度の便秘状態では逆効果になり得ますので、愛猫の状態をよく観察してから与えてください。

    「猫草」で毛玉を吐き出させる方法が紹介されることもありますが、逆に摂取することで胃腸障害を起こす場合もあるため、独断で与えるのは避けるようにしましょう。

    ストレスが原因の場合

    猫はよく「人ではなく、家につく」と言われていますが、それくらい環境の変化には敏感な動物です。

    特にトイレの環境は大切です。多頭飼いであれば、かならず頭数分のトイレを用意しましょう。さらに、サイズは適切か、砂は適量か、置く場所もちゃんと考えられているかを見直してください。

    キーワードは「猫が落ち着く」です。猫に対して、その部分をきちんと考えて、人の出入りが多いところや、絶えず物音がする場所などにトイレを置かないことを心がけましょう。

    加齢が原因の場合

    加齢に伴う便秘においては、実は飼い主さんの愛情たっぷりな「お腹マッサージ」が効くという話もあります。お腹を優しく撫でるようにしてあげるだけで、愛猫も安心感が生まれます。

    スキンシップとちょっとした刺激がよい効果をもたらすのでしょう。ツボ刺激などを勉強して、マッサージに取り入れるのもよさそうです。

    ただし、これは軽い便秘の場合で、お腹が張っている状態では痛みを伴うこともありますのでご注意を。

    無理しない程度での運動、こまめな水分補給も大切です。今は「補水ゼリー」という便利なものもあるので、試してみるのもよいでしょう。一緒に遊んであげたりして、運動も促してあげてくださいね。

    食生活の変化が原因の場合

    心当たりがある場合は、便秘になる前の食生活に戻して様子を見てください。改善しない場合は他の原因を考えてみたほうが良いでしょう。

    薬の副作用が原因の場合

    「薬の副作用では?」と思った時は、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。元々の治療に支障が出る可能性がありますから、自分の判断で服薬を中断することは絶対にやめてください。

    その他の対処方法

    その他の便秘の対処方法(Patrycja Mejer/shutterstock)

    食事の改善

    期間限定でもよいので、ドライフードをウエットフードに変えてみましょう。フードに水分が含まれているので、便秘解消の効果が期待できます。

    またフードにオリーブオイルなどの良質な油分を加えると便秘の解消によい場合があるので、獣医師に相談してみてください。

    可溶性繊維などが配合された便秘対策用の療法食を与えるのも、効果があったという声が多いです。療法食は動物病院で購入できますので、気になる方は獣医師に相談して試してみてはいかがでしょうか。

    サプリの服用

    ペット用のサプリメントを活用するのも方法のひとつ。乳酸菌やオリゴ糖は胃腸の働きを良くする効果があるので、便秘解消に良いと言われています。ただし人間用のサプリを与えることは絶対にNGです。ペット用のサプリを用量を守って与えてください。

    お腹のマッサージ

    「便秘かも?」と思ったとき、自宅ですぐにできるのがマッサージ。愛猫のお腹の調子が気になったときは、ぜひ実践してみてください。予防として日課にするのもおすすめです。

    ≪猫のお腹マッサージのやり方≫
    1) 猫がくつろいでいるときに頭などを撫でて、リラックス。

    嫌がるようなら無理に続けず、猫のタイミングに合わせましょう。

    2) リラックスモードになったら、優しく脇腹を揉んで腸を刺激する。

    • お腹の辺りを全体的に揉むのがポイントです。
    • 仰向けで抱っこできるようなら、指先で猫のお腹に「の」の字を描くように、優しく撫でてあげましょう。

    どのマッサージも「優しく」が鉄則!力を入れてしまうと猫が嫌がってしまいますよ。

    愛猫が便秘の時にやってはいけないこと

    愛猫が便秘の時にやってはいけないこと(Pattrawut S_/shutterstock)

    愛猫が便秘で苦しそうにしたりしても絶対にやってはいけないのは、人間用の便秘薬や浣腸を自己判断で与えること。重度の脱水症状を起こしたり、腸が破れて死亡したりする可能性もあります。

    赤ちゃん用の浣腸であっても命の危険がありますので、絶対に使用しないでください。

    また、綿棒や水などで浣腸をするのも危険です。直腸を傷つけてしまったり、体温が急激に変化したりする場合があります。

    浣腸は即効性のある便秘解消法ですが、自宅ではなく必ず動物病院で処置をしてもらい、獣医師の指導に従うようにしてください。

    動物病院での便秘の治療方法

    動物病院での便秘の治療方法(Uryupina Nadezhda/shutterstock)

    動物病院での治療方法としては、内科的治療と外科的治療があります。

    内科的治療

    内科的治療としては、浣腸や緩下薬(かんげやく)の投与などを行います。獣医師が「摘便(猫の肛門から便を掻き出す治療)」を行う場合もあります。

    外科的治療

    外科的治療は手術です。便秘で延びてしまった腸を切除し、縫い詰めていきます。

    いずれにしても猫にとってはかなり負担がかかることになりますし、麻酔等のリスクもあります。便秘に関しては予防がとても大事です。

    病院での治療にかかる費用

    ・内科的治療の場合の費用
    内科的治療の場合にかかる費用は、まず浣腸や摘便といった処置で1,000~2,000円ほど。大抵の場合は血液検査、点滴や注射の処置、内服薬などの費用が加わりますので、合計で5,000~1万円程度かかることが多いようです。

    さらに詳しい検査や麻酔などが必要になった場合は、1~2万円程度かかることも。

    ・外科的治療の場合の費用
    外科的治療の場合、腸切除・吻合の手術自体は50,000円~75,000円ほどになります。入院代や麻酔代などが加わると、合計で7~15万程度が必要になります。

    どちらの場合も病院によって料金は異なりますので、あくまでも上記の金額は目安としてください。

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    愛猫が病気になった時のために保険加入がおすすめ

    愛猫が病気になった時のために保険加入がおすすめ(Zhuravlev Andrey/shutterstock)

    愛猫の健康に気を遣っていても、病気やケガで治療費が必要になるのは自然なこと。動物病院は全額自己負担のため、治療の内容によっては高額になってしまうケースもあります。

    ペット保険に加入していれば、万が一の時も金銭的な負担が軽減されるので、安心して愛猫のケアや治療に集中できるでしょう。

    ペット保険の選び方のポイント

    ペット保険にはたくさんの種類があり、保険商品によって補償内容は大きく異なります。「どれも同じようだから、保険料が安いものにしよう」と判断せず、補償内容をよく理解した上で選ぶようにしましょう。

    • その犬種・猫種が発症しやすい病気やケガが補償されるか
    • 金銭的に負担の大きい高額な治療費に対応できているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数の上限が十分か
    • 終身で更新が可能か
    • 更新時に条件変更がないか など

    親身に対応してもらえるかなどもチェックしておくと安心です。

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    *出典:2019年10月 Vet’sEye調べ
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    22D024-220804

    便秘にさせない生活を!

    猫を便秘にさせない生活を!(Zoran Photographer/shutterstock)

    猫の便秘はとにかく放置しないこと。まずはそれがいちばん大切なことです。原因に覚えがあれば、かならずそれを取り除いてあげてください。

    毎日愛猫のうんちチェックをすることも便秘予防の一環になります。小さくコロコロしたうんちの場合は、便秘認定をして早急に対策をとりましょう。

    便秘にさせない生活は飼い主さんが考えることです。猫とのよりよい毎日を過ごすために、ぜひサポートしてあげてください。

    著者・監修者

    PNS編集部

    ペットライフに新しい発見を。
    ペットニュースストレージ編集部です。

    PNS編集部

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