【プロドッグトレーナー監修】犬小屋があれば問題ない?犬の外飼いがすすめられない理由
2021.10.28 作成

【プロドッグトレーナー監修】犬小屋があれば問題ない?犬の外飼いがすすめられない理由

プロドッグトレーナー

大久保羽純

大久保羽純

私たちの生活スタイルの変化とともに、犬の飼育環境も、この数十年で大きく変化してきました。現代ではなぜ、外飼いが減少して、家の中で暮らす犬が増えたのか。犬を屋外のみで飼育することには、どんな問題があるのか。 今回は、犬の外飼いのデメリットを学んでいきましょう。

もくじ

    気温と湿度による体への負担

    【プロドッグトレーナー監修】犬小屋があれば問題ない?犬の外飼いがすすめられない理由(Kichigin/shutterstock)

    昔の日本は、「戸建ての庭先に、犬小屋。そこに番犬が繋がれている風景」がよくありました。「犬といえば、外で飼うもの」と言うイメージをお持ちの方もいることでしょう。しかし現代では、多くの飼い犬が室内で飼育されています。日中は庭で過ごして、夕方から朝はお家の中にいる犬もたくさんいます。

    屋外で暮らすと室内に比べて、気温が大きく変動します。季節や時間帯によって、犬の体には大きな負担がかかります。日本は、暑くて湿度の高い夏があります。0度以下になる寒い冬もあります。冷暖房付きの犬小屋があればよいかもしれませんが、現実的ではありません。

    人間だって、ずっと屋外で生きていくことは厳しいでしょう。温度の変化は健康を害する大きな要因となるのです。人間も、犬も同じ哺乳類。快適な気温で過ごす方が、体に良いのは当然のことですよね。

    日本犬なら大丈夫?

    日本犬なら大丈夫?

    (Elena Shvetsova/shutterstock)

    犬種によって、暑さ、寒さに適応出来るレベルも違います。シベリア発祥のシベリアンハスキーなどは、暑さに弱い犬種の代表格。4月頃から冷房は欠かせません。チワワやトイ・プードルなどの小型犬は、体が小さい分、体温も奪われやすいため、秋ごろの寒さでも体調を壊します。日本のダイナミックな温度変化を、元気に乗り越えられる犬種はそうはいません。

    では、日本発祥の日本犬なら、大丈夫なのでしょうか?
    近年の温暖化の影響で、頻繁に40度近くなる夏の暑さには、日本犬も耐えることは難しいでしょう。

    最近は、20歳近くまで生きる長寿犬が増えています。体温管理の難しいシニア期に余計な負担をかけないであげたいですよね。暑さ寒さは、どの動物にも厳しいもの。気温が変化しても「ワンちゃんが生きているから大丈夫」という話と、「ワンちゃんの体に良いかどうか」は、全く別の次元の話なのです。

    コミュニケーション不足によるストレス

    コミュニケーション不足によるストレス

    (dezy/shutterstock)

    犬は、群れで生きる動物です。人間は、およそ1万5000年をかけて、犬が人間と家族のように暮らせるように、品種改良をしてきました。そのため、犬たちは人間と一緒に過ごすことを好みます。屋外で少ないコミュニケーションで過ごすことは、犬の精神衛生上、不利益といえます。

    もちろん、犬種や個性によって、どのくらい人間と密接に過ごしたいかの差はあります。家の中で人間と一緒に過ごしていても、程よい距離を保って、べったりしない犬もいるでしょう。人の気配や雰囲気を感じながら、同じ空間にいることを楽しんでいるだけで、一人ぼっちになりたいと言う訳ではありません。

    犬は、狼ではありません。「自立心が強い犬種」などという言葉を聞くこともありますが、犬は人間から自立して、孤独に暮らす動物ではありません。コミュニケーションを好む動物を、長い時間孤独にさせるのは避けるようにしましょう。

    汚れやすくなる、感染症による犬の体への負担

    汚れやすくなる、感染症による犬の身体への負担

    (enis Tabler/shutterstock)

    家の中に比べたら、外は不衛生な環境といえます。寄生虫などを含む、病原微生物による感染症の危険度は、上がってしまいます。山間部に行けば、野生動物やその動物に寄生した寄生虫の問題もあります。

    外にいることで、被毛も汚れやすくなってしまいます。犬の体が汚れることで、それだけ感染リスクが上がります。常に清潔でいることは、犬の健康にとても大切なことなのです。そのため、シャンプーなどのケアにかかる時間も、外飼いの方が増えることでしょう。

    犬の状態を確認できる機会が少ない

    犬の状態を確認できる機会が少ない

    (loightpoet/shutterstock)

    その他にも、屋外で犬を飼育することでのデメリットがあります。家の中にいたら、当たり前のように気付けるちょっとした変化も、外飼いだと見落とす可能性があるのです。では、どんな事に気づきづらいのでしょうか? 

    • 飲み水がなくなったときや、飲み水が汚れている
    • 排泄の回数や頻度、排泄物の状態に、異常がある
    • 犬をつないでいる鎖や紐が絡んだり、切れたこと
    • 病気の初期症状や、発作が起きた
    • 脱走したこと
    • 他の犬が侵入してきて、交尾をしてしまった
    • 他の人が犬にイタズラした
    • 誘拐されてしまう
    • 他の動物の侵入による被害

    犬は大切な家族です。保護者である飼い主さんから見えない場所にいることが多ければ多いほど、事故のリスクは上がって当然です。特に夜中は、家族は寝静まっていて、愛犬に何かあっても、なかなか気づくことが出来ません。

    庭を活用すれば、さらに充実したドッグライフに

    庭を活用すれば、さらに充実したドッグライフに

    (Lesya Pogosskaya /shutterstock)

    ここまで、外飼いのデメリットをお伝えしてきました。では、庭付きの家の場合は、どのようにお庭を活用できるのでしょうか。

    まずは日陰を作り、脱走防止のフェンスや柵を設け、犬小屋などの隠れ場所を用意するとよいでしょう。

    その上で短い時間でも、一緒に遊んであげたり、くつろいだりしてみましょう。お庭といえど「外気」を感じるには十分ですし、開放感も家の中と比べたら段違いにあります。庭で過ごす時間は、愛犬だけでなく、飼い主さんにとってもリラックスタイムになるはずです。

    もちろん愛犬から目を離さず、危険を近づけないことが大切です。

    ずっと部屋の中で過ごすのも問題あり。まずはお散歩に連れ出そう

    ずっと部屋の中で過ごすのも問題あり。まずはお散歩に連れ出そう

    (Margarita Kosior /shutterstock)

    逆に、部屋の中だけで過ごし散歩にも行かず、ほとんど外に出ないというのも問題があります。犬にとってお散歩は、家の中では感じられない刺激を受けられる、貴重な時間です。リフレッシュであり、心と体に必要な栄養となります。室内に閉じ込めておくことや、留守が長いことも、心と体に悪影響があることは、説明するまでもないでしょう。

    行動に問題があり、外に出しているのなら、専門家に相談

    行動に問題があり、外に出しているのなら、専門家に相談

    (Lizardflms /shutterstock)

    様々な事情で、愛犬を外飼いにしている家族もいることでしょう。ただし、もし外飼いを選択する理由が、犬の問題行動である場合、専門家に相談をしましょう。飼い主さんと愛犬との間で、コミュニケーションに問題がある場合は、屋外で飼育して距離をおいたとしても、解決しないことが多く、別の問題に発展してしまうこともあります。

    専門家に相談することで解決ができれば、愛犬と室内で暮らせるようになり、愛犬の健康リスクを抑えることができるでしょう。

    ドッグトレーナーを検討する場合は、その問題行動への対処の経験が豊富で、科学的裏付けと動物福祉の知識があり、倫理的なトレーニングを出来るプロを選ぶようにしましょう。せっかく共に暮らす家族ですから、心が通じ合う関係づくりをしていきたいですね。

    愛犬の幸せと家族の生活スタイル尊重して快適な環境を

    いかがだったでしょうか。「外飼いでも、犬小屋があれば大丈夫。」という話には、一度疑問を持って、立ち止まってみましょう。

    現代では犬を家族として、とても大切にする方たちが増えました。そのため、犬との暮らし方も、「もっと愛犬に幸せになってほしい。気持ち良い環境を作りたい。」と願う人が増えてきました。そのため、世界の動物福祉の考えと同じように、日本でも、室内飼育が増えてきたのではないでしょうか。

    その家族、その地域によって、生活スタイルには差があって当然です。それぞれの家庭の状況に合わせて、快適な環境を整えていきましょう。一緒に暮らす愛犬と家族みんなが、ずっと先まで、笑顔で過ごせることを心から願っています。

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    著者・監修者

    大久保羽純

    プロドッグトレーナー

    大久保羽純

    プロフィール詳細

    所属 PERRO株式会社 代表取締役
    SUNNY Dog Training Partner 代表
    東京都動物愛護推進員
    健全なペットとの暮らしを目指す協会P-ALIVE 代表
    家庭動物共生教育支援フォーラム(FAES) 理事

    略歴 1985年 東京都江東区に生まれる。フェレット5匹、デグー12匹、亀3匹と暮らす。
    2003年~2007年 東海大学工学部卒業。
    2007年~2011年 某製薬会社MR(医薬品営業)勤務。
    2012年 ドッグトレーナー学校在学。
    2012年~2013年 海外留学でトレーニング修行。ニュージーランド動物保護施設「SPCA Auckland」で犬・猫のケアやトレーニングをボランティアスタッフとして学ぶ。
    2013年~現在 出張トレーニング・しつけ教室・講演などを行う「SUNNY Dog Training Partner」を設立。世界の保護施設、トレーニングを学ぶため10カ国以上を視察、滞在。外国人の夫と国際結婚。保護犬ジャックラッセルテリアと家族になる。
    2014年~2017年 関東の犬のトレーニング施設4カ所で勤務。関東の動物保護施設で勤務。
    2018年~2019年 都内専門学校でトレーニング実習講師として勤務。
    2018年~現在 「健全なペットとの暮らしを目指す協会P-ALIVE」を設立。「家庭動物共生教育支援フォーラム(FAES)」理事に就任。
    2017年~現在 犬に関するコンサルティング・トレーニングなどの総合相談業務を行う「PERRO株式会社」を設立、代表取締役に就任。世界中の犬と人との幸せな暮らしのサポートのため、日々邁進。

    資格 米国CCPDT認定国際ドッグトレーナー資格CPDT-KA所持
    PDTA認定ドッグトレーナー
    The Smart Dog Owner Academy Basic / Advance 修了
    SPCA Auckland Volunteer
    東京都動物愛護推進員
    愛玩動物飼育管理士1級
    日本ペットシッター協会公認ペットシッター士
    高等学校教諭第一種免許
    Advanced Open Water Diver
    P-ALIVEペット安全生活101講演認定講師

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