2019.04.01 作成

犬にバナナは与えてもいい?栄養素から見る犬のおやつ

PNS編集部

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ドッグフードに含まれていない食材を、おやつとして愛犬に与えてみたい飼い主さんは多いと思います。 なかでも、野菜や果物はその筆頭として人気だとか。果物ではバナナやリンゴ、野菜ではサツマイモが、栄養素の面からも犬へのおやつとして注目度が高まっています。 今回はバナナをピックアップ。バナナのどのような点が愛犬の健康サポート役としてすぐれているかを、探ってみましょう。

もくじ

    近ごろ愛犬へのおやつに注目されている、バナナ

    (Ivanova N/shutterstock)

    バナナは生で食べても、チップスなどの加工品を食べてもおいしいものです。犬たちも同様で、バナナのにおいや味を好む犬はめずらしくありません。
    フィラリア予防のための薬など、内服薬をバナナに埋め込んで愛犬に与えるという裏技もひそかに浸透しているとか。
    チップスタイプならば、散歩のときに持参して屋外でのトレーニングで活用するにも便利です。

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    バナナはそもそも高級品で栄養満点!

    (nancy dressel/shutterstock)

    日本で昭和中期まではバナナは高級な果物として知られ、卵と同様に、風邪を引いたりすると栄養をつけるために特別に子供が親から与えてもらえるような食べ物でした。消化がよく胃腸にやさしいので、病中病後の食べ物としても適していると言われます。

    1963(昭和38)年にバナナの輸入が自由化されるまでは、1本500円(消費者物価指数が5倍になった現在で換算すると1本2500円)ほどだったそうです。1970年代になると、フィリピンや台湾から多量のバナナが日本に入ってきました。するとバナナの値段も1本40~100円(現在の感覚では1本200円~500円)になったそうですが、それでも果物としては高級だったと言えるでしょう。

    今ではバナナはお財布にもやさしく手軽に手に入る、栄養満点なフルーツとして人気の王座を築いています。
    高い栄養価と食べやすさから、錦織圭選手をはじめ、テニスの試合中に多くの選手がベンチでバナナを食べる姿が見られるほど重宝されているフルーツであるのを、テレビで見てご存じの方も多いことでしょう。
    さて、そのバナナ。犬が食べてもアレルギーを起こす心配はほとんどない食物なので、ぜひ愛犬の食生活に取り入れてみたいものです。

    バナナのスゴイ栄養

    (BoBoMuMu/shutterstock)

    バナナはとにかく栄養バランスにすぐれています。
    特筆すべきは、リンゴ3個分に匹敵するカリウムを含有していること。カリウムは免疫機能を健全に保ち、筋肉の機能を調整する役割を果たしてくれます。
    骨の形成を助けるマグネシウムも多く含まれています。
    ビタミンB類も豊富。筋肉や心筋の活動をサポートして皮膚のうるおいをキープしてくれるビタミンB6をはじめ、糖質の代謝を助けて疲労回復に役立つビタミンB1、皮膚の新陳代謝を促進し、健康な肌や被毛を保つために欠かせないビタミンB2などが、愛犬の健康をサポートしてくれるでしょう。

    また、捨ててしまいがちなスジの部分には、ポリフェノールが含まれているという話も。ポリフェノールは皮膚の酸化を予防するほか、冷えを解消してくれます。

    もしかすると、バナナは高カロリーだというイメージを持っているかもしれません。でも実は、バナナは低カロリー。わかりやすく人間の食べ物での比較を紹介すると、バナナ1本分はごはん1/2杯分のカロリーしかありません。 果物としてはデンプンの含有率が高いので、バナナを主食として食べている国もあるそうです。

    食物繊維が豊富なのも、うれしいポイントです。最近は便秘がちの犬も増えているようですが、食物繊維が多いバナナなどの食べ物を摂取すれば快便生活が期待できるでしょう。
    犬は散歩をすると、腸が刺激されてうんちをしたくなることが多いもの。それを考えると、足腰が弱くなってなかなか散歩に出られなくなったシニアドッグには特に、食物繊維を積極的に摂らせたいものです。
    バナナのほか、サツマイモも食物繊維が多い食材として知られています。

    皮膚によし、筋肉によし、腸にもよしと三拍子そろっていながら、低カロリーで肥満の心配が不要なバナナ。世界中の人々が健康食として愛用する理由もうなずけます。

    犬のうつ病予防にも一役買ってくれる

    (Sorapong/shutterstock)

    近年、うつ状態に陥る犬も増えているようです。
    もともとは人の仕事のサポート役として活躍してきた犬たち。家庭犬として室内で暮らすようになってからは、刺激不足や運動不足、同居犬との相性の不一致、また長時間の留守番による孤独感などが理由で精神的に病んでしまうこともあるのだとか。

    そんな現代の犬たちの心を健やかに保つ栄養素が含まれている点でも、バナナは適していると言えます。
    バナナに豊富に含まれるトリプトファンは、セロトニンという脳内ホルモンが作られる材料になる必須アミノ酸。セロトニンは「しあわせホルモン」の異名を持ち、自律神経のバランスを整える働きがあります。
    また同様に含まれているマグネシウムにも、心の安定やリラックス効果があります。
    バナナは、愛犬のイライラやストレスをしずめ、精神的な疾患にかかるリスクも軽減させてくれる食べ物と言えるでしょう。

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    体を冷やすバナナは春~夏にも最適

    (OlgaOvcharenko/shutterstock)

    南国のフルーツとして知られているバナナには、暑い地域に暮らす人々に欠かせない作用を持っています。それは、体を冷やしてくれること。
    日本では体を冷やしてくれる夏野菜として知られるキュウリやスイカなどが知られていますが、熱帯地方で多く生育するバナナは、日本で言うところの夏野菜のような存在なのです。そのため、暑い時期にはとくに、愛犬の体を冷やしてあげられるアイテムのひとつとしてもバナナを活用するとよいでしょう。

    おやつ選びは栄養素や使い勝手も考慮して

    (Libraryfairy/shutterstock)

    ここではバナナをクローズアップしましたが、愛犬のおやつを選ぶ際には、漫然と嗜好性の高そうなものを選ぶのではなく、栄養面も考慮してあげたいものです。
    愛犬の体調や健康状態をまずは把握して、そんな愛犬にマッチする栄養素を多く含む食材をチョイスしてあげてください。

    もちろん、いつも同じおやつばかりでなく、強化中のトレーニングのごほうびには愛犬が大好きなとっておきおやつ、散歩には持ち運びがしやすく飼い主さんの手にくっつきにくいおやつなど、シーンで使い分けて。
    愛犬とのコミュニケーションツールとしても活躍してくれるおやつを、明日からもっとじょうずに使いこなしてみましょう。

    著者・監修者

    PNS編集部

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