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2018.12.07

【獣医師監修】 なぜ犬は「ぶどう」を食べてはいけないのか 〜ぶどうが引き起こす症状と量〜

獣医師

堀江志麻

堀江志麻

犬に与えてはいけないフルーツの代表といえば「ぶどう」。今では犬の飼い主さまの8割から9割に認識されている事実です。 秋はフルーツが美味しい季節。今回は、改めてぶどうの危険性についてお話ししたいと思います。

ペットの治療費 こんなに高額に!?

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今は健康なペット(わんちゃん・猫ちゃん)でも病気やケガは突然訪れるかもしれません。特に近年では動物医療の進化に伴い、治療費が思った以上に高額になるケースも。大切な家族のために、あなたも最適な選択ができるようにしてみませんか?

もくじ

    なぜ、犬にぶどうを食べさせてはいけないの?

    Monika Wisniewska/shutterstock

    「犬にぶどうをあげてはいけない」と広まったのは、2001年にアメリカの研究者らによって犬のぶどう中毒が報告されたことが始まりです。

    犬43頭が、ぶどうや干しぶどうのどちらか、またはその両方を摂取した後に腎機能障害を発症し半数の犬が急性腎不全で死亡したというものでした。

    日本でも、ぶどうや、ぶどうの皮、レーズンなどを摂取して死亡した症例が報告されています。

    ぶどう中毒の原因物質として農薬、カビ毒、ぶどう由来の未知の成分など考えられていますが、未だ特定はされておらず、メカニズムの詳細もわかっていません。

    では、ぶどう中毒になるとどのような症状が生じるのでしょうか?

    「ぶどう中毒」の症状とは

    Nature Art/shutterstock

    共通している症状としては摂取後数時間以内の嘔吐です。嘔吐はほぼ全ての症例で認められています。

    その他、下痢や食欲低下、震え、呼吸速拍などを起こす子もいます。

    また、病院での血液検査では、腎機能の指標となるBUN(尿素窒素)・CRE(クレアチニン)の急激な上昇、Ca(カルシウム)やP(リン)の上昇が認められます。

    このCa(カルシウム)やP(リン)の値が高いほど予後不良となっています。

    これらの症状の原因の一つと考えられるのが急性腎不全です。

    腎臓の病は、最悪死に至るケースも

    腎臓は体の中にたまった老廃物や余分な水分を外へ出して、血液をきれいにする大切な器官。そのほかにも血液を産生するホルモンを分泌したり血圧を調整したりと、生きていくのに欠かせない臓器です。

    ぶどうを摂取したことによりその腎臓が急速に障害を受け、最悪の場合死に至ります。

    その中毒に対し特異的な拮抗薬があれば良いのですが、ぶどう中毒は未だ原因もわかっていないため、対症療法が主体となります。

    発症からのスピードも様々

    Anna Hoychuk/shutterstock

    予後も様々で、急速に症状を発症し、治療に一切反応せず数日以内に死亡する症例もあれば、後遺症が残る症例、元気に回復する症例など個体差があります。

    ですので、もし目の前で愛犬がぶどうを食べたのを確認した場合には、すぐに病院に連れて行き、催吐処置や胃洗浄を行うのがベストだと考えられます。

    また、できるだけ積極的に腎臓をケアーするような治療を行い、血液検査とともに犬の状態をモニタリングすることをお勧めします。

    *どれくらいぶどうを食べると中毒を起こすのか

    それでは、どのくらいのぶどうやレーズンなどを摂取したらぶどう中毒になるのでしょうか?

    研究者らの報告によればぶどうで3-32g/kg、レーズンで11-30g/kgと言われており、体重3kgの犬に換算すると、ぶどう2〜3粒、レーズン50粒という計算になります。

    しかし、先ほどお話ししたように、ぶどう中毒の症状や程度は、個体差が非常に大きい上に、死亡するケースもあることから仮に1粒でも危険だと認識している方が良いと思います。

    おわりに

    dezy/shutterstock

    ぶどうはさっぱりと口当たりが良く、誰が食べても問題ないように思えますが、「たった1粒」でも危険につながる恐れがあることを忘れないようにしましょう。

    「人が食べて安全なのだから犬だって大丈夫なはず。」「うちの犬は以前ぶどうを食べたけど大丈夫だった。」

    そんな風に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり人と犬は異種。

    日本でもぶどう中毒で死亡しているケースもあることから、ぜひ皆様には十分に気をつけていただきたいと思います。

    プロフィール

    堀江志麻

    堀江志麻

    獣医師

    【所属】 往診専門動物病院「しまペットCLINIC」院長

    【略歴】 1979年 山口県宇部市に生まれる
    1986年~1992年 ドイツ・デュッセルドルフに滞在
    1998年 北里大学 獣医畜産学部・獣医学科に入学
    2004年 獣医師国家資格取得
    2004年~2007年 神奈川県 横浜市の動物病院に勤務
    2008年~2010年 同動物病院の分院(東京都大田区)の分院長を務める
    2010年 子供を出産し、一時お休み
    2011年 千葉県と東京都の2つの動物病院で勤務
    2011年11月11日 往診専門動物病院、しまペットCLINIC 開院 現在、東京都内を中心に千葉県、神奈川県にて往診をおこなっている。

    【資格】 日本小動物歯科研究会 (レベル1認定講習・実習 終了)
    日本メディカルアロマテラピー協会(JMAACV日本メディカルアロマテラピー動物臨床獣医部会認定ペットアロマセラピスト)
    日本ホリスティックケア協会(日本ホリスティック協会認定ホリスティックケア・カウンセラー)

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