気持ちの良い、晴れの日。愛犬と楽しくお散歩に出たのに、愛犬が立ち止まって、歩かない…。「こっちに行こう」と誘っても、まったく見向きもしてくれない。そんな経験がある人も、多いのではないでしょうか?お散歩の本来の目的、お散歩で立ち止まる時の愛犬側の理由を学んでいきましょう。
もくじ
(Maria Sbytova/shutterstock)
そもそも、お散歩の「一番の目的」ってなんでしょうか。
どれも「一番の目的」ではありませんよね。散歩の本来の目的は、人間側ではなく、「愛犬の、心と身体のリフレッシュ」なのです。なにかと忙しい日常の中で、日々のお散歩がマンネリ化してくると忘れがちなことですが、お散歩は、「愛犬のための、気分転換の時間」なのです。
もちろん愛犬だけでなく、飼い主さんも気分転換になれば、素晴らしいことです。しかし、忘れてはいけないのは、お散歩は第一に「愛犬が笑顔になってくれる時間」であること。
犬たちは、自分で好きなものを食べることも、恋愛することも、友達と出掛けることも出来ません。飼い主さんが提供する環境の中でのみ、生きています。そんな彼らに、散歩の時まで、人間の横をついて歩けとか、人間のエクササイズに付き合えなどと、一方的に言えるでしょうか。犬にとっては、なにかと不便な人間中心の社会の中で、毎日よく頑張ってくれていると思いますよね。
お散歩は、毎日可愛い姿を見せてくれる愛犬への感謝の気持を込めて、「愛犬が笑顔になってくれる時間」にすることが、一番の目的ではないでしょうか。
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愛犬のリフレッシュ。愛犬が笑顔になってくれる時間こそが、お散歩の一番の目的とわかりました。そう考えると、愛犬が歩かないときの対処も変わってきます。
愛犬が立ち止まってしまった時に、「早く歩かせなきゃ!」では、愛犬は笑顔になれません。まずは「いま愛犬は、どういう状況なのだろう?」と、まず愛犬の置かれている状況を考えてみましょう。
愛犬が歩かない時の理由をいくつか紹介していきましょう。
いかがでしょうか。案外「当たり前の理由じゃん」というものばかりだったのではないでしょうか。犬側にも、様々な事情があります。ここに書いた以外にも、その瞬間ごとに犬の歩かない理由は、無限にあるでしょう。
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お散歩の一番の目的は、「愛犬の心と身体のリフレッシュ」でしたよね。だからといって、犬に好き勝手なお散歩をさせましょう…ということではありません。犬は、人間社会のルールも危険なこともわかりません。
お散歩での飼い主さんの役割は、愛犬と周囲の人の「安全を守る管理者」。愛犬が危険な目に合わないように、車の多い道ではリードを短めに持ってササッと通過する。苦手な犬や人がいる道は避ける。など、愛犬とのお散歩を安全にエスコートしましょう。
安全な状況なら、何度立ち止まったっていいのです。愛犬が立ち止まったという情報を元に、まずは愛犬の置かれている状況を観察して、愛犬が笑顔になれる作戦を立てて、実行してみることを繰り返していきましょう。
愛犬が恐怖や苦痛で立ち止まっているなら、すぐにでも助けてあげましょう。愛犬が要望があって立ち止まっているなら、どんな形で実現できるかを考えましょう。模索と実践を繰り返して、愛犬が「うちの飼い主の散歩は、最高だぜ!」なんて、思ってくれたら嬉しいですね。
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愛犬がお散歩で歩かない状況が続いたり、お散歩自体が辛いようであれば、少しでも早く専門家に相談しましょう。「無理やりでも、散歩に出たらそのうち慣れるはず」「犬なんだから、散歩が大好きで当たり前!」という先入観も、飼い主さんと愛犬の絆を壊してしまいかねません。
飼い主さんだけでは、状況改善が難しい場合は多々あります。自己判断で先に進めようとせずに、獣医師やプロのドッグトレーナーに相談しましょう。
ドッグトレーナーに依頼をする場合も、そのトレーナーが行動修正の豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人かどうか、確認をするようにしましょう。
(eerayut Chan/shutterstock)
お散歩は「愛犬のための気分転換の時間」です。お散歩は、愛犬への「いつもありがとう」を伝える手段の一つです。
愛犬が歩かない時に「わがまま」とか「頑固」など、人間本位なレッテルを貼っても、役には立ちません。愛犬と一緒に楽しいお散歩をするために、日々愛犬の笑顔を引き出す作戦を考えていきましょう。
忙しい日々の中で忘れてしまいがちな「愛犬の笑顔が大好きよ」という気持ちを忘れずに、愛犬の幸せを目指した散歩をしていきましょう。
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