【プロドッグトレーナー監修】犬の分離不安は放っておかないで!その原因と対策とは

【プロドッグトレーナー監修】犬の分離不安は放っておかないで!その原因と対策とは

【プロドッグトレーナー監修】犬の分離不安は放っておかないで!その原因と対策とは

プロドッグトレーナー

大久保羽純

大久保羽純

皆さんは、犬の分離不安という言葉を聞いたことはありますか?「うちの子、私のことが好きみたいで、私の後にばっかりついてくるの。分離不安かしら?」という声を聞いたりしますが、「分離不安=飼い主さん大好き」という事ではありません。今回は、犬の分離不安の原因と対策についてお話します。

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もくじ

    犬の分離不安の症状とは?

    【プロドッグトレーナー監修】犬の分離不安は放っておかないで!その原因と対策とは

    (WHYFRAME/shutterstock)

    分離不安とは、犬が家族(または家族の特定の人間)と離れたときに、不安や恐怖によって平常を保てなくなってしまう状態です。「分離不安症」、「分離不安障害」などと呼ばれます。

    簡単にいうと、1頭だけになると、パニックになり、様々な行動を起こしてしまうのです。

    分離不安のパニック状態が原因で、こんな行動を起こすことがあります。

    • 排泄の失敗。過剰な排泄。
    • 吠え続ける。遠吠えをする。
    • 家具などの破壊行動。
    • 手や足をなめ壊す、尾をかじるなどの自傷行為。
    • 飼い主さんがいない状況だけでの食糞。
    • 留守番をさせられる場所から逃げようとする(部屋、サークル、クレート、車の中など)。
    • 一定の場所を一定のリズムでウロウロ歩き回る。
    • 飼い主さんの留守中は食べないなど、食欲低下。
    • 下痢、嘔吐など体調の不良。

    どんなときに分離不安を感じるの?

    どんなときに分離不安を感じるの?

    (Alena Veasey/shutterstock)

    分離不安症の犬は、どんな時に、不安や恐怖を感じるのでしょうか?

    • 飼い主さんが家を留守にする。
    • 飼い主さんが家から出ようとするそぶりをする(服を着替える・玄関に向かうなど)。
    • 飼い主さんがいつもの時間に帰宅しない。
    • 飼い主さんが目の前からいなくなる(お風呂・トイレ・違う部屋での作業など)。

    症状の出る場所は決して家の中だけではありません。愛犬が飼い主さんと離れて不安を感じれば、場所もタイミングも関係ないのです。

    問題行動を「いたずら、寂しがり屋な性格」で片づけないで!

    問題行動をいたずら、寂しがり屋な性格で片づけないで!

    (Apion/shutterstock)

    分離不安症の犬のパニック状態は、飼い主さんが一緒にいない時に起こります。そのため、飼い主さんのいないときに排泄のミスをしたり、吠えたり、家具を破壊すことから、「飼い主さんへの嫌がらせ行動」だと勘違いされてしまうこともあります。

    これは実は、愛犬が一人ぼっちの不安で、パニックからこれらの問題行動を起こしている場合があります。

    また、飼い主さんのあとを執拗に付いていくことからも、ただの「寂しがり屋な性格」で片づけられてしまうこともあります。しかし、愛犬にとっては、不安と恐怖に追い込まれた状況である場合も。愛犬のSOSを見過ごさないようにしましょう。

    犬の分離不安の発症の原因とは?

    犬の分離不安の発症の原因とは?

    (ijasper/shutterstock)

    犬が分離不安を発症する原因は、犬に直接聞けないので、特定されていません。可能性がありそうな要因を紹介します。

    • 日常のスケジュールが変わった:留守番の時間や、帰宅時間の変化など。
    • 家族構成が変わった:新しい家族に迎えられた、家族が増えたり減ったりなど。
    • 引っ越しをした:知らない場所に、犬が慣れるまでに不安を感じた。
    • 急に預けられた:ホテルや別の場所などに予期せず預けられた。
    • 留守番中に怖いことがあった:地震や雷、しつこいチャイムなどで恐怖を感じた。
    • 急に長時間の留守をさせられた:飼い主さんの帰宅を予測できず恐怖を感じた。
    • 加齢や体調不良:体の自由がきかず、不安の中で一人ぼっちが恐かった。

    これって分離不安?

    これって分離不安?

    (Inna Skaldutska/shutterstock)

    ここまでに、分離不安の症状・起きやすい状況・発症の原因を紹介してきました。しかし、全てが分離不安の症状というわけではないため、見極めていく必要があります。

    • 排泄の失敗。過剰な排泄:
      病気や服用している薬が原因のこともあります。また、飼い主さんの不在時にトイレで排泄をする学習を終えていない可能性もあります。
    • 吠え続ける。遠吠えをする:
      チャイムや、外の音などに反応して吠える場合は、飼い主さんがいてもいなくても吠えます。
    • 家具などの破壊行動:
      子犬の歯の生え変わり時や、体力が有り余っている青年期にも起きやすいでしょう。
    • 下痢、嘔吐など体調の不良:
      分離不安と関係なく、体調が悪い場合でも起きます。

    もし身体的な病気が疑われる場合は、少しでも早く動物病院を受診しましょう。身体的な病気でないとわかってからでも、分離不安と向き合うことは出来ます。

    分離不安の対策とは?

    分離不安の対策とは?

    (Mary Swift/shutterstock)

    分離不安は、一人ぼっちになった時に不安を感じます。トレーニングの方向性としては「愛犬が一人でいることを楽しめるようになる」ために、愛犬が一人で楽しめる生活環境を整え、それを繰り返し経験させていきます。

    例えば、食べ物を入れて自分で取り出しながら遊ぶ知育オモチャなどで、一人遊びを出来るように練習していきます。その上で、数秒から数分間、飼い主さんが愛犬から見えないところに行く練習を繰り返します。

    さらに、愛犬が一人の時に、不安や恐怖を感じる対象も除去していきます。例えばチャイムは切っておき、雷が落ちそうな日には留守にしないなどです。

    中度以上の分離不安のトレーニングは、時間が必要となります。なぜなら、分離不安障害も軽度から重度まであり、パニック発作のようになってしまった状態を、すぐに改善できるわけではないからです。

    愛犬がトラウマを克服して、安心して飼い主さんがいない状態を過ごせるようになるまで、コツコツ練習が必要です。

    また、獣医師から、薬の処方をしてもらうこともあるでしょう。近年は、動物行動療法の専門の獣医師も国内に増えました。お近くの病院を、インターネットで検索してみて下さい。

    こんなときは専門家に相談を

    こんなときは専門家に相談を

    (photosounds/shutterstock)

    愛犬のココロに平穏が訪れるまでは、留守時間を制限したり、シッターさんに来てもらったり、留守中は犬のデイケア施設に預けるなど、様々なサービスの利用も必要になってくるかもしれません。

    分離不安症は、決して、性格や気のせい、放っておけば治るものではありません。改善させるためのステップの設定が細かく必要です。症状に気付いたら、早めに専門家に相談することをお勧めします。

    分離不安かなと思った時に、専門家に相談するのは、決しておかしなことではありません。

    「自分が悪いのかな」、「こんな苦しい思いをさせるなら、留守をさせないように自分がずっと家にいればいいのかな」なんて悩むこともあるでしょう。そんな時には、1人で悩まず、動物病院やドッグトレーナーに相談をしましょう。

    ドッグトレーナーに依頼をする場合、どんなトレーナーでも良い訳ではありません。愛犬の代わりにそのトレーナーを面接するのが飼い主さんの役割です。そのトレーナーが行動修正の豊富な経験を持っているか、科学的知識をもって、動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人かどうか、飼い主さんが見極めてから依頼をするようにしましょう。

    こんな対策はやっちゃダメ!

    犬の分離不安。こんな対策はやっちゃダメ!

    (WHYFRAME/shutterstock)

    間違った対策法もお伝えします。

        • ペットを増やす:
          「一人がさみしいなら、お友達(犬や猫)を与えれば解決するかも。」と思う人もいるかも知れません。しかし、愛犬が求めているのは、特定の家族であり、知らない動物ではありません。自宅に不安な動物が増えるだけですから、やめましょう。
        • 叱る、罰を与える:
          分離不安はパニック状態です。飼い主さんが行動に気付いた時にはすでに問題は起きた後(例えば、ソファは壊されたなど)でしょうし、叱っても意味がありません。。愛犬の不安をより一層高めて追い込む原因となるのでやめましょう。
        • 閉じ込める:
          犬が動き回っていたずらをするからと、閉じ込めることもNGです。家具を壊したりしない代わりに、閉じ込められた先で排泄物だらけになったり、自傷行為に発展する可能性もあります。閉じ込められた場所自体が恐くなることもあります。

    分離不安で悩むのは、日本の皆さんだけではありません。世界中で分離不安に悩む飼い主さんがいます。なぜなら、「犬」という動物は、人間と本当の家族として、暮らせるように大昔から改良されてきました。

    犬たちは、人間と一緒に過ごすことを好きになった代わりに、孤独にはとても弱くなったのです。もともと孤独でいることが得意な動物ではありませんから、何かのきっかけで、分離不安になってしまっても、おかしいことではありません。

    分離不安は、ココロの不調が、カラダの不調にまで発展します。決して放っておかないでください。あたなが困っている以上に、愛犬はあなたに助けを求めているのです。

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    プロフィール

    大久保羽純

    大久保羽純

    プロドッグトレーナー

    【所属】 PERRO株式会社 代表取締役
    SUNNY Dog Training Partner 代表
    東京都動物愛護推進員
    健全なペットとの暮らしを目指す協会P-ALIVE 代表
    家庭動物共生教育支援フォーラム(FAES) 理事

    【略歴】 1985年 東京都江東区に生まれる。フェレット5匹、デグー12匹、亀3匹と暮らす。
    2003年~2007年 東海大学工学部卒業。
    2007年~2011年 某製薬会社MR(医薬品営業)勤務。
    2012年 ドッグトレーナー学校在学。
    2012年~2013年 海外留学でトレーニング修行。ニュージーランド動物保護施設「SPCA Auckland」で犬・猫のケアやトレーニングをボランティアスタッフとして学ぶ。
    2013年~現在 出張トレーニング・しつけ教室・講演などを行う「SUNNY Dog Training Partner」を設立。世界の保護施設、トレーニングを学ぶため10カ国以上を視察、滞在。外国人の夫と国際結婚。保護犬ジャックラッセルテリアと家族になる。
    2014年~2017年 関東の犬のトレーニング施設4カ所で勤務。関東の動物保護施設で勤務。
    2018年~2019年 都内専門学校でトレーニング実習講師として勤務。
    2018年~現在 「健全なペットとの暮らしを目指す協会P-ALIVE」を設立。「家庭動物共生教育支援フォーラム(FAES)」理事に就任。
    2017年~現在 犬に関するコンサルティング・トレーニングなどの総合相談業務を行う「PERRO株式会社」を設立、代表取締役に就任。世界中の犬と人との幸せな暮らしのサポートのため、日々邁進。

    【資格】 米国CCPDT認定国際ドッグトレーナー資格CPDT-KA所持
    PDTA認定ドッグトレーナー
    The Smart Dog Owner Academy Basic / Advance 修了
    SPCA Auckland Volunteer
    東京都動物愛護推進員
    愛玩動物飼育管理士1級
    日本ペットシッター協会公認ペットシッター士
    高等学校教諭第一種免許
    Advanced Open Water Diver
    P-ALIVEペット安全生活101講演認定講師

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