2018.09.06 作成

犬の健康に散歩が必要な4つの理由

PNS編集部

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近頃は室内飼いのワンちゃんが多くなり、散歩をまったくしないご家庭も増えているようです。「小型犬は散歩しなくても大丈夫」という説もあるようですが、本当にそうでしょうか? ワンちゃんが健康に長生きするために、散歩が欠かせない理由を紹介します。

もくじ

    その1 ストレスを解消できる

    Thoranin Nokyoo/shutterstock

    言葉では飼い主とコミュニケーションできないワンちゃんは、ストレスを行動で表現します。代表的なストレスサインに、体の一部をなめ続ける行動があります。そのまま放っておくと、なめ続けた部位の毛が抜けたり、炎症を起こしたりしてしまいます。 このようなわかりやすいサインだけではなく、知らなければ楽しく遊んでいるように見えてしまうサインもあります。たとえば自分のしっぽを追いかけて、くるくると回り続ける「テイルチェイシング」という行動。子犬の場合、これは遊びのひとつです。しかし、成犬がこのような行動を取っているときは要注意です。必死にストレスを紛らわせようとしている場合があるのです。 ストレス行動はワンちゃんからの「助けて」のサインです。気づかず放置していると悪化してしまい、鼻にしわを寄せる、うなる、かみつくまねをするなど、攻撃行動にまでおよんでしまうこともあります。 ストレスの元は様々で、必ずしも運動不足だけが原因ではないでしょう。しかし、犬の運動に対する欲求は、人間が思う以上に基本的で大切なものであることは、心に留めておきたいものです。散歩は犬のストレス解消に大きく役立つことが研究から明らかになっています。 イタリアのパルマ大学で、シェルターで長期的に暮らしている97頭の犬のストレス状態が調査されました。すると、犬の性別や犬舎のサイズ、ひとつの犬舎に一頭で暮らしているか、それとも多頭なのか、去勢されているか否かは、ストレスを示す血中のコルチゾール、白血球、抗酸化物質の計測結果とは関連していないことがわかったのです。 この調査で唯一、犬のストレスを下げていると判定された要因があります。それこそが「定期的に散歩をしているかどうか」でした。散歩に行っている犬はストレス行動が少なく、より友好的でリラックスしていたそうです。

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    その2 日光浴になる

    Soloviova Liudmyla/shutterstock

    室内飼いだと日光浴を充分にできない環境であることも多いでしょう。散歩は、適度に日光浴ができる機会にもなります。 人間と同様に、犬も太陽光を浴びることで体内時計が調整されます。また、日光浴をすると、若返りホルモンとも呼ばれる成長ホルモンやセロトニンが分泌促進されます。セロトニンには幸せホルモンという通称があります。これが不足すると自律神経が乱れて精神不安定になってしまいます。 さらに、太陽光によって合成されるビタミンDは、カルシウムの吸収に欠かせません。また、適度な紫外線は殺菌効果があり、皮膚病の予防にもなります。とはいえ、紫外線の当たりすぎは皮膚ガンや角膜炎、白内障、目の老化の原因になってしまいます。長い間日差しを浴びていると熱中症も心配です。日に当たる時間は、1日に30分~1時間程度にしておくのが理想的です。

    その3 肥満対策・ダイエットになる

    Elizabeth Grieb/shutterstock

    肥満は関節炎や靱帯損傷、ヘルニア、心臓病、糖尿病などの原因になります。しかし、短期間でやせさせようとしてハードな運動をさせるのは、太りすぎのワンちゃんには心臓の負担となってしまうのでよくありません。焦ってすぐにやせさせようとせず、継続的に散歩をするのが効果的です。 肥満対策には、1回20分の散歩を1日に2~3回行うことが推奨されています。足腰の関節に負担をかけないように、アスファルトやコンクリートではなく、できるだけ土の上を歩かせるようにしましょう。砂浜や芝生、草の上の散歩は、体重を分散させてくれて関節に優しく、適度に踏ん張りながら歩くので軽い筋トレにもなります。 散歩に行くのは食事の1時間後がおすすめです。糖分が燃焼しやすくなるのでダイエット効果が上がります。逆に、空腹時に運動させてしまうと、体内はカロリー節約モードになり、食べた分を脂肪として蓄えやすくなってしまいます。散歩の後にご飯をあげる場合は、最低でも3時間は空けるようにしましょう。 とはいえ、太っていると散歩を面倒くさがるワンちゃんもいます。その場合は、ボール遊びなど、家では使わない特別なおもちゃを散歩の途中に取り入れるのがおすすめです。また、いくつかの散歩コースを考えておき、ランダムに行き先を変えてあげるとワンちゃんの気持ちもリフレッシュされます。どうしてもコースがひとつしか用意できない場合は、道路の反対側を通ってみたり、ときどきコースを逆回りしたりして、少しだけでも変化をつけてあげましょう。ちょっとした変化でも、ワンちゃんは意外とワクワクします。

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    その4 筋力アップ・筋力低下防止につながる

    otsphoto/shutterstock

    ワンちゃんも歳を取ると筋力が衰え、若い頃のようには運動をしなくなります。動きたがらない状態をそのままにしていると筋肉量はさらに減り、最終的には立ち上がることもできなくなってしまいます。万が一寝たきりになってしまえば、内臓の機能も衰えてしまいます。 立ち上がるのが難しくなったワンちゃんでも、一度立つことができれば、勢いに乗って歩きだすのはそう難しくありません。ワンちゃんのペースで、短時間でもゆっくりと歩かせるとよいでしょう。 筋力アップには平坦な道よりも坂道の方が効果的です。踏ん張るので足腰に適度な負荷がかかります。ただし、急な坂道だと負担が大きすぎるので、ゆるやかな坂道からスタートさせましょう。 心臓や呼吸器、骨や関節に疾患がないようなら、上り坂の途中で5秒間「おすわり」をさせてみるといいでしょう。後ろ足や腰回りの筋肉をきたえる運動になります。さらに坂道での5秒間の「ふせ」は、前足や肩の筋肉を強化してくれます。元気な成犬なら1日10回まで、子犬やシニア犬なら1日3回までが適切な回数です。

    楽しく散歩して一緒に健康になろう!

    Kellymmiller73/shutterstock

    毎日ワンちゃんを散歩に連れ出してあげるのは、なかなか大変なことかもしれません。でも、野外で元気に運動するのが犬の本来の姿です。ずっと健康で共に過ごせるように、散歩を一緒に楽しんでみましょう。ワンちゃんだけでなく、飼い主の健康向上にも役立つはずです。

    著者・監修者

    PNS編集部

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