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2018.04.17

犬にリードは必須!ノーリードと伸縮リードの危険性

今までにうっかりリードを離してしまったことはありませんか?リードはしていたとしても、伸び縮みする“伸縮リード”でヒヤッとした経験はありませんか?「うちの犬は逃げないから大丈夫」と、ノーリード(引き綱無し)でお散歩をする人も、まだたくさんいます。今回は犬のプロの目線で、ノーリードと伸縮リードの危険性と、正しい伸縮リードの使い方を紹介します。
(執筆:プロドッグトレーナー・大久保羽純)

訴訟になったら1000万円以上の損害賠償の可能性!

Tatiana Katsai/shutterstock

近年、ノーリードや伸縮リードの事故による訴訟の件数が増えています。また訴訟件数だけではなく、損害賠償の額も年々高くなってきています。

「うちの犬は、他人を咬んだり、吠えたりして迷惑をかけるわけではありませんから、大丈夫です」…とお思いの飼い主さん!他人事ではありません。犬を飼っている全員に関係することなのです。先日のニュースでは、なんと犬に関する訴訟で、損害賠償1000万円を超える判決が出たのです。

<訴訟の内容>
ある日、飼い主さんは散歩中のミニチュアダックスフントのリードを、うっかり手から離してしまいました。走り出した犬に驚いた男性が転び、その男性は手首に後遺症が残ってしまいました。その後、訴訟となり、2018年3月23日に約1280万円の損害賠償を飼い主さんが支払う判決が出ました。

以上が簡単な訴訟内容です。
日常にありそうなシチュエーションですよね。うっかりリードを離してしまうことは、誰もが経験していることではありませんか?リードをしていても起きてしまった事故ですから、伸縮リードや、ノーリードだったらもっと危険です。

起こりそうな事故を知ろう

Jaromir Chalabala/shutterstock

リードに関する事故を防ぐためにも、以下に事故の例を紹介します。

<事故の例>
・うっかり伸縮リードを伸ばしていたら、歩いている人が引っかかって転んでしまった。
・長くした伸縮リードが見えず、自転車を転倒させてしまった。
・リードが長くて他人の近くに行ってしまい、吠えたり、咬んでしまった。
・ノーリードで散歩中に、よその犬に向かっていってしまって、咬んでしまった。または、咬まれてしまった。
・ノーリードで犬が道路を横断して、車が驚いて玉突き事故になってしまった。

どうでしょうか。日常の中にも、事故につながる場面が沢山あります。リードをしっかり管理するだけで、たくさんの事故を防ぐことが出来るのです。

また、10歳以下の子供だけに犬のリードを持たせることは基本的にお勧めしません。必ず保護者が横でサポートしてあげてください。特に伸縮リードは子供さんには長さの調節が難しいだけでなく、ハンドルを握ること自体が難しく、リードのワイヤー部分で手を切ったりと、事故の原因になります。

犬の散歩は、“車”の運転と変わらぬ責任があると心得よう!

Vista Photo/shutterstock

あなたがもし事故を起こしてしまったら、大変なことになります。たかが散歩と、あなどってはいけません。犬はあくまで動物です。日頃言うことを聞くからと言って、それは100%ではありません。また、犬は自分で責任を取ることはできません。すべての責任は、飼い主さんが負います。

現代の日本での犬に関する事故は、まるで“車で事故を起こした時”と変わらない責任や損害賠償が発生すると覚悟してください。あなたが車を運転しているときに、車が人を傷つけたら、たとえ歩行者側の不注意であっても、運転手の過失になりますよね。

犬が何かしてしまったら、それは飼い主の責任です。愛犬を守り、人間社会で犬と幸せに暮らすためには、飼い主さんによる安全管理が必要なのです。

リードは“あなたとワンちゃんがつないでいる手”

Rock and Wasp/shutterstock

安全に過ごすために、リードの範囲はどれくらいにしたらいいのでしょうか?そのイメージとして、人間の子供と一緒にいる時をイメージしてください。

人通りがあるところでは、小さな子供の手をしっかりつないで、大人の近くにいさせますよね。公園など広い安全な場所に行ったら、つないでいる手を伸ばしてゆったり歩かせてあげますよね。

ワンちゃんの場合も同様で、基本的に道や町中の他の方がいるところではリードを短く維持します。イメージとしては、飼い主さんから半径1m以内に犬がいる状態です。少し広い道などではリードは少し緩められますが、それでも半径2m以内。伸縮リードは伸ばすと3m以上ありますから、いずれも街中では長すぎます。

伸縮リードの正しい使い方

Tina Rencelj/shutterstock

街ナカで伸縮リードを伸ばすことは厳禁なら、「いつ伸縮リードを伸ばせるの?」思われますよね。例えば、広い公園や河川敷などで、近くに人がいない安全な状況でなら伸縮リードを伸ばすことも出来るでしょう。

基本的に伸縮リードは短い状態でお散歩をして、広い場所でのみ、伸ばすのが正しい使い方です。

いつノーリードにできるの

mannpuku/shutterstock

自己責任なのだから、リードは付けないでいい…訳ではありません。各自治体の条例でも「犬はつないで飼うこと」と決まっている通り、基本的に犬にリードは必須なのです。では、いつノーリードにできるかと言うと、脱走の可能性のない安全なドッグランと家の中などです。

「河川敷でのびのび走らせてあげたいのに、リードを付けなきゃダメなの!?」と思われるかもしれません。ここで役立つのが先述の伸縮リードなのです。伸ばすと長くなります。伸縮リード以外にも、「ロングリード」と言って、10m以上の長さのリードも販売されています。

「犬はリードにつなぐ」ことが決まりですから、リードを無しにするのではなく、安全な環境では伸縮リードを伸ばしたり、ロングリードに付け替えればいい訳です。

まとめ

ドッグランなど、安全を確保された場所での自由ならまだわかりますが、街中は他の人たちがいます。私自身もドッグトレーナーになる程の愛犬家ですから、ワンちゃんたちをこよなく愛していますし、なるべく自由に楽しく過ごさせてあげたいとは思います。しかし、人間社会はあくまで「人間優先」であることには変わりはありません。人に迷惑をかけると、人と犬は共生できなくなってしまいます。可愛いワンちゃんと幸せに暮らすためにも、愛犬家が人間社会で迷惑にならないような暮らし方をしていきましょう。

プロフィール

大久保羽純

大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、犬と人の心をつなぐレッスンを広めている。しつけ方教室を始め、イベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の生活を楽しいものにする活動を行っている。