短いお鼻と大きな目、ゴージャスな美しい被毛をなびかせて歩くペキニーズの風貌は、ファンならずとも気になる存在ではないでしょうか。小柄ながらも、存在感のある堂々とした姿は、誰もが注目せざるを得ない犬種と言えるでしょう。 今すでにペキニーズと暮らしている方も、これからペキニーズを家族に迎えようかと考えている方も、ペキニーズの魅力を知り、楽しく快適な暮らし方を学んでいきましょう。
短いお鼻と大きな目、ゴージャスな美しい被毛をなびかせて歩くペキニーズの風貌は、ファンならずとも気になる存在ではないでしょうか。小柄ながらも、存在感のある堂々とした姿は、誰もが注目せざるを得ない犬種と言えるでしょう。 今すでにペキニーズと暮らしている方も、これからペキニーズを家族に迎えようかと考えている方も、ペキニーズの魅力を知り、楽しく快適な暮らし方を学んでいきましょう。
もくじ
(Grisha Bruev/shutterstock)
日本でのペキニーズの飼育頭数は、全犬種の中で第19位(JKC2018年度犬種別犬籍登録頭数参照)で3,105頭と言われています。
ペキニーズの原産国は中国。カタカナ表記だと気付きづらいかもしれませんが、実は名前の由来はそのまま原産地名で「北京(ペキン)の犬」で「ペキニーズ」。ちなみに、中国の国内では、「京巴(Jingba)」と呼ばれています。
次に、ペキニーズの歴史を知っていきましょう。ペキニーズは、中国の歴代の皇帝への貢物にされたり、宮殿内で皇族に飼育されるような、非常に高貴な立場の愛玩犬でした。中国国内でのみ存在が知られているペキニーズが、中国以外でも知られるようになったきっかけは、1860年のアヘン戦争。中国と戦ったイギリス士官が、宮殿内にいたペキニーズたちを、戦利品としてイギリスに持ち帰り、ビクトリア女王に献上し、王室で飼育されることになりました。その後、1893年になると、ペキニーズがドッグ・ショーに出たことにより、王族だけでなく、広く一般の人にも知られる存在となりました。
ペキニーズの高貴で、頑固なその姿と個性は、昔から現代まで、多くの人を魅了してきたのです。
(Deniz Demirkan/shutterstock)
ペキニーズは小柄ですが、豊富な骨量を持ち、ずっしりと頑丈な体が特徴的です。性格もパワフルで、学習意欲も人一倍あります。そのため、毎日の散歩で外の刺激に触れさせないと、ストレスがかかります。非常に頑固な一面もあるため、不満が溜まると、オーナーさんにすら攻撃的になることもあります。
鼻が短く、呼吸に負担がかかる犬種ですから、長距離を走り続ける運動よりも、犬自身の快適なペースをオーナーさんが見ながら、のんびり楽しいお散歩をするように心がけましょう。お外のにおいを嗅がせたり、一緒に遊んだりして、家の中では得られない刺激を受けることで、素敵な気分転換になります。
ペキニーズは体の構造上、呼吸がしづらい犬種のため、お散歩では、気道への負担の大きい首輪ではなく、胴輪(ハーネス)を使用するようにしましょう。
(Degtyaryov Andrey/shutterstock)
ペキニーズの特徴でもある、豊かで細やかな全身の毛を健康に保つためには、オーナーさんの毎日のブラッシングが欠かせません。日々のブラッシングに、小一時間は確保しましょう。月に1~3回のシャンプーも必要です。毎月のトリミングサロン料金を確保しておきましょう。
ペキニーズは鼻が短く、目を傷つけやすい犬種です。また、目の下の皮膚のしわ周辺に赤みも出やすいため、毎日健康チェックをしましょう。
足の裏の毛を伸ばしたままにすると、転倒する可能性もあるので、カットが必要です。毛の量が多いため、家の中に毛が抜け落ちて服や床に残ります。日々のお部屋のお掃除は覚悟しましょう。
(Grisha Bruev_/shutterstock)
ペキニーズは他の犬種よりも、特に暑さに注意をする必要があります。日本の気候では、屋外での飼育は不適切。室内で生活するようにしましょう。適切な気温は高くても25℃ くらいで、湿度は60% よりも低い方が快適でしょう。日本の夏は暑すぎるため、春先から秋の始まり頃までは、日々のエアコン管理が欠かせません。お散歩でも、人間よりも地面に近い高さで暮らすペキニーズは、コンクリートの反射熱を受けて熱中症のリスクが高まります。
小型犬は、体が冷え過ぎて体調を崩すこともあるため、寒い時季も環境設定に注意が必要です。オーナーさんが温度管理をするように気を付けましょう。
室内での転倒防止のために、家の中でペキニーズが歩く場所は、マットやカーペットを敷くようにしましょう。足裏の毛も短くカットしましょう。
(Olga Aniven/shutterstock)
ペキニーズと楽しく暮らすために、病気のことを知っておきましょう。
・膝蓋骨脱臼(通称:パテラ): 足の膝のお皿がずれやすく、歩くときに足を浮かしたり、跳ねたりする症状が出ます。痛みや不快感を伴う場合があります。ペキニーズの歩き方は、元々が独特のローリング歩様(左右に腰をゆらしながら歩く)ではありますが、身体の不調や関節の痛みなどで歩き方に変化が起きていないか、日頃から気を付けて見ておきましょう。
・短頭種気道症候群: 鼻の短い犬種の顔の構造上、いびき、呼吸困難、嘔吐など、呼吸がしづらくなってしまう状態があります。日常生活で苦痛を伴う場合は、呼吸がしやすくなるような、外科的手術も適用となることもあります。
・皮膚炎: ペキニーズは、食べ物や、様々な環境要因によるアレルギーや皮膚炎に悩まされることの多い犬種です。アレルギーに悩まされることも多い犬種のため、目、耳、口、足、柔らかい皮膚の部位などは赤みが出ていないか、においはいつもと変わらないか、毎日確認するようにしましょう。
・チェリーアイ: 眼頭から赤いものが飛び出して、サクランボ(チェリー)のように見えることからこう呼ばれます。目頭の瞬膜が飛び出してしまう状態です。見た目でわかることもあれば、目を痛がったり、涙が多かったり、目をかこうとする行動が多い場合などで気づくこともあります。少しでも目の異常を感じたら、早めに獣医さんに相談しましょう。
・椎間板ヘルニア: 椎間板ヘルニアが起きやすい犬種です。体重管理で体への負荷がかからないように気を付けましょう。
・歯周病: 人間と違い、犬は3日程度で歯垢が歯石に変わっていきます。歯周病菌は顎の骨を溶かして、体内に細菌が回ります。毎日の歯磨きは欠かせません。口臭がするのは、正常ではなく異常です。早めに獣医さんに相談しましょう。
・肥満: ペキニーズに限らず、現代の犬は肥満が増えています。肥満は人生にとって百害あって一利なし。体重管理は、第一に食事制限、第二に運動。しかし、食事制限はワンちゃん自身では出来ません。適正体重にすることが愛情だと思って、カロリーコントロールをしましょう。
ペキニーズの健康を日頃からチェックしているつもりでも、見ただけでは症状がわかりづらいことも多いでしょう。若いうちは年1回以上、6歳以上なら半年に1回以上、動物病院で健康診断をしましょう。犬は人間よりも病気の進行が早いので、日常でも、少しでも異常を感じたら、早めに動物病院に行くようにしましょう。
(rantisek Czanner/shutterstock)
ペキニーズを家族に迎えるときは、どんなことに気を付けたらいいでしょうか。
ペキニーズだけでなく、全ての犬種に言えることですが、子犬を迎えてから少なくとも3~8カ月間は、人間の都合は通じません。全面的に子犬のペースに合わせられるように、時間に余裕を持った生活を整えましょう。子犬に4時間以上の留守番は長いため、トイレの失敗や、問題行動につながりやすいと言われています。子犬の保育園や、ペットシッターなども検討しましょう。
生後6か月から1歳くらいまでの間は、子犬の頃とは比べ物にならないほど、体力がついてきます。特にペキニーズは顎の力が強いため、強すぎる甘噛みや家具の破壊に悩む方も多いことでしょう。噛んで良い物(オモチャなど)と、ダメな物(手や服など)を学ぶレーニングは必須です。ドッグトレーナーに相談しながら、2歳くらいまではたくさんの教育の時間をかけることを覚悟して、家族全員で成長していきましょう。
ペキニーズと楽しく暮らすためのヒントはありましたか? ペキニーズを迎える前からたくさんのことを学ぶことで、より快適に暮らしをスタートすることが出来ます。日本中のペキニーズと、オーナーさんたちが笑顔で楽しく過ごせることを、心から応援しています。
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