【獣医師監修】犬にトマトを与えても大丈夫?知っておきたい注意点と基礎知識
2021.12.28 作成

【獣医師監修】犬にトマトを与えても大丈夫?知っておきたい注意点と基礎知識

獣医師

成田有輝

成田有輝

トマトは私たちの食卓に並ぶ野菜のひとつですが、実はドッグフードの中に含まれていることが多い野菜でもあります。犬にトマトを与える時は、どういったことに気を付けるべきしょうか。また、どの程度であれば与えることができるのでしょうか。犬にトマトを与える際に気をつけるポイントと基礎知識をご紹介します。

もくじ

    犬にトマトを与えても大丈夫

    【獣医師監修】犬にトマトを与えても大丈夫?知っておきたい注意点と基礎知識

    完熟しているトマトには、ぶどうやたまねぎのように少量で中毒症状を示す物質は含まれていません。年齢は関係なく子犬にも与えることができます。

    しかし、トマトのヘタ、茎、花、未熟な実にはトマチンと呼ばれる中毒物質が含まれます。明確な中毒量はわかっていませんが、これらを犬に与えるのは避けましょう。

    トマトの種は、消化するのは難しいものの、小さいため消化管を通ってそのまま便へ排泄されます。そのため、特に取り除く必要はありません。

    ミニトマトは誤飲に注意

    ミニトマトをそのままあげてしまうと、丸呑みして食道に詰まったり、消化が追い付かずに嘔吐や下痢を起こしたりしかねません。細かく切って与えるようにしてください。

    子犬・老犬に与える時の注意点

    消化器の機能が未熟な子犬や、衰えてきている老犬の場合は、一度にトマトを大量に与えると消化器症状を示す場合があります。まずは少量から与えるようにしてください。

    万が一、大量に食べてしまった場合は、動物病院への受診をおすすめします。

    トマトは犬の体に良いの?

    トマトは犬の体に良いの?
    (Tim UR/shutterstock)

    トマトにはリコピンが豊富に含まれています。強い抗酸化作用をもつため、ドックフードに添加されていることがしばしばありますが、リコピン自体は犬の体に必須な栄養素ではありません。

    主食とする総合栄養食のフードには、犬が生きていくうえで必要なビタミンが十分量含まれています。そのため、積極的にトマトを与える必要はありません。

    人が一食ごとに栄養価がバラバラなものを食べるのに対し、犬は毎日栄養価の整ったものを食べています。あえて、ビタミンや繊維質を補給するためにトマトを与えたりはせず、主食へのトッピングやおやつとして取り入れる程度がよいでしょう。

    加工品のトマトには注意

    加工品のトマトには注意
    (Halil ibrahim mescioglu/shutterstock)

    トマトの加工品を与える際には注意が必要です。注意が必要なもの、与えないほうがよいものについて解説します。

    トマトケチャップ

    トマトケチャップは、たまねぎやニンニクを使用していることが一般的です。

    犬がたまねぎやニンニクを食べると、そこに含まれる有機チオ硫酸化合物によって溶血性貧血を起こし、血尿、貧血になる可能性があります。命にかかわることもあるので、トマトケチャップは与えるべきではありません。

    トマトピューレ、トマトペースト

    トマトを濃縮したもので、製品によっては香辛料などが入っていることもあります。与えてよいかは原材料の確認をしてから判断しましょう。

    また、生のトマトよりも濃縮されているため、少量で大量のトマトを食べることになります。トマトピューレやトマトペーストを与えるとしても、少量にとどめる必要があります。

    ドライトマト

    生のトマトは水分が94%であるのに対し、ドライトマトの水分は9.5%しかありません(食品成分データベースより)。

    水分が抜けた状態のため、少量で大量のトマトを食べることになります。与えすぎないよう気をつけましょう。

    また、カリウムの濃度も上がるため、腎臓病などでカリウムが高い子には、注意が必要です。

    野菜ジュース

    野菜ジュースの中には、トマトのような犬に与えて問題ない食材以外に、玉ねぎやぶどうなどが入っていることがあります。できれば与えない方がよいでしょう。

    もし、どうしても試したい場合は、原材料をしっかり確認してから、安心できるものをあげるようにてください。

    アレルギーを理解しよう。交差反応ってなに?

    アレルギーを理解しよう。交差反応ってなに?
    (Yasushi Kusada/shutterstock)

    犬のアレルギーには、大きく分けて、環境因子による犬アトピー性皮膚炎と、食物による食物アレルギーの2つがあります。

    一般的に、特定の物質に対して、過剰に反応してしまうことをアレルギーと呼び、例えば、小麦アレルギーならば、小麦(アレルゲン)を食べると皮膚の赤みやかゆみ、嘔吐や下痢といった症状を起こします。

    しかし、中には、食べ物や環境因子の類似するタンパク質の構造に反応してアレルギー症状が出ることがあります。これを「交差反応」と呼びます。

    犬の交差反応については詳しく調べられていないため、明確なことはいえませんが、人の場合、トマトにアレルギーがあるとスギ花粉にも反応する可能性があります。

    そのため、犬でも、トマト以外のアレルギーをもつ子は、初めてトマトを食べる場合であっても注意が必要となります。

    どれくらい与えてもいいの?カロリーなどバランスが重要

    どれくらい与えてもいいの?カロリーなどバランスが重要
    (baibaz/shutterstock)

    中毒を引き起こす成分が入っていたり、消化が困難な食べ物だったりしない限り、犬におやつとして与えることができます。

    しかし、カロリーや栄養を考えて与えなければ、肥満になったり、お腹がいっぱいになることで主食である総合栄養食のフードが食べられなくなり栄養バランスを乱したりしてしまいます。

    では、犬にはどれくらいの量のトマトを与えてよいのでしょうか。目安を紹介します。

    犬に与えてよいトマトの量

    1日に必要なカロリーの10%程度

    一般的に1日にあたえるおやつやトッピングの量(間食)は、1日に必要なカロリーの10%程度にとどめるべきといわれています。体重1kgの犬が1日に必要なカロリーは約100kcal程度ですので、その10%だと10kcalとなります。

    体重1kgの犬にトマトをおやつとして与える場合は、1日最大で12g程度までとなります。

    (トマト1個200g、166kcalとして算出。参考:文部科学省の食品成分データベース

    1日に必要なカロリーは体重に比例しない点に注意

    ここで、注意していただきたいのは、1日に必要なカロリーと体重は比例していないということです。下記の計算は目安であり、実際は現在摂取している食事のカロリーに基づき、おやつとして与えてもよい量を決定しましょう。

    体重3kgの犬の場合

    体重3kgの犬の標準的な1日の摂取カロリー:約220kcal
    おやつとして与えるトマトの量は、1/8個弱程度

    体重5kgの犬の場合

    体重5kgの犬の標準的な1日の摂取カロリー:約330kcal
    おやつとして与えるトマトの量は、1/5個程度

    体重8kgの犬の場合

    体重8kgの犬の標準的な1日の摂取カロリー:約460kcal
    おやつとして与えるトマトの量は、1/4個程度

    上記の目安量は、おやつとしてトマトのみを与えた場合です。トマトのほかにもトッピングやおやつを与えているようであれば、カロリーを算出し、その分のカロリーを引いた上でトマトの最大摂取量を決定しなければなりません。

    犬のおやつは適切な量を心がけて

    人の感覚だけでカロリーを正確に測るのは難しく、測ったものが実際のカロリーと大きくかけ離れていることも少なくありません。飼い主さんの感覚で犬におやつを与えていると、消化器症状を引き起こしたり、長期的には栄養素の過剰や欠乏になったりする可能性があります。

    ぜひ、愛犬の1日の摂取カロリーを計算し、安心しておやつを与えられるようにしましょう。

    保険最強ランキング2年連続1位のペット保険_小型犬

    著者・監修者

    成田有輝

    獣医師

    成田有輝

    プロフィール詳細

    所属 yourmother合同会社 代表
    (獣医によるオーダーメイドの手作り総合栄養食や療法食レシピをお届けする「DC one dish」の運営)
    (ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」の運営)

    獣医腎泌尿器学会
    日本獣医エキゾチック動物学会

    略歴 1988年 埼玉県に生まれる
    2007年 麻布大学獣医学部獣医学科に入学
    2011年~ ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」公開
    2013年 獣医師国家資格取得
    2013年~2019年 東京都内動物病院に勤務
    2018年~ DC one dish 設立
    2019年 フードメーカー勤務
    2020年~ yourmother合同会社 設立

    資格 獣医師免許

    ページトップに戻る