【獣医師監修】犬にりんごを与えても大丈夫?知っておきたい注意点と基礎知識
2021.12.23 作成

【獣医師監修】犬にりんごを与えても大丈夫?知っておきたい注意点と基礎知識

獣医師

成田有輝

成田有輝

りんごは食卓に並ぶことが多い果物ですが、犬は食べても問題ないのでしょうか。また、どの程度であれば与えることができるのでしょうか。犬にりんごを与える際に気をつけるべきポイントと、基礎知識をご紹介します。

もくじ

    犬にりんごを与えても大丈夫?

    【獣医師監修】犬にりんごを与えても大丈夫?知っておきたい注意点と基礎知識
    (anny ta/shutterstock)

    りんごは、ぶどうやたまねぎのように少量で中毒症状を示す物質は含まれないため、年齢は関係なく子犬でも与えることができます。

    しかし、種や芯は消化が難しいため、与える際は取り除いて与えましょう。また、大きなブロックをあげてしまうと、丸呑みして食道に詰まったり、消化が追い付かずに嘔吐や下痢を起こしたりしかねません。細かく切って与えるようにしてください。

    皮は消化がしにくい傾向があるため、皮つきの場合はより細かくして与え、様子をみて消化が難しい場合には皮を除きましょう。

    子猫や子犬・老猫や老犬にりんごをあげても大丈夫?

    消化器の機能が未熟な子犬や、衰えてきている老犬の場合は、一度にりんごを大量に与えると消化器症状を示す場合があります。まずは少量から与えるようにしてください。万が一、大量に食べてしまった場合は、動物病院への受診をおすすめします。

    りんごは犬の体に良いの?

    りんごは犬の体に良いの?
    (Eve Photography/shutterstock)

    りんごにはビタミンや食物繊維が豊富に含まれています。しかし、主食とする総合栄養食のフードには、犬が生きていくうえで必要なビタミンが十分量含まれています。

    人が一食ごとに栄養価がバラバラなものを食べるのに対し、犬は毎日栄養価の整ったものを食べています。あえて、ビタミンや繊維質を補給するために積極的にりんごを与える必要はありません。主食へのトッピングやおやつとして取り入れる程度がよいでしょう。

    加工品には注意

    加工品には注意
    (Nataliya Schmidt/shutterstock)

    りんごの加工品を与える際には注意が必要です。注意が必要なもの、与えない方がよいものについて解説します。

    りんごの缶詰・ジャム

    砂糖が大量に使われています。カロリーが高く、急激な血糖値の変動を起こすため、一般的には避けたほうがよいです。

    リンゴジュース

    リンゴジュースには、100%のものや、濃縮還元のもの、一部りんごを使用したものなど、さまざまな種類があります。固形のものよりも液体のほうが量をあげすぎてしまう傾向があるので注意が必要です。

    野菜ジュース

    野菜ジュースの中には、りんごのような犬に与えて問題ない食材以外に、ぶどうなどが入っていることがあるため、与えないほうがよいでしょう。もしどうしても試したい場合は、原材料をしっかり確認してから、安心できるものをあげるようにしてください。

    りんごのサプリメント

    りんごのサプリメント
    (Joan Manel/shutterstock)

    りんごに含まれるポリフェノール(リンゴポリフェノール)が体によいとして、近年りんごの成分が含まれている犬用のサプリメントが販売されるようになりました。

    リンゴポリフェノールは、プロシアニジン類を中心としたポリフェノールの総称であり、人に対しては、強力な抗酸化作用や血流改善効果が見込まれ、さまざまな効果が期待できるといわれています。

    しかし、犬では現時点においてまだエビデンスが確立されているわけではないということは知っておくとよいでしょう。

    アレルギーを理解しよう。交差反応ってなに?

    アレルギーを理解しよう。交差反応ってなに?
    (Liudmila Bohush/shutterstock)

    犬のアレルギーには、大きく分けて、環境因子による犬アトピー性皮膚炎と、食物による食物アレルギーの2つがあります。

    一般的に、特定の物質に対して、過剰に反応してしまうことをアレルギーと呼び、例えば、小麦アレルギーならば、小麦を食べると症状(皮膚の赤み、かゆみや嘔吐、下痢など)を起こします。

    しかし、中には、食べ物や環境因子の類似するタンパク質の構造に反応してしまうことがあり、このことを「交差反応」と呼びます。

    犬の交差反応について詳しく調べられていないため、明確なことはいえませんが、人ではりんごにアレルギーがある場合は、シラカバやハンノキにも反応する可能性があります。

    そのため、犬でも、りんご以外のアレルギーをもつ子は、初めてりんごを食べる場合であっても注意が必要となります。

    どれくらい与えてもいいの?カロリーなどバランスが重要

    どれくらい与えてもいいの?カロリーなどバランスが重要
    (Eugene Kovalchuk/shutterstock)

    中毒を引き起こす成分が入っていたり、消化が困難な食べ物でなかったりする限り、犬におやつとして与えることができます。

    しかし、カロリーや栄養を考えて与えなければ、肥満になったり、りんごでお腹がいっぱいになってしまい、主食である総合栄養食のフードが食べられなくなることによって全体のバランスを乱したりしてしまいます。

    では、犬にはどれくらいの量を与えてよいのでしょうか。目安をご紹介しましょう。

    犬に与えてよいりんごの量

    1日に必要なカロリーの10%程度

    一般的に1日に与える、おやつやトッピングの量(間食)は、1日に必要なカロリーの10%程度にとどめるべきといわれています。体重1kgの犬が1日に必要なカロリーは約100kcal程度ですので、その10%だと10kcalとなります。

    体重1kgの犬にりんごをおやつとして与える場合は、1日最大で中玉のリンゴ1個の1/16程度までとなります。

    (りんご1個300g(皮なし)。159kcalとして算出。参考:文部科学省の食品成分データベース

    1日に必要なカロリーは体重に比例しない点に注意

    ここで、注意していただきたいのは、1日に必要なカロリーと体重は比例していないということです。下記の計算は目安であり、実際は現在摂取している食事のカロリーに基づき、おやつとして与えてもよい量を決定しましょう。

    体重3kgの犬の場合

    体重3kgの犬の標準的な1日の摂取カロリー:約220kcal
    おやつとして与えるりんごの量は、1/8個弱程度

    体重5kgの犬の場合

    体重5kgの犬の準的な1日の摂取カロリー:約330kcal
    おやつとして与えるりんごの量は、1/4個弱程度

    体重8kgの犬の場合

    体重8kgの犬の標準的な1日の摂取カロリー:約460kcal
    おやつとして与えるりんごの量は、1/3個程度

    上記の目安量は、おやつとしてりんごのみを与えた場合であり、他にもトッピングやおやつも与えているようであれば、カロリーを算出し、その分のカロリーを引いた上でりんごの最大摂取量を決定しなければなりません。

    犬のおやつは適切な量を心がけて

    人の感覚だけでカロリーを正確に測るのは難しく、実際のカロリーとは大きくかけ離れていることが少なくありません。感覚で与えていると、消化器症状を引き起こしたり、長期的には栄養素の過剰や欠乏になったりする可能性があります。ぜひ、愛犬の1日の摂取カロリーを計算し、安心しておやつを与えられるようにしましょう。

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    著者・監修者

    成田有輝

    獣医師

    成田有輝

    プロフィール詳細

    所属 yourmother合同会社 代表
    (獣医によるオーダーメイドの手作り総合栄養食や療法食レシピをお届けする「DC one dish」の運営)
    (ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」の運営)

    獣医腎泌尿器学会
    日本獣医エキゾチック動物学会

    略歴 1988年 埼玉県に生まれる
    2007年 麻布大学獣医学部獣医学科に入学
    2011年~ ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」公開
    2013年 獣医師国家資格取得
    2013年~2019年 東京都内動物病院に勤務
    2018年~ DC one dish 設立
    2019年 フードメーカー勤務
    2020年~ yourmother合同会社 設立

    資格 獣医師免許

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