愛犬と飛行機に乗ってみたいと思ったことはありますか?また、乗ってみたことがある方はいますか?海外旅行や国内旅行、遠方に引っ越す場合など、飛行機を検討することもあるかもしれません。今回は、これから愛犬と飛行機に乗ってみたいと思う方に、役に立つ情報をお届けします。※情報は2020年3月29日現在のものであり、変更される場合があります。最新情報は必ず各航空会社ホームページにてご確認ください。
もくじ
(Masarik/shutterstock)
「犬と飛行機に乗る」と言うと、一緒に機内の座席の横に座るイメージを持つ方もいるかもしれません。アメリカの一部国内線などでは、リードを付けた犬が、座席の足元でリラックスしているという光景も見られます。
しかし、日本発着の国際線では、犬がそのままの状態で席にいることはありません。ほとんどの場合、以下の2パターンのいずれかとなります。
①受託手荷物として、キャリーケースに入れて、飛行機の貨物室で預かられる。
②機内持ち込みとして、キャリーケース(犬が入るケース)に入れたまま、座席の足元に置く。
膝の上で抱っこをして飛行機に乗るのではなく、離陸前から着陸までは、キャリーケースに入れて移動することになります。
さらに、国内線の場合は、「②機内持ち込み」はなく、「①受託手荷物」として、貨物室預かりの対応となるでしょう。一部LCCなどでは、ペット自体を受け付けていない場合もあるので、事前確認が必要です。
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国内線では無理だとしても、一部の航空会社の国際線でなら、犬と機内で過ごせる可能性があります。たとえ、キャリーケースに入れたままだとしても、機内で一緒に過ごすことは理想ですよね。
しかし、国際線の中で、「②機内持ち込み」対応がある航空会社を選んだとしても、その航空会社の定めた様々な条件をクリアする必要があります。
航空会社によって、犬の大きさ、キャリーケースの大きさ、犬の月齢、犬種、座席のクラスなど、様々な条件があるのです。
例えば、エアカナダの場合は、機内持ち込みの条件の一部として、以下の諸条件をクリアする必要があります。
ちなみに、私も4.3㎏の愛犬を連れて韓国に行きましたが、アシアナ航空では、キャリーケースと犬の合計重量が5㎏以下の指定があり、軽量のキャリーケース探しに苦労しました。
各航空会社の規定の範囲に納まった条件の、ペットと家族だけが、機内持ち込みとして座席で一緒に過ごすことが出来るのです。もちろん、盲導犬や介助犬の場合は、一般のペットと対応が異なります。
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ご覧いただいた通り、ペットと機内で一緒に過ごすことができるのは国際線で海外に行く場合のみとなるでしょう。国内線であれば、貨物室預かりとなります。
例えば、こんな条件を満たすペットであれば、飛行機を利用するのも良いのかも知れません。
しかし、なかなかすべての犬がそういう状態ではありません。そのため、飛行機を使用したくても「貨物室だとちょっと…」と思った飼い主さんたちが、車、船、新幹線などの陸路を使用している現状もあります。
愛犬との旅行の際に、あえて飛行機を使うかどうか、その必要があるかどうかは、常に家族会議となることでしょう。
どうしても飛行機を利用しないといけない旅先の場合、愛犬と共に行く必要があるのかも検討しましょう。愛犬にとって旅路と滞在先が楽しいものとなるのなら、一緒に連れて行くのも良いでしょう。
しかし、愛犬にとって、旅行自体が健康上の問題となりそうなら、家の近くのドッグホテルを探すのも一つの選択肢でしょう。
最近では、ドッグホテルの数や種類も増えました。しっかりお散歩に連れて行ってくれたり、遊んでくれたり、愛犬を手厚く預かってくれる施設を探して、日頃から宿泊の事前練習をしておくと良いでしょう。
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例えば、犬を受託手荷物として、貨物室に預ける場合で考えてみましょう。ペットを預かる貨物室は、温度管理がされています。
しかし、夏場の空港内や、貨物室に運ぶまでの移動経路の全てが、温度管理をされているわけではありません。日本は5月頃から夏のように暑い日もあります。暑さは、どの犬にとっても、命の危険につながります。
特に、暑さに弱い短頭種は、航空会社によっては、通年または、夏季の預かりをしていないこともあります。気温が低い時期を選んで、飛行機を利用するようにしましょう。
また、乗り慣れていない乗り物で移動すること自体、犬によっては精神的にも身体的にも大きな負担となる場合があります。
持病や、身体のために必要な薬があれば服用しておきましょう。乗り物酔いや、心を落ち着かせる薬が必要であれば、事前に獣医さんに相談しましょう。その場合は、当日に初めて服用するのではなく、事前に家の中で服用後の様子を見る準備が必要でしょう。
さらに、移動先での犬の体調不良に備えて、なるべく24時間対応してくれる動物病院も探しておきましょう。飼い主さんが体調を崩すこともありますから、旅先での緊急時に預かってもらうドッグホテルの確保も必要です。旅行の場合、滞在先や、移動手段の確保も済ませておきましょう。
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飛行機の手配とは別に、海外に愛犬と行く場合は、事前の準備が必要です。出国前に、農林水産省動物検疫所の指定の手続きを完了する必要があります。さらに、訪問先の国の指定された手続きを行う必要もあります。
ペットが飛行機にどう乗るのか以前に、そもそもペットが日本を出国できるかどうか、帰国時に日本に帰国できるかは重要な問題です。
もし手続きにトラブルが発生してしまうと、犬は飼い主さんと離れて、動物検疫所の施設で定められた期間、係留されることになってしまいます。
これらの事前手続きは数週間では終わらないので、数カ月以上の余裕をもって準備をしましょう。自分で手続きをするのが不安な場合には、専門の代行サービスを活用する方もいるようです。
飛行機と言っても、いろいろな選択肢があります。
移動先が、国内なのか、海外なのか。飛行機の中での居場所が、貨物室なのか、機内なのか。
移動先まで、飛行機に乗る必要があるのか、避けられる状況なのか。愛犬が飛行機に向いているのか、向いていないのか。
移動手段や移動先の選択肢が増えた現代だからこそ、愛犬と家族に合った選択肢を選ぶことも出来ます。
現代では、ペットといろいろな形で旅を楽しめるようになりました。しっかり愛犬の現在の状況と個性を把握して、事前の準備をして、素敵な旅路にしましょう。