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2017.11.14

【プロドッグトレーナー監修】 犬は、なぜ散歩をする必要があるのか

プロドッグトレーナー

大久保羽純

大久保羽純

最近は「犬に散歩をさせる必要がない」「散歩をさせていない」という話を聞くことが少なからずあります。しかし、昔の犬の飼い方の本を見ると、散歩は必須と書いてあります。さて、現代に暮らす人と犬にとって散歩とはどういったものなのでしょうか?散歩についてドッグトレーナーの立場からお話させていただきます。 (執筆:大久保羽純)

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もくじ

    散歩ってなに?

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    Hollysdogs/shutterstock

    あなたは日頃、どんな散歩をしていますか? 例えば、以下の3つの中で、どの散歩が間違った散歩でしょうか?

    • A.ウィンドブレーカーとキャップをかぶってアクティブに歩く飼い主さん
    • B.片手にお散歩バックをぶら下げてのんびり歩く飼い主さん
    • C.バギーに犬を乗せて公園で時間を過ごす飼い主さん。

    …答えは、どの散歩も間違いではありません。散歩にはいろいろな形があって良いのです! その理由は、犬と人の組み合わせによって、適切な散歩は異なるからです。

    犬の体重は1キロ程度の子から50キロ以上の子がいます。住んでいる場所も都会か田舎かで環境が全く違います。犬の年齢も病歴もバラバラです。その上、飼い主さんも年齢や性別などで、大きく異なります。
    散歩に決まった形ではなく、その犬と飼い主さんの両方が楽しめるような散歩の形を作り出すことが大切です。

    では、楽しい散歩を作り出すために、そもそもなぜ散歩が必要なのか、3つの理由をお話していきます。

    散歩の必要性。3つのポイント!

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    Peter Kirillov/shutterstock

    散歩が必要な理由3つ

    • 1.運動:健康な体づくり
    • 2.気分転換:なでられるだけでは満たされない!犬の本能的欲求を満たす
    • 3.コミュニケーション:飼い主さんと犬のお出かけの時間
    1.運動

    「運動」については、皆さんイメージしやすいですよね。歩いたり走ったりすることで筋肉を使い、新陳代謝も良くします。家の中での運動と違い、アスファルトや芝や土など踏む地面の感触も違いますし、坂や階段など傾斜も加わり、色々な刺激が体に与えられます。 では、運動という観点で、どれくらいの時間の散歩に行ったら良いかと聞かれますが、犬によって千差万別です。若い犬では運動量が多いでしょうが、シニアになったら同じようには行きません。
    そこで、時間だけではなく、散歩の内容にも目を向けてみて下さい。同じ時間、散歩をするにしても、歩くだけの散歩では物足りない子もいます。1時間のメニューを例としてあげてみます。

    • 若い犬の1時間メニューの例
      10分歩く→15分匂い嗅ぎ→20分おもちゃ遊び→5分早歩き→10分歩く
    • シニアの1時間メニューの例
      5分歩く→20分匂い嗅ぎ→5分おもちゃ遊び→25分公園で日光浴&犬友と会う→5分歩く

    …あくまで例ですが、時間だけでなく内容も意識することで、その犬にとって適切な運動量をカバーすることも出来、満足度もアップします。
    「散歩=ただ歩く」ではないのです。

    2.気分転換:家でなでられているだけでは満たされない!犬の本能的欲求を満たす。 3.Eric Gevaert_shutterstock_71302513

    Eric Gevaert/shutterstock

    散歩は、気分転換の役割が非常に大きいと言われています。例えば、広い庭がなく一日中室内で飼われている犬は、外部からの刺激も変化も受けません。飼い主さんにかまってもらっても、新しい刺激は少ないです。もし私達が、テレビやスマホもない状態で一日中部屋に閉じ込められていたらどうでしょう。気が滅入りますよね。私達が外に出るのと同じように、犬も外に出て新しい刺激を感じたいのです。脳の活性化です。
    本来犬は1日の半分、匂いを嗅いだり獲物を追いかけたりして、動き回っている動物です。匂いをかぎたい、何か追いかけたい、新しいものと出会いたいという本能的欲求があります。では、いつもと同じ公園に行くのはダメかというと、そうではありません。あなたのワンちゃんも、電柱や木の根元に新しいメッセージ(他の犬のマーキングなど)を発見して楽しんでいませんか?私達にとってはいつもどおりの公園でも、犬はそこにある新しい匂いを嗅いで楽しみます。
    家の中という同じ場所にいるのでなく、外に出ることで新しい刺激はあらゆるところに転がっています。リフレッシュしに、外に遊びに行きましょう。

    3.コミュニケーション:飼い主さんと犬のお出かけの時間

    犬は群れで生きる動物です。1人で過ごすのではなく、仲間と何かをすることが大好きです。例えばおもちゃを与えておいても、1人でずっと遊んではいませんよね。一緒に遊ぶことをとても喜びます。また、一緒に遊ぶことで犬と人の関係が深まります。よく聞く話で、「日頃一緒にいてお世話をしているお母さんより、散歩しかしてしないお父さんに一番なついている!」と言うものがあります。それは正解で、散歩という楽しい冒険に連れて行ってくれるパートナーを、好きにならないはずはありません。散歩という時間をともに過ごすことで、コミュニケーションも深まるのです。

    散歩はどれくらいしたら良いの?

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    a katz/shutterstock

    ポイントは質×量のバランス。上の項目「1.運動」のところにも書きましたが、時間だけでなく、内容も大切です。その犬の体力を発散させながら、かつ匂いを嗅いだり新しいものに出会いたいという欲求も満たしてあげられるような構成が必要です。ただ歩くだけの散歩ではなく、匂い嗅ぎや他に人や犬との交流、飼い主さんとコミュニケーションを取って、楽しい時間にすることが大切です。

    人の1日は犬の5日くらいの長さと言われています。1日散歩に行かないということは、5日間家に居続けたのと同じ。週に1度しか散歩に行かないということは、どういうことになるでしょう…。
    その犬にもよりますが、最低でも1日に1回以上は行って欲しいところです。逆に1日の散歩回数の上限はありません。今まで会った方で、1日7回散歩に行く男性に会いました。1回30分程度、のんびり近所を歩いたり、公園でお友達と会っているそうです。
    散歩時間は、上記の1~3のポイントを踏まえて、その犬と飼い主さんの生活にあう形を見つけ出して下さい。毎回同じ時間である必要はなく、余裕があれば長く行ってあげることももちろんOKです。

    補足ですが、とても天気が悪いとき、体調が悪いとき、病気や怪我の治療中など、絶対に散歩に行かなければいけない訳ではありません。ケースバイケースです。行けなかった日にはいつもよりストレスが発散できていないことを予想して、家で発散出来るように遊ぶなど調整してあげて下さい。

    いかがだったでしょうか?心と体の健康と、幸せなワンちゃんと家族の暮らしのため、散歩のお話が少しでもお役に立てば幸いです。楽しい散歩を通して、幸せな生活が送れますように。

    プロフィール

    大久保羽純

    大久保羽純

    プロドッグトレーナー

    【所属】 PERRO株式会社 代表取締役
    SUNNY Dog Training Partner 代表
    東京都動物愛護推進員
    健全なペットとの暮らしを目指す協会P-ALIVE 代表
    家庭動物共生教育支援フォーラム(FAES) 理事

    【略歴】 1985年 東京都江東区に生まれる。フェレット5匹、デグー12匹、亀3匹と暮らす。
    2003年~2007年 東海大学工学部卒業。
    2007年~2011年 某製薬会社MR(医薬品営業)勤務。
    2012年 ドッグトレーナー学校在学。
    2012年~2013年 海外留学でトレーニング修行。ニュージーランド動物保護施設「SPCA Auckland」で犬・猫のケアやトレーニングをボランティアスタッフとして学ぶ。
    2013年~現在 出張トレーニング・しつけ教室・講演などを行う「SUNNY Dog Training Partner」を設立。世界の保護施設、トレーニングを学ぶため10カ国以上を視察、滞在。外国人の夫と国際結婚。保護犬ジャックラッセルテリアと家族になる。
    2014年~2017年 関東の犬のトレーニング施設4カ所で勤務。関東の動物保護施設で勤務。
    2018年~2019年 都内専門学校でトレーニング実習講師として勤務。
    2018年~現在 「健全なペットとの暮らしを目指す協会P-ALIVE」を設立。「家庭動物共生教育支援フォーラム(FAES)」理事に就任。
    2017年~現在 犬に関するコンサルティング・トレーニングなどの総合相談業務を行う「PERRO株式会社」を設立、代表取締役に就任。世界中の犬と人との幸せな暮らしのサポートのため、日々邁進。

    【資格】 ・米国CCPDT認定国際ドッグトレーナー資格 CPDT-KA所持。
    ・PDTA認定ドッグトレーナー。
    ・The Smart Dog Owner Academy Basic / Advance 修了。
    ・SPCA Auckland Volunteer。
    ・東京都動物愛護推進員。
    ・愛玩動物飼育管理士1級。
    ・日本ペットシッター協会公認ペットシッター士。
    ・高等学校教諭第一種免許。
    ・Advanced Open Water Diver。
    ・P-ALIVEペット安全生活101講演認定講師。

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