天真爛漫で、魅力的な笑顔のアメリカン・コッカー・スパニエル。優雅にたなびく豊かな被毛と、その性格の明るさで、多くの人々を魅了してきた犬種です。 今すでにアメリカン・コッカー・スパニエルと暮らしている方も、これからアメリカン・コッカー・スパニエルを家族に迎えようかと考えている方も、アメリカン・コッカー・スパニエルの魅力を知り、楽しく快適な暮らし方を学んでいきましょう。
天真爛漫で、魅力的な笑顔のアメリカン・コッカー・スパニエル。優雅にたなびく豊かな被毛と、その性格の明るさで、多くの人々を魅了してきた犬種です。 今すでにアメリカン・コッカー・スパニエルと暮らしている方も、これからアメリカン・コッカー・スパニエルを家族に迎えようかと考えている方も、アメリカン・コッカー・スパニエルの魅力を知り、楽しく快適な暮らし方を学んでいきましょう。
もくじ
(Olga Aniven/shutterstock)
日本でのアメリカン・コッカー・スパニエルの飼育頭数は、全犬種の中で第25位(JKC2018年度犬種別犬籍登録頭数参照)で1,969頭と言われています。
アメリカン・コッカー・スパニエルの原産国は、「アメリカン」の名前の通り、アメリカ合衆国。アメリカでも大変人気のある犬種で、ディズニー映画「わんわん物語」のヒロインの「レディ」は、アメリカン・コッカー・スパニエルがモデルだと言われています。
アメリカン・コッカー・スパニエルの祖先犬は、イギリスの移民と共に、遠いイギリスから海を渡ってアメリカ上陸を果たした「コッカー・スパニエル」だと言われています。1620年に、イギリス国教会から迫害を受けた清教徒たちが、新天地を求めてアメリカに渡ってきた際に乗ってきた船、「メイフラワー号」に同乗してアメリカに上陸したコッカー・スパニエル。その後も、イギリスからアメリカへの移民が上陸するたびに、コッカー・スパニエルが連れて来られました。アメリカでは、この「コッカー・スパニエル」を繁殖していき、1945年に別の犬種としての「アメリカン・コッカー・スパニエル」が誕生しました。
アメリカン・コッカー・スパニエルのルーツである、「コッカー・スパニエル」は、イギリスでは鳥のヤマシギの猟の優秀なパートナーとして活躍していました。「ヤマシギ(Wood cock(ウッドコック)」の猟で使用することから、犬種名も「Cocker(コッカー)」となっています。
現在のアメリカン・コッカー・スパニエルも、狩猟で活躍できるような俊敏さと繊細さを持った犬種です。それに加えて、家庭犬としての愛らしさやフレンドリーさも併せ持つ、才能に満ちた犬種なのです。
(Kevin Carvalho/shutterstock)
アメリカン・コッカー・スパニエルは、“スパニエル”と名前の付く犬種の中では小柄なサイズとはいえ、愛玩犬や超小型犬が多い日本の中では、大きく感じられるかも知れません。
アメリカン・コッカー・スパニエルは、狩猟のパートナーとしての役割を果たせるように、繊細さや鋭敏さ、長時間働き続けられるタフな体力を持ち合わせています。優雅な外貌からは想像しがたい、狩猟用の犬種ならではのスタミナは、誰もが驚くことでしょう。
頭もよく、学習意欲も人一倍あります。そのため、1日数回ものお散歩で、外の刺激に触れさせないと、ストレスが溜まってしまいます。外の匂いを嗅がせたり、一緒に遊んだりして、家の中では得られない刺激を受ける必要があるでしょう。
運動したいと言うワンちゃん側の要望とは裏腹に、豊かな被毛には沢山の枯葉や枝がくっつきます。せっかく綺麗にブラシをしても、あっという間に手足はゴミだらけ。だからと言ってお散歩に行くことを控えると、運動や刺激不足になり、吠えたり、荒っぽくなってしまうことでしょう。たっぷりとした運動量の確保と、絡みやすい被毛のお手入れの、日々の格闘を覚悟したうえで、家族に迎えるようにしましょう。
また、アメリカン・コッカー・スパニエルも、他の犬種と同様に、お散歩で不意に首が締まらないように、首輪ではなく、胴輪(ハーネス)を使用するようにしましょう。
(Ksenia Raykova/shutterstock)
アメリカン・コッカー・スパニエルの毛は、とても繊細で、からみやすく、すぐに毛玉になってしまいます。毛玉が出来ると、毛根が引っ張られて痛く、皮膚の炎症にもつながります。毛玉を作らないように、毎日、小一時間のブラッシングを覚悟しましょう。
さらに、アメリカン・コッカー・スパニエルは、月2回程度、トリミングサロンでシャンプーやカットが必要です。手間と時間と費用をかけてこその犬種です。アクティブに動くことと、日々のビューティーケアをするのが大好きと言う方に、うってつけの犬種と言えるでしょう。
また、犬は3日で歯石が出来ると言われています。そのため、アメリカン・コッカー・スパニエルだけでなく、犬の歯みがきは毎日する必要があります。
さらに、アメリカン・コッカー・スパニエルは垂れ耳のため、耳の中の空気が循環しづらく、感染症になりやすいです。1日1回以上は、お耳を持ち上げて、見た目と匂いのチェックをしましょう。汚れていても、綿棒の使用は耳を傷つけるためNGです。かゆそうにしていたり、頭を振る動作が多くなったと感じたら、早めに病院に行きましょう。
アメリカン・コッカー・スパニエルに限らず、犬全般に言えることですが、体中を触らせてくれるようにするトレーニングは欠かせません。犬の中でも、体を触られることに抵抗がある子はたくさんいます。背中は触らせてくれても、足先は嫌がるなど、触られるのが苦手な部分がある子も多いでしょう。一生のボディケアのためにも、体を触られることに抵抗を持たせないように、小さなころからトレーニングをしましょう。ご褒美に美味しいものをあげながら、全身をくまなく触る練習を繰り返し、人の手がワンちゃんの体に触れること自体に、良い印象をもってもらえるようにしましょう。
(O_Lypa/shutterstock)
どの犬種にも、日本の夏と冬の気温は厳し過ぎます。気候的にも、心のケアの面でも、屋外での飼育は不適切。室内で人間と一緒に生活するようにしましょう。適切な気温は高くても25℃ くらいで、湿度は60% よりも低い方が快適でしょう。
春先から秋の始まり頃までは、日々のエアコン管理が欠かせません。お散歩でも、人間よりも地面に近い高さで暮らす犬たちは、コンクリートの反射熱を受けて熱中症のリスクが高まります。体が冷え過ぎて体調を崩すこともあるため、冬もエアコンによる温度設定が必要です。
室内での転倒防止のために、家の中で犬が歩く場所は、マットやカーペットを敷くようにしましょう。足裏の毛が長いと、滑って転倒の可能性があるため、肉球にかぶらないように、短くカットしましょう。
(O_Lypa/shutterstock)
アメリカン・コッカー・スパニエルと楽しく暮らすために、病気のことを知っておきましょう。
・膝蓋骨脱臼(通称:パテラ): 足の膝のお皿がずれやすく、歩くときに足を浮かしたり、跳ねたりする症状が出ます。痛みや不快感を伴う場合があります。
・外耳炎: たれ耳で風通しが悪く、耳の毛も、皮脂も多いため、雑菌がわいて炎症が起こります。耳垢が耳をめくって見える範囲についている場合には、病院に行って診てもらうことが大切。犬の耳を綿棒でこすって掃除をすることは、耳を傷つけて悪化させる危険があるので厳禁です。
・誤飲: 食いしん坊で、食べ物探しも大得意。そのため、誤飲のリスクがとても高い犬種です。口に入る大きさの物は、犬の届かないところに片付けておくこと。ストレスによって、誤飲や家具の破壊が増加することもあるため、しっかりと運動や一緒に遊ぶことでストレス発散をさせましょう。
・椎間板ヘルニア: 椎間板ヘルニアが起こる可能性のある犬種です。体重管理で体への負荷がかからないように気を付けましょう。
・白内障・緑内障: 人間と同様に、犬も発症します。
白内障・緑内障等の眼科疾患の発症も多い犬種です・日頃から観察して、気になる症状や変化があれば、早めに動物病院に行きましょう。
・肥満: 現代の犬は肥満が増えています。肥満は人生にとって百害あって一利なし。体重管理は、第一に食事制限、第二に運動。しかし、食事制限はワンちゃん自身では出来ません。適正体重にすることが愛情だと思って、カロリーコントロールをしましょう。
愛犬の健康を日頃からチェックしているつもりでも、見ただけでは症状がわかりづらいことも多いでしょう。若いうちは年1回以上、6歳以上なら半年に1回以上、動物病院で健康診断をしましょう。犬は人間よりも病気の進行が早いので、日常でも、少しでも異常を感じたら、早めに動物病院に行くようにしましょう。
(Olga Aniven/shutterstock)
アメリカン・コッカー・スパニエルを家族に迎えるときは、どんなことに気を付けたらいいでしょうか。
全ての犬種に言えることですが、子犬を迎えてから少なくとも3~8カ月間は、人間の都合は通じません。全面的に子犬のペースに合わせられるように、時間に余裕を持った生活を整えましょう。子犬に4時間以上の留守番は長いため、トイレの失敗や、問題行動につながりやすいと言われています。子犬の保育園や、ペットシッターなども検討しましょう。
生後6か月から1歳くらいまでの間は、子犬の頃とは比べ物にならないほど、体力がついてきます。強すぎる甘噛みや家具の破壊に悩む方も多いことでしょう。噛んで良い物(オモチャなど)と、ダメな物(手や服など)を学ばせるレーニングは必須です。
小柄ながらもとても力があるので、お散歩での跳びつきや引っ張りなどの悩みと向き合うことになるでしょう。健康な犬なら、当たり前の正常な成長です。
ドッグトレーナーに相談しながら、2歳くらいまではたくさんの教育の時間をかけることを覚悟して、家族全員で成長していきましょう。
アメリカン・コッカー・スパニエルと楽しく暮らすためのヒントはありましたか? アメリカン・コッカー・スパニエルを迎える前からたくさんのことを学ぶことで、より快適に暮らしをスタートすることが出来ます。日本中のアメリカン・コッカー・スパニエルと、オーナーさんたちが笑顔で楽しく過ごせることを、心から応援しています。
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